第三話 特殊部隊の愛(笑)
実話かなあ?って感じの話です
取り調べ室で対峙したとき、彼は堂々と胸を張った。
「俺は合鍵なんか渡されていない! ただ、愛を確かめるために自分で入ったんだ!」
「訓練を活かして何が悪い! これはミッションだ、ラブ・オペレーションだ!」
刑事が呆れ果てて言う。
「……自分でドアから不法侵入しておいて“真実の愛”ですか?」
けれど彼は鼻で笑った。
「逮捕なんかできないだろう? 俺は米軍だ。地位協定がある。ほら、真実の愛は守られてる!」
──いや、守られてるのは愛じゃなくて、ただの犯罪者の立場でしょ。
結局、日本の警察は彼を逮捕できなかった。
けれど、私には別の武器がある。
その夜、私はSNSに投稿した。
「元婚約者が“特殊部隊仕込み”の解錠技術を使って、部屋に不法侵入しました」
ハッシュタグは、もちろん #真実の愛(笑)。
投稿は瞬く間に拡散し、国内外のニュースに取り上げられる。
「特殊部隊のスキルを私的に使用」「婚約者宅に侵入」という見出しは強烈すぎた。
米軍も黙っていられなかった。
ほどなくしてジェイソンは査問にかけられ、軍歴抹消。
かつては世界中の戦地で活躍していたらしい「英雄」だが、今は英雄どころか、ただの「前科スレスレの危険人物」としてアメリカ本国に送り返された。
元婚約者は今も「ラブ・オペレーション失敗!」と叫んでいるらしい。
でもそれは、もう遠い世界のこと。
私には新しい恋と、新しい未来があるのだから




