最弱職、冒険者になる
結論から言おう。
俺は、生きていた。
「……奇跡だ」
馬車の荷台で仰向けになりながら、俺は青空を見上げた。
風が気持ちいいし、鳥の鳴き声まで聞こえてくる。ついさっきまで巨大な猪に殺されかけていたとは思えないほど、世界は平和だった。
「奇跡じゃねえ!」
突然、荷台の前方から怒鳴り声が飛んできた。
「お前が勝手に俺の馬車に飛び乗ったんだろうが!」
振り向くと、筋骨隆々の大男がこちらを睨んでいる。
茶色い髭に日焼けした肌、俺の太腿くらいありそうな腕。いかにも異世界の行商人といった風貌の男で、名前はガルドという。
俺の命の恩人であり、現在ものすごく怒っている人でもある。
「いや、本当に助かりました」
「だから勝手に乗るな!」
「すみません」
「荷物もひっくり返しただろ!」
「本当にすみません」
「干し肉まで踏みやがって!」
「それについては深く反省しています」
「俺の昼飯だぞ!」
「そこは特に深く反省しています」
「反省するポイントを選ぶな!」
ガルドさんが再び怒鳴った。
まあ、当然である。
巨大猪――後で知ったが、どうやらグランドボアという魔物らしい――から逃げていた俺の前に、たまたま街道を走るこの馬車が現れた。
命の危機にあった俺は一切迷わず、
「助けてください!」
と叫びながら荷台へ飛び乗った。
当然、グランドボアも追ってきた。
馬は驚いて速度を上げ、積み荷は散乱。俺は樽に頭をぶつけたうえ、ガルドさんの昼食である干し肉を見事に踏み潰した。
最終的にはガルドさんが煙の出る道具を投げつけ、どうにかグランドボアを追い払ってくれたのだが、助けられた代償として相当な迷惑をかけている。
「本当に申し訳ありませんでした」
俺は荷台の上で正座して頭を下げた。
ガルドさんはしばらく俺を睨んでいたものの、やがて諦めたように大きく息を吐いた。
「……ったく。見たところ、冒険者でもなさそうだな」
「今日からなる予定です」
「今日から?」
「転――」
危ない。
異世界から転生してきました、なんて正直に言っていいものか分からない。
「……天涯孤独で、かなり遠い地方から出てきたばかりなんです」
「その格好で?」
「はい」
改めて自分を見る。
普通のシャツにズボン、革の鞄。それから女神が用意したらしい小さなナイフ。
以上。
「武器は?」
「これです」
俺がナイフを見せると、ガルドさんが黙り込んだ。
「……それ、果物用だぞ」
「え?」
「果物を切るナイフだ」
「…………」
手元を見る。
確かに小さいし、刃も妙に綺麗だ。
「ちなみに、魔物と戦えます?」
「リンゴなら勝てる」
「戦闘力低っ!」
「お前の方が低そうだわ!」
否定できなかった。
ガルドさんは心底呆れたように首を振る。
「死にたくなけりゃ、まず冒険者ギルドへ行け。登録すれば、初心者向けの仕事くらい紹介してもらえる」
「やっぱりあるんですね、冒険者ギルド」
「あるに決まってるだろ」
「登録して、クエストを受けて、ランクを上げていく感じですか?」
「くえすと?」
「あ、依頼」
「依頼だ」
「なるほど」
実に異世界らしい。
さっきまで巨大猪に追い回されていたせいで地の底まで落ちていたテンションが、少しだけ戻ってきた。
「じゃあ俺も冒険者になって、魔物を倒して、金を稼いで、そのうち有名になって――」
「お前じゃ三日で死ぬな」
「夢を語ってる途中なんですけど!?」
「さっき猪から泣きながら逃げてただろ」
「あれは作戦です」
「『助けてえええ!』って叫んでたぞ」
「大声で威嚇してたんです」
「お前、口だけは達者だな」
「そこは昔から褒められます」
「褒めてねえよ」
そんなくだらない会話をしているうちに、街道の向こうへ巨大な城壁が見えてきた。
「おお……!」
思わず声が漏れる。
高く積み上げられた石壁と巨大な門、その前を行き交う無数の人や馬車。城壁の向こうには尖塔や煙突、赤や青の屋根がいくつも見えている。
ゲームの画面でも、アニメの背景でもない。
本物の異世界の街だ。
「リベルタだ」
ガルドさんが前を向いたまま言った。
「ここが?」
「ああ。この辺境じゃ一番大きな街だ」
「すげえ……」
思わず荷台から身を乗り出す。
門の前では衛兵が通行人を確認しており、その列には剣を持つ男やローブ姿の女性、大きな盾を背負った獣人までいた。
「獣人いる!」
「そりゃいるだろ」
「耳、本当に動いてる!」
「珍しいのか?」
「かなり」
「お前、本当にどこの田舎から来たんだ?」
「とんでもなく遠いところです」
日本です、とは言わなかった。
◇
門を抜けてリベルタへ入った瞬間、俺は完全に観光客になった。
「うわ……」
石畳の大通りの左右には、露店や鍛冶屋、宿屋、酒場、武器屋が所狭しと並んでいる。
「魔法道具ありますよー!」
「おお!」
「ポーション、本日特売!」
「おお!」
「ゴブリン素材、買い取り強化中!」
「お……おお?」
急に物騒になった。
露店の一角には、緑色の小さな耳らしき素材が並べられている。
「うわぁ……」
「なんだ?」
「いや、ちょっと。この世界って本当に魔物を倒して生活してるんだなと思って」
昨日グランドボアに追い回されて、魔物が危険な存在なのは身をもって理解した。
それでも、生き物を倒して、その一部を商品として売る光景にはまだ慣れない。
おそらく、この世界では当たり前なのだろう。
人間は魔物を倒し、その素材を売って生活する。
冒険者になるなら、いずれ俺も同じことをするのかもしれない。
「怖くなったか?」
ガルドさんが横から聞く。
「ちょっとだけ」
「なら冒険者なんてやめとけ」
「他に俺でもできそうな仕事あります?」
「畑」
「腰が弱いです」
「鉱山」
「暗いところ苦手です」
「兵士」
「絶対無理」
「商人」
「元手がありません」
ガルドさんはしばらく黙ったあと、深いため息をついた。
「……冒険者やれ」
「ですよね」
まさかの消去法。
異世界で夢の冒険者生活、というより、他に就職先がないから冒険者になる男。
華がない。
やがて馬車は街の中央にある広場で止まった。
「俺はここまでだ」
「本当にありがとうございました」
俺は荷台から降りて頭を下げる。
そこで、散らかった積み荷が目に入った。
「そうだ。荷物、手伝いますよ」
「は?」
「俺のせいで散らかったじゃないですか」
「いい。お前みたいな細い奴じゃ大したもの持てねえだろ」
「軽いやつならいけます。このまま行ったら寝覚めが悪いんで」
ガルドさんがじっと俺を見る。
しばらくして、諦めたように鼻を鳴らした。
「……好きにしろ」
「はい」
そこから一時間ほど、俺は荷下ろしを手伝った。
もちろん大きな樽や重そうな木箱は無理なので、布袋や小さな箱を中心に運ぶ。
「これ、こっちですか?」
「ああ」
「こっちは?」
「店の奥」
「なんか高そうですね」
「落とすなよ?」
「それ、振りです?」
「落としたら殺す」
「本気のやつだ」
作業を続けているうちに、いつの間にか普通に雑談するようになっていた。
ガルドさんには十五歳になる娘がいて、最近ほとんど父親と話してくれないらしい。
「思春期ですね」
「なんだそれ」
「年頃ってことです。俺の妹も似たような時期がありました」
「どうしたら戻った?」
「放っておいたら、そのうち普通になりました」
「役に立たねえ助言だな」
「下手に話しかけるほど悪化することもありますよ」
「……本当か?」
「たぶん」
「たぶんかよ」
「人間関係なんて、大体そんなもんです」
「お前、変な奴だな」
そう言って、ガルドさんが初めて笑った。
その瞬間、胸の奥が小さく脈打った。
「……?」
昨日、グランドボアを前にした時と同じ感覚だった。
ほんのりと胸が温かくなり、目を凝らすと、俺とガルドさんの間に細い光の糸が一瞬だけ浮かぶ。
『《縁》が形成されました』
まただ。
「どうした?」
「あ、いや。なんでもないです」
グランドボアだけじゃない。
人間にも発動するらしい。
話せばいいのか、仲良くなればいいのか、それとも何か別の条件があるのか。
まだ何も分からない。
「ユウト」
「はい?」
気づけば、ガルドさんが普通に俺の名前を呼んでいた。
「これ、持ってけ」
小さな革袋が飛んでくる。
「うわっと」
受け取って中を見ると、数枚の硬貨が入っている。
「え?」
「手伝い代だ」
「いや、いいですよ。そもそも俺が迷惑かけたんだし」
「それはそれ、これはこれだ」
ガルドさんはそう言って馬車へ乗り込む。
「冒険者になるなら、金はいくらあっても困らん」
「……ありがとうございます」
「あと」
「はい?」
「果物ナイフで魔物と戦うなよ」
「気をつけます」
「気をつけるじゃなくて、戦うな」
馬車が動き出す。
「また会ったら酒でも飲もう」
「はい!」
俺が手を振ると、ガルドさんも片手を上げて応え、そのまま人混みの中へ消えていった。
手の中に残った革袋を見つめる。
異世界へ来てから初めて自分で得た金だった。
「これが《縁》の効果……?」
いや、たぶん違う。
能力に操られてガルドさんが金をくれたわけじゃない。
単純に俺が手伝い、その対価として払ってくれただけだ。
だったら、《縁》は何のためにある?
今のところ分かるのは、人間にも魔物にも何らかの条件で発動するということだけだった。
「まあ、今考えても分からないか」
まずは生きる。
次に金を稼ぐ。
そのうち有名になる。
「魔王は最後でいいな」
というか、今は絶対に会いたくない。
◇
冒険者ギルドは、想像していた以上に大きかった。
「でっか……」
三階建ての石造りで、入口には剣と盾を組み合わせた大きな紋章が掲げられている。
中からは酒盛りする声や、依頼成功を喜ぶ声、肉を取った取らないで喧嘩する声まで聞こえてきた。
「想像通りすぎる」
逆に安心する。
扉を開けた瞬間、何人かの視線が一斉にこちらへ向いた。
「…………」
怖い。
筋肉、剣、傷、斧、魔法杖。
どう見ても俺だけ世界観が違う。
「帰ろうかな」
まだ入口に入っただけなのに。
「いらっしゃいませ」
正面から柔らかな声がした。
受付には、栗色の髪を綺麗にまとめた女性が座っている。
優しそうだ。
少なくとも、書類へ判子を押しながら俺を転生させた女神より百倍仕事ができそうに見える。
「冒険者ギルド、リベルタ支部へようこそ」
「冒険者登録をしたいんですけど」
「新規登録ですね。こちらへどうぞ」
助かった。
俺は受付へ向かった。
「まず、お名前をお願いします」
「神崎ユウトです」
「カンザキ……ユウト」
「ユウトで大丈夫です」
「出身地は?」
「遠いところです」
「遠いところ?」
「かなり遠いです」
「村名や町名は分かりますか?」
「……言わないと駄目です?」
受付嬢が少しだけ怪訝そうな顔をした。
しまった。
どう考えても怪しい。
「事情がおありでしたら、出身地を非公開にして登録することも可能ですよ」
「それでお願いします」
「承知しました」
助かった。
「では、次に適性検査を行います」
「来た」
「はい?」
「いえ、こっちの話です」
受付嬢が水晶玉を取り出す。
「こちらへ手を置いてください」
言われた通り触れると、水晶が淡く光り、その内部へ文字が浮かんだ。
「おお……!」
ようやく異世界らしいものが来た。
受付嬢が順番に数値を確認する。
「筋力……E」
「はい」
「体力……E」
「はい」
「敏捷……D」
「お」
「魔力……F」
「F?」
「知力……C。運……C」
「普通だ」
「以上ですね」
「……終わり?」
「はい」
受付嬢が水晶を見る。
俺を見る。
もう一度水晶を見る。
「……一般市民程度ですね」
「言い方!」
「失礼しました」
「測定器、壊れてません?」
「正常です」
「もっとこう、隠された力とか」
「ありません」
「未知の属性とか」
「ありません」
「神に選ばれし――」
「ありません」
「最後まで言わせて!」
周囲から笑い声が聞こえた。
恥ずかしい。
「でも、固有技能はあります」
俺は最後の希望として言った。
「固有技能ですか?」
「《縁》っていうらしいです」
受付嬢の表情が少し変わった。
「《縁》……?」
「知ってます?」
「いいえ。初めて聞きました」
「ですよね」
俺も昨日初めて聞いた。
「どのような効果ですか?」
「生命とつながる……みたいな説明でした」
「……?」
「俺も同じ顔しました」
受付嬢はしばらく考えたあと、書類へ《縁》と記入する。
「では職業適性も確認しますね」
再び水晶が光る。
「剣士、適性なし」
「知ってた」
「魔法使い、適性なし」
「知ってた」
「騎士、適性なし」
「でしょうね」
「僧侶、適性なし」
「神様にも見放された?」
「斥候、低適性」
「お」
「商人、中適性」
「おお」
「交渉士、高適性」
「……交渉士?」
「珍しいですね」
「戦えるんです?」
「基本的には戦いません」
「冒険者なのに?」
「依頼主との条件交渉、価格調整、敵対勢力との折衝、種族間の交渉などを担当します」
「営業じゃん」
「はい?」
「なんでもないです」
前世から逃げられない。
「職業って絶対に決めないと駄目ですか?」
「いいえ。無職のまま登録することもできます」
「無職」
「無職です」
「せっかく異世界まで来たのに無職は嫌だな……」
俺は悩んだ。
交渉士。
地味だ。
想像していた異世界職業ランキングがあるなら、かなり下の方にいそうだ。
とはいえ、剣は持てない。魔法も使えない。鎧を着れば歩くのも辛い。
選択肢なんて、最初からほとんどなかった。
「……交渉士でお願いします」
「承知しました」
受付嬢が手際よくカードを作成する。
「ユウト様。職業《交渉士》、冒険者ランクFから開始となります」
「F」
「最下級です」
「分かってます」
「なお、現在の能力値ですと単独での討伐依頼はおすすめできません」
「そんなに?」
「かなり危険です」
「そこまで?」
「はい」
「傷つきます」
「死ぬよりはいいかと」
正論だった。
渡されたカードには、俺の名前と職業、そして大きくFの文字が刻まれている。
「……冒険者感ないな」
それでも、少し嬉しかった。
この世界へ来て、初めて自分の居場所を証明するものを手に入れた気がしたからだ。
「ところで、武器をお持ちではないようですが」
「あ、あります」
俺は果物ナイフを取り出す。
受付嬢が黙った。
「……それは武器ではありません」
「二人目!」
「果物などを切るための道具です」
「もう知ってます!」
「でしたら、隣の武器店で最低限の装備を揃えることをおすすめします」
「普通の剣は重くて持てないんですよ」
「……」
「鎧も着たらほとんど歩けなくて」
「……」
「そんな目で見ないで」
受付嬢は少し考えたあと、提案するように言った。
「軽量の短剣でしたら、扱えるかもしれません」
「短剣」
「はい」
「それください」
「私は武器屋ではありません」
「ですよね」
◇
十分後。
「一番軽い剣ください」
俺は隣の武器屋で、開口一番そう言った。
店主が眉をひそめる。
「坊主、戦えるのか?」
「戦えません」
「なんで武器買うんだよ」
「冒険者だからです」
「世も末だな」
異世界に来て数日。
早くも武器屋の親父に世界の未来を心配された。
結果として買ったのは、普通の剣より遥かに短い小型の短剣だった。
果物ナイフより少し大きい程度で、それでも刃はしっかりしている。
鞘から抜いてみる。
「おお、軽い」
少しだけ振ろうとした瞬間、店主が怒鳴った。
「店の中で振るな!」
「すみません!」
冒険者になった。
武器も手に入れた。
次はいよいよ依頼である。
ギルドへ戻ると、壁一面の掲示板には無数の依頼書が貼られていた。
『スライム討伐』
『薬草採取』
『ゴブリン討伐』
『商隊護衛』
『下水清掃』
実に様々だ。
「初心者なら、まずこれだよな」
俺が手を伸ばしたのは『スライム討伐』。
ゲームでも最初に出てくるくらいだ。
きっと弱い。
たぶん。
俺でも勝てる。
そう思って依頼書へ手を伸ばした、その時だった。
「……?」
視界の端に、一人の女性が映った。
腰まで届きそうな銀色の髪。
青と白を基調とした軽装鎧。
腰には立派な長剣を下げ、姿勢も美しい。
そして何より。
めちゃくちゃ美人だった。
「おお……」
異世界。
ありがとう。
昨日まで散々な目に遭ったけど、少しだけ許してもいい。
ところが。
よく見ると、何かがおかしい。
銀髪の女性は、壁に貼られた巨大な街の地図を真剣な表情で見つめていた。
右を見る。
左を見る。
もう一度地図を見る。
そして首を傾げたあと、なぜか地図を上下逆さまにして眺め始めた。
「いや、逆だろ」
思わず声に出た。
「……!」
女性が勢いよく振り返る。
綺麗な青い瞳と目が合った。
「何か?」
「あ」
聞こえてた。
「いや、その地図なんですけど」
「地図が何か?」
「逆です」
「…………」
女性が地図を見る。
俺を見る。
もう一度地図を見る。
「知っています」
「絶対知らなかった人の反応ですよね?」
「知っています」
「じゃあ、なんで逆にしたんです?」
「確認です」
「何の?」
「……地理的認識の確認です」
「迷ってます?」
「迷っていません」
「迷ってる人って、大体そう言いますよね」
「迷っていません!」
思ったより大きな声が響き、ギルド中の人間がこちらを見る。
「すみません、声!」
「そもそも私は、王都より派遣された聖騎士です。この程度の街で道に迷うなど――」
「王都から?」
「そうです」
「いつ着いたんです?」
「……」
急に黙った。
「?」
「三時間前です」
「目的地は?」
「冒険者ギルドです」
「…………」
俺は周囲を見回した。
酒を飲む冒険者。
依頼掲示板。
受付。
頭上には大きく冒険者ギルドの紋章。
「もう着いてますよ」
「…………」
女性が固まった。
少しずつ顔が赤くなる。
「ここが?」
「ここが」
「冒険者ギルド?」
「そうです」
長い沈黙のあと、女性が気まずそうに視線を逸らした。
「……入口が分かりませんでした」
「中にいるのに!?」
俺の異世界生活は、まだ始まったばかりだ。
それなのに、どうやらまともな人間にはなかなか出会えないらしい。
そして、この時の俺はまだ知らなかった。
目の前で地図を逆さまに眺めている聖騎士が、この先何度も俺の命を救い、それと同じくらい何度も俺を死にかけさせることになるなんて。
――第二話 終
最後までお読みいただきありがとうございます!
冒険者になったユウトの職業は、まさかの《交渉士》。
そして最後には、王都から来た銀髪の聖騎士が登場しました。
次回、この聖騎士の「強さ」と「致命的な弱点」が明らかになります。
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