第9話 真実の断片
◇◇◇◇
調査隊からの緊急通信が、メタ・シャルマに届いたのは深夜だった。
ロスタムはその報告を、翌朝クレイグから聞いた。
「調査隊が遺跡を発見した。その中の一人が……外法の者になった」
「外法の者に?」
「遺跡の何かに触れた直後に、別人のような目になったという報告だ。仲間の名はダレン・ヴォルク。
元アシュヴィン金将隊の出身だ」
元アシュヴィン金将隊。ロスタムが今いる部隊と同じ出身だった。
「ダレン・ヴォルクを知っているのか」ロスタムは聞いた。
「知っている」クレイグは言った。
「明るい男だった。仲間思いで、問題を起こすような人物ではなかった。なぜ外法に」
「触れただけで外法になるのか」
「わからない」クレイグは言った。
「しかし報告では、触れた直後に目が変わったという。本人の意思ではない可能性が高い」
「意思に関係なく外法になるのか」
「……帝国の法では、行為が基準だ。意思は関係ない」
ロスタムは黙った。
胸の奥に、重たいものが積まれた気がした。
◇◇◇◇
ロスタムはその夜、ガインの執務室を訪ねた。
ガインはすでに報告を受けていた。
「ダレン・ヴォルクのことか」ガインは言った。
「そうだ。あれは外法の者か」
「帝国の法では、そうなる」
「しかしクレイグは、本人の意思ではない可能性があると言っていた」
「そうだ」ガインは言った。
「あの遺跡は……普通の遺跡ではない。何かが宿っていた。その何かがダレンを通じて表に出た」
「その何かとは」
「今の段階では言えない」ガインは言った。
「情報が少なすぎる。しかし」
「しかし」
「島が隆起したこと、遺跡が存在したこと、そしてダレンが変わったこと。これらはつながっている」
ガインは言った。
「偶然ではない。誰かが仕組んだ可能性がある」
「誰がそんなことを」
「それを調べることが、次の任務だ」ガインは言った。
「ロスタム、お前にも関わってくることになる」
「俺にも」
「そうだ」ガインは言った。
「ブリリアント・クイーンと融合した者が、これからの戦いに必要になる。その意味はいずれわかる」




