アカズのダンジョンと旧きもの11
よろしくお願いいたします!
「では、お二人の期待に応えられるよう頑張ります」
そう言うと、蓮火とリストの箱開けの魔法を受けてもびくともしなかった宝箱へ、駈は自らの手を向けた。
そして、お決まりのあの言葉を口に出す。
「開けー、ゴマ!!!」
蓮火は宝箱の様子をキリッと真剣な眼差しで見つめている。
リストはツッコもうかツッコまないか悩んでいた。
お下げはコメントくれたんだけどな、と駈は少し寂しく思いながらも自らの手の平の先にある宝箱を見た。
先ほどまでとても頑固だったその箱は、駈の力の前に耐えることなくカチャリと音を立てると、蓋を勢いよく開きあっさりとその中身を三人の前に晒した。
「開いた……」
「ああ、開いたね」
「開きましたね……」
駈は少し、ホッとしていた。
あんなことを言って、もし開かなかったら、蓮火とリストから気まずい慰めがあったことだろう。
リストは茶化してくるかもしれないが。
「駈君すごいよっ!!」
「あ、ありがとうございます!」
駈の手を握って跳ねて大喜びする蓮火。
駈の目はとある一点に集中しそうになったが、何とかこらえる。
こんなに自分のために純粋に喜んでくれているのだ。
それをそんな柔らかそう、じゃなく不純な大きい、でもなく目で見てはいけない。
駈は顔を振る。
蓮火には、そんな駈の様子が目に入らなかったが。
「カケル君も大変だな……」
駈と蓮火を見ていてリストはそんなことを呟き。
わたしのより大きいな。
自分のものに手を当て、心の中でポツと思うのだった。
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