第21話 強襲
◇◇◇
ダゴン攻略の糸口を探していた。ティモンが死んでから二週間が過ぎた。ロスタム
はその間、エリナとの対話を重ね、ダゴンの弱点に関する情報を少しずつ積み上げて
いた。物質系の攻撃。超振動。衝撃波。回復系の魔法。それらを実際の戦闘でどう使
うかを、ロスタムは毎夜考えていた。
その夜、ロスタムはメタ・シャルマの外縁部で一人、訓練をしていた。しかし今夜
は、何かが違った。胸の奥の温かさが、落ち着かなかった。ブリリアント・クイーン
が、何かを感じていた。警戒しているような揺れ方だった。
「……誰かいるか」
周囲を見渡した。何も見えなかった。しかし気配があった。超印六つ以上の気配が、
複数。それが気づいた瞬間には、もう遅かった。
◇◇◇
攻撃が四方から同時に来た。物質系ではなかった。エネルギー系の攻撃が、四方か
ら一点に収束した。物質融合の防御が間に合わなかった。
一撃目を受けた。飛ばされた。建物の壁に叩きつけられた。
立ち上がった。物質融合を展開した。融合装甲で全身を守った。
二撃目が来た。受け止めた。しかし押された。
三撃目が来た。左に動いた。しかし右からも来た。
右の攻撃が、顔の右側を直撃した。激痛があった。視界の右半分が、消えた。
◇◇◇
右目が、見えなくなった。
物質融合で地面と融合した。地中に潜った。攻撃がそこを通り過ぎた。地中を移動
した。五十メートル、百メートル。できるだけ遠くへ。
地上に出た時、周囲に気配はなかった。ロスタムは右手で右目を押さえた。血が、
手に伝わった。
「……やられた」
膝をついた。しかし意識は保った。胸の奥の温かさが、強くなった。支えようとす
るように。
「……大丈夫だ。まだ動ける」
しかし動けなかった。体が、正直だった。




