アカズのダンジョン7
よろしくお願いいたします!
「やっぱりこれ……」
駈に握らされた固くて長い黒色の
脇差を見ていた蓮火がポツと呟く。
「えぇっと、知ってるんですか?その刀、っていうか脇差」
「うん。小さいころだけど家にたまに来てたおじさんがこんな物を持ってたような気がするよ」
ほら見て。
蓮火に言われた駈は、彼女が指差した部分を見る。
傷、だろうか。
よく見れば、れん、と書いてあるようだった。
「何か、文字……みたいなものがありますね」
「うん……小さい頃イタズラしてこんな文字みたいな傷を付けて、しこたま怒られた覚えがあるよ……。そのおじさんは笑っていたけどね」
あの頃は色々やったなぁ。
そう言う蓮火の目はどこか、遠くを見るようなもので。
悲しそうで、手に入れたい何かがあったがそれが叶わなかったような。
そんな寂しい印象を駈は感じた。
「でも、そう言えばさっ」
殊更に明るい口調で蓮火は疑問を口にする。
「これって、とこで手に入れたの?」
それは当たり前の疑問であった。
自分が小さい頃に会ったおじさんが持っていたものを何も関係なさそうな友達が持っていたのだ。
不思議に思っても無理はない。
駈は一瞬、悩んだ。
どこまで話すべきかどうかを。
「その方と同じ方、かどうかは分かりませんが……」
そう前置きをしたうえで。
結局、駈は旧きものという部分はぼかし、それ以外は全て、自分が遭遇した出来事を話すよう決めたのだった。
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