第52章| 職場巡視の重要性 <9>リスクアセスメントをやってみよう その4
<9>
「この……『リスクアセスメントシート』に順番に入力していけばいいんですね! 」
ネイリスト達が画面をのぞき込む中、間黒さんがマウスをクリックして『CREATE-SIMPLE』のエクセルシートに次々状況を入力していく。
―――STEP1で、今回のリスクアセスメントのタイトルを付ける。
「え~・・・・・・『アセトン評価』とかでいいかな、ッと・・・・・・。
カチカチッ、と間黒さんがキーボードをたたく。
「STEP2は“物質名から検索”のボタンを使いましょう」鈴木先生が言った。
言われた通りに間黒さんがクリックすると、物質名の検索窓が現れる。
“アセトン”と入れると、すぐに物質名がヒットした。
検索で出てきた“アセトン”をクリックすると、一気に表の枠内に、アセトンのデータが入力表示された。
「なるほど・・・・・・『CREATE-SIMPLE』のデータベースに載っている化学物質は、こうやって簡単に性質が転記されるようになってるんだね」横から見ていた伊倉さんが言った。
―――STEP3。作業内容に関する質問。
「ここは普段、私たちがサロンでアセトンを使うときの状況を選んでいけばいいってワケね! 」
間黒さんは迷いなく、次々とタブをクリックして選択肢に答えていく。
質問内容は、サロンでのアセトンの取扱量、塗布面積、換気状況、作業時間などなどだ。
普段からアセトンを使っている従業員にとってはイメージしやすい内容なのだと思う。
「できた!! 」ネイリスト達が顔を見合わせて頷く。
「そうしましたら、いよいよ“STEP4 リスクの判定”ですね・・・・・・」
持野さんがそう言って画面を指さした。
―――――――――“リスクの判定”
そう書かれたボタンを間黒さんがポチっと押すと、表の中に、判定結果が瞬時に表示された。
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~判定結果~
【有害性】
濃度基準値設定物質以外の長時間(8時間)ばく露の評価結果は十分に良好です。
濃度基準値設定物質以外の短時間ばく露の評価結果は良好です。換気、機器や器具、作業手順などの管理に努めましょう。
不浸透性の化学防護手袋の着用を推奨します。
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「あれ。なんかうちのサロンのアセトンの使い方、ほとんど大丈夫みたいよ~!! 」
『CREATE-SIMPLE』画面に表示された判定結果を見て嬉しそうに周囲を見渡した間黒さんだったけれど、その瞬間、鈴木先生がカバンから何かを取り出すのを見て少し動きが止まった。
「え・・・・・・鈴木マネージャー、それは・・・・・・・・・? 」




