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前世で虐げられた少年は、転生後も人々を信じたかったが、裏切りを機に暴君への道を歩み始めた  作者: 塩見ヒモン


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彼らが知る由もないこと

次の朝食のとき、父はまた両手をテーブルに置いた。手のひらを下にして、指を開き、見えるように。それからスプーンを取る。


「茶」


その声は低かった。母はカップへ伸びる手が本当に動いているのか確かめるように、顔を上げる。


僕はパンを四つに切った。誰も僕の手を見ていない。それなのに、部屋の空気全部が指先に集まっている気がした。


剣の稽古は昨日よりひどかった。ワイヴァーンは木の剣をわざとゆっくり振る。僕は自分の剣を上げて受ける。木と木が当たる。乾いた短い音が耳のすぐ横で弾けて、肩から首にかけて一気に力が入る。遅れて、頭のどこかが「それ以上は来ない」と告げる。遅すぎる。剣は草の上に落ちた。


ワイヴァーンは責めなかった。剣を拾い、柄を僕のほうへ向けて差し出す。いつもそうだ。僕が構え直すまで待って、それから自分の剣を上げる。だから僕も上げた。そしてまた落とした。


矢は違う。弦は何にも当たらない。ただ指から離れていくだけだ。五本の矢を板に刺せても、中心には一度も届かない。それでも、藪を探さなければならないほど外したことはない。


ワイヴァーンは、同じ歳の自分よりましだと言った。それが本当なのか、剣のことを考えないようにするための言葉なのか、僕には分からない。


背後で草を踏む音がした。父だ。足音で分かる。強くて、左足だけ少し重い。裏の小道へ向かっている。昨日はこれから触るものをいちいち口にした。今日は何も言わずに僕の後ろを通っていく。


体が少しだけ強張った。弓の柄を握る指に力が入る。息を止める。足音が僕を通り過ぎ、塀の向こうで消えるまで。


僕は膝をつかなかった。それに気づいたのは自分だった。何を意味するのかは分からない。


ワイヴァーンが矢筒から矢を抜く。その声は僕の肩の後ろで聞こえた。


「彼が震えてる」


僕は指を握り直す。


「違う」


ワイヴァーンは何も言わず、矢を僕の手に握らせる。


「少しだけ」


僕は息を短く吐く。


「疲れてるだけ」


ワイヴァーンは反論しない。それがどんな言葉よりも答えのように思えた。


昼になると、ソレンヌ村から林檎の籠が届いた。読書室の窓から見えた。編んだ籠に布が掛けられ、荷車から慎重に下ろされる。四人の使用人のうち、いちばん若くて痩せた一人が、家族の名前を住所でも読み上げるように口にした。


林檎は九つ。濃い赤で、一つはまだ枝に葉をつけている。赤い皮の表面には、まだ村の土埃が薄く残っていた。母が布を持ち上げたとき、僕は数えた。


「ソレンヌ家からよ」


母は籠を受け取り、テーブルに置く。


「ミラが選んだの」


僕は母の手元を見る。


「ありがとう」


母は首を振る。


「私にじゃないわ」


彼女は籠を自分の手で持ち上げた。


「週末までに返事を書くから」


その日、母は林檎で算数を教えた。三足す二。母が二つを取り、三つ残る。三つの林檎を三人の子供に分ける。一人に一つずつ。


数字はいつも簡単だった。数字には隠された意図がない。誰が数えても変わらない。母が問い終わる前に、僕は答えを言えた。


けれど三問目で止まった。


「母さん、三人の子供に三つの林檎を分けるとき、誰が分けるの」


母の手が林檎の上で止まる。僕を少し見て、それから黒板に戻った。


「それは計算には関係ないわ」


母は黒板にチョークを置く。


「分ける人が、いちばん大きいのを自分の前に置いたら」


母は黒板の前に立ったまま、動かない。


「それなら不公平に分けたことになる。問題は別のものになる。あなたは問題にないことまで考えすぎているの」


「でも、他の子が一つももらえなかったら」


母はゆっくりと黒板を消し始める。


「続きは明日」


それは罰ではなかった。僕にも分かっていた。ただ母の声は、ゆっくりと扉を閉めるようだった。僕の質問が数字とは関係ないことを、どう説明すればいいのか分からなかった。


僕にとって、林檎はいつも林檎一つでは終わらない。林檎には必ず誰かがいる。それを取る者、隠す者、壁に投げつける者。


その夜、僕は寝台の脇の板をずらし、床下の狭い隙間へ潜り込んだ。籠から林檎を一つ持って。袖に埃がつく。空気は澱んでいて、僕はもうそれに慣れすぎていた。埃の匂いが鼻の奥に張り付く。冷たい床板が背中に食い込む。


林檎にかじりつく前に、上から声が聞こえた。狭い隙間は、主寝室へ続く廊下の真下にある。床は壁ほど厚くない。それを見つけたときから知っていた。他人の話をここから聞くことに、もう罪悪感はなかった。


父の声だった。低く、抑えられている。食卓で使う声ではない。


「私の手が上がりきる前に膝をついたんだ、エリラ」


母の声は、父より静かだった。けれど平坦だった。


「分かってるわ」


父の足音が止まる。


「いつから」


母はしばらく黙る。それから、低い声が沈黙を破った。


「赤ん坊のときから。足音を聞くと泣くの。一人で置かれると泣かない。産婆に聞いたけど、敏感な子だから大丈夫と言われた。私は信じなかった」


父の声がさらに低くなる。


「この家で誰かが触ったのか」


母は即座に首を振った。


「いいえ」


父は一拍置く。


「確かか」


母の声は平坦だった。


「いつも一緒にいたわ、セヴェリン」


沈黙。上の部屋で、何かが布擦れの音を立てた。母の声が再び上がる。


「それに四人の使用人は、ワイヴァーンが生まれたときからいる。全員調べた」


父の息が長い。


「なら、この家の外から来たものだ」


誰も答えない。僕は息を止めた。膝の上の林檎が冷たい。


母の声が低い。


「あの子は私たちの子よ」


父は長く息を吐く。


「だから、まだ本人には聞かない」


父の声は、さらに低くなった。


「だが、ガラス細工のように扱うつもりはない、エリラ。この庭の外の世界は、触る前に聞いたりしない。俺がずっと手の動きをいちいち告げていれば、誰もがそうしてくれると教えることになる。そうはならない」


母の声が少し強くなる。


「厳しく教えたら、あの子は折れるわ」


父の声は上がらない。


「柔らかいままにすれば、他人が折る」


母が何か言いかける。


「それは」


父が遮る。


「エリラ」


沈黙のあと、父の声が響く。


「明後日、東の集落へ行く」


母は動かない。


「二日だ。収穫が悪い。ワイヴァーンは学ばせるために連れていく。ルシアンはここに残す」


母の声は低い。


「ワイヴァーンに何を見せるの」


父の視線が宙を切る。


「彼が受け継ぐものだ」


布擦れの音。それから足音。主寝室の扉が閉まる。強くではない。今夜はもう開けたくないというように、静かに。


僕はしばらく床下にいた。足が痺れた。膝の上の林檎は、まだかじっていない。手はもう、どこに隠そうかと動いていた。だから僕はそれを、横の埃の上に置いた。見える場所に。

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