16話【2章】『DAY1 ②』
なんだか、救われた気がした。
聖女が再び、俺を頼ってくれたのもそうだが、傭兵さんと呼んでくれることに、強く感謝している。
もう一度、また始められるんだ。
──聖女と過ごす2日間。
前回とは、少し違うかもしれないが、きっと大丈夫だよな。
記憶が消えるまでは、聖女をだんだん好きになっていた。
心を奪われていたんだ。
今回はひと味違う。
心を奪われてから、始まる恋だ。
聖女は覚えてるいなくとも、俺は全てを覚えている。
聖女が忘れないでと言ったから。
この言葉には、絶対に裏があるはずなんだ。
聖女は、意味のないことを言ったりしない。
持てる最大限で聖女を護衛しよう。
「ただの買い物じゃありませんよ?」
「……違うのか?」
「だって、王都はメンドーですよ。騎士団はいるし、暴れてるし最悪なんですから」
「……そうか」
「傭兵さんは、一番腕が立つのでしょ?」
俺は、前回なんと言ったかな。
そうだった、雑な生返事をしたんだ。
今回は、少し変えさせてもらうぞ。
聖女と出会って、俺は多少はマシになったんだと。
「……聖女の依頼なら誰だって倒してやるよ」
今の俺ならこうだろう。
聖女の為ならなんだってする。
アリシアのことが好きだからだ。
どんな障害、どんな敵だって、俺が全部引き受けてやるよ。
そして、2日目の夜に俺は……。
精一杯の告白をする。
覚悟なんてもう決まっている。
大切な誓いだって立てた。
この答えを出すのに、後悔なんか微塵も無かった。
「やっぱり傭兵さんは強いのね!」
──また見せた。
聖女のその、ニカッと戯ける様がとても愛おしい。
「……そうだ、俺は強いんだよ」
絶対の自信を聖女に突きつける。
信用も、信頼も、ゼロから始まるこの関係であっても、譲れないものがいくつもある。
だから、もう一度、関係をつくりなおせばいい。
「……君の名前は?」
「私はアリシアですよ。頼りにしてます傭兵さん!」
笑顔がとても眩しかった。
それは、聖女の浄化の魔法より、輝いていて、涙を流してしまうほどの優しい温かさだった。
この当たり前の幸せを守ること。
聖女を守ること。
聖女の心を傷つけないこと。
それだけは、肝に銘じている。
聖女は魔法を使うと酷く苦しみ出すから、絶対に俺がそばにいないきゃならない。
というか、他のやつなんかにさせてやらない。
独占欲ってやつか。
俺は聖女の全てが欲しいし、俺の全てを知ってほしい。
こんな感情が芽生えてしまうなんてな……。
少しは、マシな人間になれたのかもしれない。
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