友人を褒める
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輝花と蓮火もやがて、駈たち三人の元へとやって来た。
駈と蓮火の表情には、色濃い疲れが表れている。
発生したばかりのダンジョンとは言え、七時間以上も中にいたのだ。
しかも、地上では半日以上経っていたことになっている。
いくら十代の元気盛りである駈と蓮火とは言え、疲労が隠せないのも無理はなかった。
それを見たためかどうかは定かではないが。
「さて、私はもう帰るぞ。お前らも用が済んだら解散するんだな」
それだけを告げ、最後に駈と目を合わせた。
忘れるなよ、と釘を刺された気がした駈はとりあえず首を縦に振っておく。
「じゃあな」
その反応に満足したのか、輝花は口の端を少しだけ吊り上げると、駈たちに背中を見せ、そのまま振り返ることなく去っていった。
姉の背を見ていた輝子は、やがて彼女が見えなくなると、
「じゃあ、俺たちも帰るか!」
一人だけ元気な様子で、勢いよく発言した。
「うん、そうだねぇ」
駈は苦笑するが。
「今日はありがとう。助かったよ」
助けてもらったお礼を改めて輝子へ告げる。
「ありがとうっ。吉川君!助かったよっ」
「うん。ありがとう」
蓮火とリストも駈に続いた。
三人に感謝された輝子は恥ずかしそうに顔を固めると、駈の肩をポンと叩いて寮の自室へと戻っていく。
遠ざかる輝子の耳が少し赤く染まっていたような気がするのは夕陽のせいだろうか。
「良い子だねっ、あの子!」
蓮火が嬉しげな感情を口調に乗せながら駈の友達を褒めた。
「ええ。彼と友達でいて良かったです」
照れ臭くなりながらも、それだけははっきりと表わした。
「うん。ああいう友達は大事にした方が良いと思うよ」
「……はい!」
駈は年長者からのアドバイスに、素直に返事をした。
本人がいないところでは、友人を高く評価する駈なのだった。
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