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半歩 ~守・破・離 短き刃 長き道~  作者: 止水


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第四十八話 軽口と敬意 ー切磋琢磨ー

「一本!!」


「勝者 鷹宮」


相手は三年生 次席

新開地長治


三年生の首席と次席

試合後も会場の熱気は納まらない




「ふう… 重かったわ…」

肩で息をしながら蓮が新開地へ歩み寄る


蓮は、少しだけ視線をずらして


「流石、新開地!って言いたいところだが、」

「最後、また、力んだな」


「……っ」


新開地の表情が、わずかに固まる。


「何度も、剣筋、見てればな…」


淡々とした返答。



「あと一歩か…」


「四歩だよ」

蓮が明るく笑う


その顔には、新開地への敬意が感じられる


ーーー


更衣室で蓮が、ぽつりと言う。

「なあ」

「ん?」

「お前のとこの道場 第三埠頭にあるんだろ」


「……?」


「……行ってみたい 連れてけよ。」


「は???」

完全に固まる。


「なにがいいたい?」


蓮は、平然としている。

「ちょっとやってみたいだけだ」


「“ちょっと”で道場来るやつ初めて見たわ!」


新開地は片付けながら、

「お前、そういうの普通もう少し……段階とかあるだろ? 師範に通すとか…」


「そうか?」


「そうだ!!」

間髪入れずにツッコミ。


ふと、新開地は気づく。

「……珍しいな」


「何が」


「お前から来るの」


少しだけ、間。

蓮は視線を外す。


「まあ」

短く、息を吐く。

「ちょっと、気が変わった」


それだけ。

それ以上は言わない。


だが――

新開地は、なんとなく察する。

「……本山か?」


ぴたりと。

一瞬だけ、空気が止まる。


蓮は、否定しない。


「……さあな」

曖昧な返事。



「なぁ…、いいじゃねえか」


「何が なぁ…だ!

 “ちょっと”じゃねえだろ、それ」


蓮は、何も言わない。


「まあいい。来るなら歓迎する」


「ほんとか?」


「ただし」

「“軽く”は…  無い!」


蓮は、即答する。

「構わない」


その間。

迷いがない。


蓮が横を向いて、

「この前、よりかなり研鑽…積んだだろ」

「お前の動き… 俺はこれでも認めてるからな。」


「……ほぉ」

そして、笑う。


少し間をおいて

「……明日でいいか?」


「いい」

即答。


二人は、そのまま並んで歩き出す。


ざわめきの残る武道館を抜けて。

ほんの少しだけ。


ーーー

「もう一つ条件がある」

「ん?」

「パスタの美味い店を教えろ」


蓮が固まる

「お前が、パスタ?????」

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