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第52章| 職場巡視の重要性 <1>ネイルサロン3度目の訪問

<1>




――――――――「ネイルサロンの仕事を知りたい・・・・・・!? ええ、いいですよ~」



 ネイルサロン店長の間黒さんに事前連絡を入れたとき、そう言って快諾してくれたので、先輩保健師の持野さん、産業医の鈴木先生と3人で、もう一度ネイルサロンに訪問させてもらうことになった。もちろん、荒巻先生にも許可をもらっている。




・・・・・・・・・・・・3度目の正直。



ことわざじゃないけれど、今度こそは、ネイリストの皆さんの体調不良の原因がわかればいいな、と思う。




 今日はみんなのスケジュールを合わせて、ネイルサロンが閉店したあとの夜遅い時間の集合になった。各自の予定があったので、現地で待ち合わせの約束だ。



夜の青山通りをずんずん1人で歩いた。道路を走る自動車は、どれも素人の私でもわかるような高級車ばかりだ。ここは東京でもお金持ちが好む、イケてるエリアなんだろうなぁ・・・・・・と思う。



約束の時間に間に合うように小走りしたら、少し息が上がって、吐いた息が白かった。けれども例のハーブをやめてから、激しい動悸を感じることはなくなったし、お腹の調子も戻っている。


トモコに次に会ったら、もうあのハーブを飲むのはやめると伝えよう。

伝えなきゃ。そう思いながら、言い出しにくくてまだ連絡はできていない。




(北海道と東京の寒さって、なんとなく種類が違うんだよね・・・・・・なんでだろうな)



――――――――美容クリニックの広告。審美歯科。高級車のディーラー。



目に入るものを流して灰色の街を歩きながら、もうすっかり雪景色になっているであろう、北海道日高の故郷を一瞬思い出した。



(父さん、母さん、弟の耕大は元気にしているかなぁ・・・・・・・・・)



-------------------------------------------------------------------------



 ネイルサロンに到着すると、既に持野さんと鈴木先生が着いていた。小走りで2人に駆け寄る。


住民票の住所だけは東京の人になっても、いまいち都会に自分の居場所が見つけられないままの私だけれど、顔見知りの2人を見ると少しだけホッとして、肩の緊張がほどけるような気がした。



「里菜ちゃん、お疲れ様~! 」


笑顔で声をかけてくれた今日の持野さんは、レディっぽいグレーのパンツスーツを着ていた。スーツはウエストのところに共布の大きなリボンが付いていて、キュッと締まっている。デザインが凝っていて素敵だ。


鈴木先生は丈長めの黒のコート姿。すらりとした長身に似合って、文句なしにカッコイイ。



(はうっ。鈴木先生を見たら動悸が再発しちゃうぅ・・・・・・・・・)


(これは仕事だ・・・・・・仕事・・・・・・仕事だから・・・・・・・っ)



鈴木先生の姿を見てテンションが上がったことを絶対に顔に出さないようにした代わりに、飲み込んだドキドキが胸のあたりで踊ってしまう。



この前、一緒にお雑炊を食べたとき、ご飯屋さんに誘ってくれたの、嬉しかったな。

鈴木先生は、なんとも思ってないと思うけど・・・・・・。



「では、中に入りますか」


「は、はいっ!!! 」



私が先頭に立ってネイルサロンのドアを開けて、中にいるスタッフに声をかけた。



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