アカズのダンジョンと旧きもの20
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「ところで……」
リストはぶたれた頬をさすっている駈を見て言う。
「目が覚めたね、これで」
「ええ、強烈な目覚めの一撃でした」
「まあ、君が全面的に悪いから同情の余地もないけどね」
「ええ。気持ち良かったので思わず正直な感想を述べてしまいました」
「今度わたしの膝枕も受けてみるかい?」
「おねが……」
「駈君?」
駈はリストの提案に思わず頷いてしまいそうになるが、蓮火から名前を呼ばれ彼女の方を向くと。
その表情を見て反射的に頷きを止めた。
止めた方が良い気がした、本能的に。
ものすごく良い笑顔なのに、それが恐かった。
人間、笑顔であんなに人を恐がらせることができるのだと勉強になった駈である。
「そ、そう言えば……」
リストからの話の流れを変えるため、駈はとある疑問を口に出した。
「僕はなんで寝てたんでしたっけ?」
駈のその疑問に、苦笑いするリスト。
蓮火は顔を真っ赤にする。
「なんだ、覚えてないのかい?」
「えーと、詳しくは。何だかすごく嬉しいことをされたような気はするんですが」
「ふむ。つまり嬉しすぎて気絶したということになるな」
「気絶するほど嬉しいこと……ですか」
「わたしは教えてしまってもいいんだが……さて蓮火ちゃんはどうする?」
リストは蓮火に話を振る。
聞かれた蓮火は。
「し、知らないよっ!」
駈と目を合わせないようプイっと横を向いてしまった。
蓮火が横を向いた先に駈は回り込む。
蓮火はまた横を向いた。
駈は回り込む。
横を向く。
回り込む。
横を。
回り。
「何をやってるんだい、君たちは」
リストが少し呆れたようにポツと呟く。
「「はっ?!」」
その呟きを聞いた駈と蓮火は同時に動きを止めた。
「仲が良いのは大いに結構だがね」
リストは二人の様子を見て、苦笑しながらそれしか言えない。
要するに、だ。
リストは話をまとめて告げた。
「気絶するほど嬉しいことをわたしと蓮火ちゃんから2回連続でされたウブなカケル君は鼻血を出して気絶してしまい蓮火ちゃんの膝枕で寝ていた、というわけだな」
いやぁ、至れり尽くせりだね。
最後にそう付け加えた。
リストの要約話を聞いた駈は。
(いや、つまり、あれは夢じゃなかったのか……いや、でも)
リストと蓮火が聞いたら本気で怒りそうな、夢オチの可能性をブツブツと考えていた。
「まあ、いつか蓮火ちゃんに教えてもらいなさい。なあ、蓮火ちゃん」
「……」
蓮火は頷くだけだった。
「お願いします蓮火さん」
駈の言には、またプイっと横を向いたが。
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