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星屑の値段  作者: tm
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第6章「あと十九年」/二 第七坑道

 第七坑道の入口は、第九層の、さらに下にある。

 昇降籠で第九層まで降り、そこから先は、岩を削った細い階段を、自分の足で下りていくしかない。灯石の数が減り、空気が重く、湿っていく。壁に手をつくと、岩が、かすかに温かかった。山の底の熱が、ここまで染み出してきているのだ。

「……暗いですね」

 リュカが、ミカの後ろで、小声で言った。

「人間は、暗いところが苦手なんだっけ」

「苦手っていうか、見えないです」

「そっか」

 ミカは、工具帯から小さな灯石を取り出して、少年に渡した。人間の目は、ドワーフの目ほど闇に強くない。本で読んで知っていたけれど、実際に手探りで階段を下りてくる少年を見ると、ずいぶん不便な身体だと思った。

 階段の底に、木の柵があった。

 柵には、真鍮の札が掛かっている。


 ——第七坑道。坑道長の許可なき者の立ち入りを禁ず。


「ここから先が、本当の坑道」

 ミカは、柵の隙間に身体を滑り込ませた。ドワーフの中でも細身のミカには、造作もなかった。リュカは、少し手間取った。肩が引っかかって、柵が軋んだ。

 その瞬間だった。

「——出ろ」

 闇の奥から、声がした。

 低く、掠れた声だった。その声の後に、短い咳が二つ続いた。

 ミカは、その場に凍りついた。

 坑道の奥から、灯りが一つ、近づいてきた。灯石ではない。油の角灯だ。ドワーフの坑夫は、灯石を坑道に持ち込まない。灯石は、星屑の粉を練り込んで作るから、鉱脈の近くでは共鳴して、光り方が変わってしまうのだという。

 角灯の明かりの中に、ドワーフの男の顔が浮かんだ。

 血色の悪い、灰色がかった肌。短く刈り込んだ髭。そして、左目に固定された、真鍮の枠の拡大鏡。その拡大鏡が、角灯の火を映して、大きな一つ目のように光っていた。

 坑道長、ブラム・ドヴァ。

「……ブラムおじさん」

「出ろ、と言った」

 ブラムは、ミカの顔を見て、それから、柵に肩を挟んだままのリュカを見た。

 拡大鏡の奥の目が、わずかに見開かれた。

「人間か」

「えっと、あの、リュカ・ノーレンです。こんにちは」

 リュカが、柵に挟まったまま、頭を下げた。

 ブラムは、何も言わなかった。

 ただ、長いあいだ、少年を見ていた。それから、咳を一つして、角灯を持ち上げた。

「……ついてこい。二人ともだ。柵のこっち側に入った以上、俺の許可の下にいたことにする。——坑道の中で、俺の後ろを一歩でも外れたら、二度とミカの顔は見られんと思え。お前もだ、人間の坊主」


          ◆


 ブラムの詰所は、坑道の脇に掘られた、小さな石室だった。

 石室の壁は、三方が棚になっていた。棚には、革で綴じた帳面が、隙間なく並んでいた。背表紙に、年ごとの数字が刻まれている。一番古いものは、四十年前だった。

 記録魔。母は、ブラムおじさんのことを、そう呼んでいた。坑道の中で起きたことを、何から何まで書き留める。掘った量、崩れた量、湧いた水の量、坑夫の咳の回数まで。

 ミカが小さい頃、ブラムおじさんの膝の上で、その帳面の数字を読み上げる遊びをしたことがある。数字が読めるようになったのは、それが最初だった。

「座れ」

 ブラムは、石の腰掛けを顎で示した。自分は、角灯を机の上に置いて、壁際に立ったままだった。

「何をしに来た」

 ミカは、少し迷ってから、正直に言った。

「母さんが、怒鳴ってたの。星屑は、一粒たりとも、もう山の外に出せないって。——あんなふうに怯えてる母さん、初めて見た。理由を知りたかった。ブラムおじさんなら、知ってると思った」

 ブラムは、答えなかった。

 咳を、した。長い咳だった。背中を丸めて、口元を拳で押さえて。咳が収まるまで、ミカは、黙って待った。

 ブラムの肺が悪いのは、坑道の粉塵のせいだ。四十年、第七坑道の空気を吸い続けてきた。

「ヘルガは、怯えてたか」

 咳が収まってから、ブラムは言った。

「うん」

「……そうか。あいつも、知ってるからな」

 ブラムは、壁の棚に目をやった。

 四十年分の帳面。

 それから、机の角灯を持ち上げて、石室の奥の壁に向けた。

「見ろ」

 ミカは、立ち上がった。リュカも、おずおずと立ち上がった。

 石室の奥の壁は、棚になっていなかった。剥き出しの岩肌だった。その岩肌に、横向きの線が、何十本も刻まれていた。上から下へ、梯子の段のように。一本一本の線の脇に、小さく数字が刻まれている。

「これは」

「鉱脈の、切羽の位置だ」

 ブラムは言った。

「第七坑道の、一番奥の、星屑が出てくる岩の面。そこまでの距離を、毎年、同じ日に測って、この壁に刻んできた。四十年分」

 ミカは、線を目で追った。

 一番上の線から、二本目の線まで。その間隔は、指一本分ほどだった。二本目から三本目も、同じくらい。四本目も、五本目も。

 十本目あたりから、間隔が、少しずつ広がっていた。

 二十本目あたりで、指二本分になった。

 三十本目あたりで、掌の幅になった。

 一番下の、最も新しい線は、その上の線から、肘から手首までほども離れていた。

「……何、これ」

 ミカの声が、掠れた。

「切羽が、遠くなってる」

 ブラムは言った。

「同じ量の星屑を掘るのに、毎年、少しずつ深く掘らなきゃならなくなってる。鉱脈が、痩せてるんだ。脈の太さが、四十年前の、三分の一もない。——そして、この先も、痩せ続ける」

 ブラムは、角灯を下ろした。

 それから、上着の懐に、手を入れた。

 取り出したのは、折り畳まれた紙の束だった。何度も開いて、何度も畳んだのだろう。折り目が擦り切れて、端が毛羽立っていた。

「九年前、俺は、この壁の数字から、ある計算をした」

 ブラムは、紙の束を、ミカの前の机に置いた。

「第七坑道の鉱脈が、あと何年で掘り尽くされるか。第七坑道だけじゃない。ドラガルドの山の中に残ってる、掘る価値のある全部の鉱脈の分をな。——その報告書を、大公殿下に出した」

 ミカは、紙の束を見下ろした。

 一番上の紙に、ブラムの角張った字で、表題が書かれていた。

 ——鉄脈公国内星屑鉱脈の残存量及び枯渇時期に関する推計。

「大公殿下は、それを読んで、何と言ったと思う」

 ブラムは、拡大鏡の奥の目を、ミカに向けた。

「……何て」

「これは焼け、と言った」

 石室の中が、静かになった。

 遠くで、坑道の奥の水が、岩を伝って滴る音がした。

「俺は、焼いた。大公殿下の目の前で、炉にくべた」

 ブラムは、机の上の紙の束に、指を置いた。

「その前の晩に、写しを取っておいた。——大公殿下の命令に背いたのは、百三十八年生きてきて、それが初めてだ」

 ブラムは、紙の束を、一枚めくった。

 表題の下の、最初の頁。表が書かれていた。年と、数字の列。そして、表の一番下に、一行だけ、枠で囲まれた文があった。

 ミカは、それを読んだ。


 ——現在の採掘量を維持した場合、残存する全鉱脈は、推計二十八年以内に枯渇する。


「二十八年……」

「九年前の数字だ」

 ブラムは言った。

「毎年、壁に線を刻むたびに、計算し直してる。数字は、一度も、延びたことがない」

 ブラムは、紙の束の一番下の、新しい紙を引き出した。

 そこには、同じ角張った字で、今年の日付と、一つの数字だけが書かれていた。


 ——十九。


「あと、十九年だ」

 ブラムは言った。

「十九年で、ドラガルドの星屑は尽きる。大陸に残ってる大鉱脈は、ここと、魔族の領地にしかない。ここが尽きれば、残るのは魔族の領地だけになる」


          ◆


 リュカが、ミカの隣で、息をするのを忘れていた。

 ミカ自身も、似たようなものだった。

 十九年。

 ドワーフの時間で、十九年は、短い。母が星屑合金を完成させるのに、八十年かかった。ミカ自身、まだ成人して三年しか経っていない。十九年後、ミカは八十二歳だ。ドワーフとしては、ようやく一人前の職人と呼ばれはじめる年頃。

 その頃には、もう、星屑がない。

「……人間が、それを知ったら」

 リュカが、震える声で言った。

「王国の人たちが、それを知ったら、どうなるんですか」

 ブラムは、拡大鏡の奥の目で、少年を見た。

「坊主。お前の国は、星屑をどこから手に入れてる」

「え、えっと……教会が、管理してて。それから、商人が、カルネイアから」

「カルネイアの商人は、どこから仕入れてる」

「……ドラガルド、ですか」

「半分はな。残りの半分は、百二十七年前に地上に降った分の、掘り残しだ。それも、もう、ほとんど残っちゃいない」

 ブラムは、咳を一つした。

「ドラガルドの星屑が十九年で尽きると知れたら、お前の国も、自由都市も、森のエルフどもも、一斉に同じことを考える。尽きる前に、残りを手に入れろ。山を取れ。——そして、山が尽きたあとは、魔族の領地を取れ」

「戦争に、なる」

「なる」

 ブラムは、短く言った。

「だから、大公殿下は、焼けと言った」


          ◆


 その夜、ミカは、母の工房の奥の、炉心の作業台の前にいた。

 作業台は、大きな鉄の板を、四本の石の柱で支えたものだった。王立鍛冶場で一番古い作業台で、先々代の鍛冶頭の頃から、そこにある。

 その作業台の前に、大公がいた。

 ゴルド・バルガ・ドラガルド。

 横幅が身長とほとんど変わらない、岩のような身体。三つ編みにした鉄灰色の髭に、金の環が十二個通されている。鉱脈の等級を示す環だ。大公は、玉座に座らない。いつも、どこかの鍛冶場の作業台で、執務をする。今夜は、母の作業台だった。

 作業台を囲んで、母と、ヨナと、ブラムが座っていた。

 ミカは、酒の給仕をしていた。

 正確に言えば、給仕をさせられていた。坑道に忍び込んだ罰だった。リュカは、隣の部屋で、母の弟子たちに囲まれて、人間の地上の話を質問攻めにされているはずだ。

「——人間の坊主に、見せたそうだな。ブラム」

 大公が、言った。

 杯を、ゆっくりと傾けながら。声は、怒っていなかった。ただ、低く、重かった。

「見せました」

 ブラムは、目を伏せなかった。

「写しを、取っていたことも」

「存じておった」

 大公は、杯を置いた。

「儂の目の前で報告書を炉にくべたとき、おぬしの手は震えておらなんだ。四十年、坑道で死と隣り合わせに生きてきた男が、命令に背くときに手が震えぬはずがない。——震えておらぬということは、もう背いた後だということよ」

 ブラムは、何も言わなかった。

 大公は、髭の金環を、指で一つずつ弾いた。ちり、ちり、と、小さな音がした。

「儂は、嘘は言わん」

 大公は言った。

「ドワーフは嘘をつかぬ。大陸中が、そう思っておる。儂は、その評判を、百八十七年、一度も裏切ったことがない。——言わんことは、山ほどあるがな」

 大公は、自分の胸を、拳で軽く叩いた。

「鉄脈の紋は、この胸にある。山の中の鉱脈が、どこにあって、どれだけ残っておるか。儂は、それを、身体で知る。……即位して幾年も経たぬうちから、儂は、鉱脈が痩せていくのを感じておった。毎年、毎年、少しずつ、胸の中の重みが軽くなっていく。ブラムが数字にする、五十年も前からな」

 作業台の上で、炉の火が揺れた。

「六十年だ」

 大公は言った。

「六十年、儂は、それを誰にも言わずにきた。王国の使者が来れば、採掘権の話を、のらりくらりと躱した。教会の大司祭が来れば、茶を飲んで、酒を飲んで、何も約束せずに帰した。自由都市の商人には、少しずつ値を上げて、少しずつ出荷を絞った。——嘘は、一つもついておらん」

 大公は、杯を、また持ち上げた。

「そして今、ヘルガの破門した弟子が、合金を三本くれと言う」

 ヨナが、顔を上げた。

「山の外に出る星屑は、一粒でも少ない方がよい」

 大公は、ヨナを見た。

「儂は、そう考えてきた。外に出た星屑は、外で使われて、外で消える。消えた分だけ、外の者どもは、また山に欲しがりに来る。欲しがりに来る者が増えれば、いずれ誰かが、なぜこれほど値が上がるのかと、数えはじめる。数えれば、分かる。分かれば——」

「戦争になる」

 母が、言った。

 大公は、頷いた。

「公表すれば、戦争が始まる」

 大公の声は、静かだった。

「隠し続ければ、いずれ、何も残らんまま始まる」

 炉の火が、ごう、と鳴った。

「……どっちにしても、始まるってことか」

 ヨナが、低く言った。

「そうよ」

 大公は、杯の酒を、一息に干した。

「儂が六十年やってきたのは、始まるのを、遅らせることだけだ。止めることは、できん。儂の胸の紋が、そう言っておる。——あと十九年。儂が死ぬ前に、この胸は、空になる」


          ◆


 ミカは、酒の壺を抱えたまま、作業台の脇に立ち尽くしていた。

 大公の言葉が、頭の中で、何度も繰り返されていた。

 公表すれば、戦争。隠し続ければ、何も残らないまま戦争。

 どちらの扉を開けても、同じ部屋に出る。

 ミカは、ブラムの石室の壁を思い出していた。四十年分の線。指一本分の間隔が、肘から手首までに広がっていく線。

 そして、母の工房で見た、ヨナの鉄の板を思い出していた。

 環の外側に添えられた、細い一本の線。

 紋と、紋の外にあるものを、繋ぐ線。

「——あの」

 ミカは、声を出していた。

 作業台の四人が、一斉にこちらを見た。大公の目も。

 ミカの指先が、ちりっと疼いた。継目の紋が、また、何かに反応していた。

「ヨナさんの紋。あの、環の外の線」

 ミカは、酒の壺を、床に置いた。

「あれは、燃料の口だって、リュカに聞きました。星屑を溶かした鉄から、力を吸う口だって。——でも、あの線、たぶん、星屑じゃなくても、繋がります」

 ヨナの、虹色の義眼が、細くなった。

「……どういう意味だ」

「わたしの紋は、継目っていいます。違う素材同士を、繋ぐ紋です。鉄と鋼。鋼と木。今まで、繋げなかったものは、一つもない。——あの線を見たとき、指が、分かったんです。あの線は、星屑にしか繋がらない形じゃない。形が、開いてる。星屑の代わりに、別の何かを、繋げられる形をしてる」

 作業台が、静まり返った。

「別の何かとは、何だ」

 大公が、訊いた。

「……分かりません」

 ミカは、正直に言った。

「まだ、分かりません。でも、十九年あれば、分かるかもしれない。山の中で、同じ技を八十年磨いてたら、間に合わない。でも、外に出て、人間の技と、エルフの技と、繋げてみたら——」

 ミカは、そこで言葉を切った。

 母が、ミカを見ていた。

 真っ赤な髭の中で、母の口が、何か言おうとして、動かなかった。

 ミカは、母の目を見返した。

 そして、言った。

「母さん。わたし、ヨナさんと一緒に、山を下りたい」


          ◆


 長い沈黙があった。

 大公が、最初に動いた。

 空の杯に、自分で酒を注いだ。ゆっくりと。それから、その杯を、ミカの方へ、作業台の上を滑らせた。

「飲め」

 ミカは、杯を見下ろした。

「髭のない娘に、酒を注ぐのは、儂も初めてよ」

 大公は、鉄灰色の髭を揺らして、笑った。

「合金は、三本、持っていけ。ヨナ・スタイン」

 ヨナが、目を見開いた。

「殿下」

 ブラムが、腰を浮かせかけた。

「儂は、嘘は言わん」

 大公は、手を上げて、ブラムを制した。

「星屑は、あと十九年で尽きる。尽きる前に、星屑を使わん技術を育てねばならん。それができるのは、山の中ではない。——儂は、六十年、始まるのを遅らせてきた。その六十年が、無駄ではなかったと言えるのは、遅らせたあいだに、誰かが何かを見つけたときだけよ」

 大公は、ミカを見た。

「見つけてこい。髭のない娘」

 ミカは、杯を手に取った。

 手が、震えていた。

 母の方を見た。

 母は、腕を組んで、そっぽを向いていた。真っ赤な髭が、炉の火に照らされて、燃えているように見えた。

「……母さん」

「一人前になるまで、戻ってくんじゃねえぞ」

 母は、そっぽを向いたまま、言った。

 声が、大きかった。いつもより、ずっと大きかった。七十の炉の轟音を、全部押しのけるほど。

「十九年だ。十九年で一人前になれなきゃ、もう戻ってくる山もねえんだからな」

 ミカは、杯の酒を、一息に飲んだ。

 喉が焼けた。

 涙が出たのは、たぶん、酒のせいだった。


          ◆


 三日後、ミカは、第一層の交易所の門の前に立っていた。

 工具帯を斜めにかけ、背中に、母が夜通し詰めてくれた道具の袋を背負って。袋の底には、星屑合金のインゴットが三本、布に包まれて入っていた。

 門の向こうに、山道が続いていた。その先に、空があった。

 灯石の白さではない、本物の空。薄い青で、ところどころに白い雲が流れていた。

「……広い」

 ミカは、呟いた。

「まだ、山の上ですよ」

 隣で、リュカが笑った。

「下に降りたら、もっと広いです。川もあります。空が、映るやつ」

 ヨナが、先に立って、山道を下りはじめていた。振り返りもしなかった。道中、ほとんど喋らないのだと、リュカが言っていた。

 ミカは、一度だけ、山を振り返った。

 岩の門。その奥の、灯石の白い光。

 あの光の下で、ブラムおじさんは、今年も壁に線を刻むだろう。来年も、その次の年も。線と線の間隔は、また少し広がるだろう。

 十九本。

 あと、十九本。

 ミカは、剃った顎を上げた。

 そして、空の下へ、一歩を踏み出した。


ミカ・トゥーン

年齢: 63

所属: 鉄脈公国ドラガルド/技師見習い

肩書き: 第三工房技師

外見: 母譲りの赤毛を短く刈り、ドワーフの伝統である髭を剃り落としている(同族からは強く咎められる行為)。工具帯を斜めがけにし、油の染みたつなぎを着ている。ドワーフとしてはやや細身。


リュカ・ノーレン

年齢: 16

所属: 聖王国ヴェルディナ/銀環騎士団

肩書き: 従者見習い

外見: 砂色の癖毛、そばかす。まだ声変わりが済んでいない。支給された鎧が大きすぎて、袖を折って着ている。いつも何かを抱えて走っている。


ブラム・ドヴァ

年齢: 138

所属: 鉄脈公国ドラガルド/第七坑道

肩書き: 坑道長

外見: 坑道暮らしで血色の悪い肌、肺を病んで常に低く咳き込んでいる。片方の目に採掘用の拡大鏡を固定したまま外さない。髭は短く刈っている(坑道では長い髭が事故のもとになるため)。


ゴルド・バルガ・ドラガルド

年齢: 187

所属: 鉄脈公国ドラガルド

肩書き: 大公

外見: 横幅が身長に近い岩のような体格。三つ編みにした鉄灰色の髭に、鉱脈の等級を示す金環を十二個通している。玉座に座らず、常に鍛冶場の作業台で執務を行う。


ヨナ・スタイン

年齢: 29

所属: 自由都市同盟カルネイア/詠紋鍛冶工房「星槌(せいつい)」

肩書き: 親方

外見: 煤で汚れた前掛け、火傷痕だらけの太い腕。癖の強い茶髪を布で縛っている。左目は義眼——星屑の破片が飛び込んだ事故で失った。義眼もまた星屑製で、光の下では虹色に濁る。


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