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Breakgod  作者: 風雅 白眉


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第22話 トリックスター

◇◇◇



誰かが来た。ロスタムは身構えた。しかし敵の気配ではなかった。


「おい……生きてるか」


 軽い声だった。状況に似合わない、どこかふざけた口調だった。


 一人の男が立っていた。年齢はロスタムより少し上に見えた。軽装で、しかしその気配は軽装とは不釣り合いな深さを持っていた。


「誰だ」


「ロベルト・バイアン。マジェスティック・ロード所属。通称トリック・スター。今日はたまたまこの辺にいた」


「たまたま」


「ちょうどいいタイミングだろう。運がいいな、お前」


「右目を失ったのに、運がいいと言うのか」


「生きているじゃないか。それ以上の運がどこにある」


 ロスタムはロベルトを見た。信用できるかどうかを測った。

 ブリリアント・クイーンの温かさが、揺れた。敵ではない、という感覚だった。


「……助けてくれるか」


「もちろん。それが目的で来たようなものだから」


「たまたまいたんじゃないのか」


「細かいことは気にするな。とりあえず、ここを離れよう」


 ロスタムは立ち上がろうとした。ロベルトが肩を貸した。二人は夜の中を動き始めた。



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