駈の確認
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「そう言えば聞きたいことがあったんだけど、輝子に」
「ん、どうした?」
駈は自らの腕を覗くと、輝子に聞いてみた。
「今って何時?」
「何時って、4時だぞ?午後の」
「今日は祝日?」
「ああ」
駈は首を傾げた。
リストは駈の仕草に首を傾げた。
「どうしたんだ?カケル君」
「えぇと……蓮火さんと僕があのダンジョンに入ったのって昨日の夜9時過ぎだったんですよねぇ」
「……うん?」
「それで、リストさんの部屋に入ったのが正確には覚えていないんですが、1時とか2時とかだったと思うんですよ」
夜の、はずでした。
駈は強調するように、そこを付け加えた。
「それで、リストさんの部屋を脱出し始めたのが、4時くらいでした」
「なるほど。なら違うということになるのかな?」
「何がですか?」
輝子がのほんと能天気にリストに質問した。
「時間の流れが……だよ」
「……ああ!確かにおかしいですね!」
輝子はポンとグーで手の甲を叩いた。
「まぁ、あのダンジョンが特別なのか、全てのダンジョンがそうなのかは分からないけどね」
駈がリストの言葉に補足をする。
「うん。でも、あのダンジョンは少し変だったよ。わたし、閉じ込められたし」
「えぇ?!リストさん閉じこめられてたんっすか!?」
「ああ。わたしがさっき崩れていった建物の地下に入って少し経ったら、出入口は閉じてしまうし、カケル君たちが入ってくるまで満足に魔法は使えないしで、参っていたよ」
リストはあまりそう思ってなさそうな感じで飄々とそんなことを述べた。
「それは大変っすね?!」
輝子は本人以上に辛そうな顔をしている。
「ああ。そのせいで、なんじゅ……」
「リストさん!」
駈がリストの口を捕まえて、輝子から遠ざかった。
輝子は、突然の駈の横暴に目を白黒させる。
(リストさん!何十年も閉じこめられたなんて言ったら絶対おかしいって思われますよ?!っていうか、そもそも閉じこめられてたんですか!?)
(うん、まあな。でも確かにそうか)
(ええ!リストさん、10代かそこらくらいにしか見えませんし!リストさんが正体を晒しても構わないって言うんなら別に良いと思いますが)
(うーん。めんどくさそうだし、隠す方向で行こうか)
駈はリストを開放すると、輝子の元へ戻った。
いやぁ、リストさんには参っちゃうよねぇ。
駈は輝子にごまかしの弁を行なっている。
一人残されたリストは少しにへらっと笑う。
ふむ。
わたしもまだまだ、捨てたもんじゃないな。
笑みを収めるのに少し苦労しながら、リストも駈たちの元へと戻るのだった。
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