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207.名付けと担当決め

 『限定顕現』という新たな機能が発現し、『スクイードクラーケン』で試したところ、手のひらサイズのぬいぐるみのような姿になって、可愛くなった。


 今度は、『ハーミットクラーケン』に対しても試してみることにする。


「ハーミットクラーケン、お前も同じように『限定顕現』ができるか?」


「はい、ご主人様。可能です」


「そうか、やはり共通する機能なんだな」


 俺は、『ハーミットクラーケン』も『限定顕現』させた。


 すると、全く同じように光の塊が凝縮し小さくなった。

 そして、小さくなった『ハーミットクラーケン』は、水面を弾丸のような速さで滑って来た。


 手のひらサイズのヤドカリになっていて、俺の左肩に乗った。


 『スクイードクラーケン』同様に、可愛らしいぬいぐるみ的な風貌に変わっている。


 今の俺は、海の生物のぬいぐるみを両肩に乗せた怪しい人状態だな。

 そんな俺の微妙な心情を無視し、女性陣が相変わらず可愛いと言って盛り上がっている。


 俺は、可愛くなった『スクイードクラーケン』と『ハーミットクラーケン』を女性陣に渡し、残る『キュウビ』と『土蜘蛛』の『封印具』を取り出し、『封印具』自体の浄化と封印されている『キュウビ』と『土蜘蛛』に『光の洗礼』をかけた。


「ご主人、僕はキュウビ、これからよろしく」

「主様、私は土蜘蛛です。お役に立てるように、がんばりますわ」


 『キュウビ』は少年のような感じの雰囲気で、『土蜘蛛』は少し妖艶な感じの怪しげな雰囲気だ。


 改めて話ができると、感慨深いものがある。


 この二体はそれほど大きくないから、このままの状態でもいいような気がするが……いや、普通に街中を歩いたら騒ぎになるか……。


 会話ができなくなるのは残念だが、この二体も『限定顕現』させることにした。


 すぐに実行すると……やはり二体とも手のひらサイズになって、ぬいぐるみみたいな感じに可愛く変わった。


 悪乗りしたラッシュが、俺の両方にクラーケンたちを乗せ、頭に帽子のように『土蜘蛛』を乗せた。

 そして俺の手を前に出させて、『キュウビ』を乗せた。


「これで先輩のぬいぐるみフル装備完成です!」


 ラッシュが満足げに宣言すると、他の女性陣からも大歓声が上がり、変な盛り上がりになってしまった。


 ぬいぐるみフル装備って……今の俺って、ただの怪しい奴じゃないのか……?


 まぁこいつら四体とも可愛いからいいんだけどさ。


 この四体は、すでにみんなの癒しになりつつあるので、しばらくこのまま『限定顕現』を続けることにした。


 みんなからの意見で、名前を付けてあげようということになった。


 普通につけても良いのだが、俺は『命名』スキルを手に入れたので、そのスキルを使って名付けることにした。


 『キュウビ』はコン、『土蜘蛛』はクモネリア、『ハーミットクラーケン』はハミスチャン、『スクイードクラーケン』はイカスミスという名前になった。


 『キュウビ』の名前は、キツネだし響きが可愛いからということでラッシュが付けた。


 『土蜘蛛』の名前はクラウディアさんがつけたが、蜘蛛が糸を練っているイメージを女性っぽくしたとのことだ。

 微妙によくわからないというか……クラウディアさんは、意外とはっちゃけた名前をつけるということがわかってしまった。


 『ハーミットクラーケン』は、執事っぽい名前にしたいとのことで、メイド型ゴーレムのメイが考えた。

 なんでも、〇〇スチャンとつけるのが伝統的な名前なんだとか。

 俺には全くわからないが、これもいつものメイ特有の変わった知識なのだろう。


 『スクイードクラーケン』はイカ型ということで、イカスミを連想したらしいが、最後にスをつけたのは代表的な名前はスミスをつくことが多いとのことで、付けたらしい。

 これも、メイ特有の知識のようだ。


 それから、改めてみんなと相談して、この四体は可愛い『限定顕現』状態で、顕現させておくことにした。


 ただ、四体とも俺が顕現させていると、俺の魔力消費が大きくなるので、担当を決めて分担することにした。


 俺が『献身』スキルを使ったときのリスクを緩和してくれる防御の化身とも言うべき『ハーミットクラーケン』は、俺が担当することになった。


 全身鎧と言っても軽鎧に近い感じなので、普段から装着していても負担ではない。


 また装着を外してまとめるとコンパクトなボックス形状になって、背負うこともできるので、必ずしも装着しなくてもいい。


 本当は『大剣者』の『亜空間収納』に収納したままで、『限定顕現』させられるといいのだが、さすがにそれはできないので、『聖印具』の鎧はどこかに出しておかなければならないのだ。


 『キュウビ』は、ラッシュが担当することになった。


 『キュウビ』が封印されている『聖印具 九尾錐(クビキリ)』は、刀なので、ラッシュが本来使っている短剣とは違うのだが、装備しているだけなら問題ないだろう。

 今後使えるようになってもいいだろうし。


 ラッシュは、腰に差すのではなく、背中に背負うかたちで装備するようだ。


 土蜘蛛は、クラウディアさんが担当することになった。


 『聖印具 金斧打糸(コンブダシ)』は斧なので、銃使いのクラウディアさんには全く合わないのだが、これもラッシュと同じで装備するだけなら問題ない。


 ただ斧もそれなりに大きいので、ラッシュのように背中に背負うかたちにするか、専用のカバンを作って収納して肩からかけるという装備の仕方をすると言っていた。


 ちなみに、なぜクラウディアさんになったかと言えば、『スクイードクラーケン』との戦いの時に、『土蜘蛛』に騎乗して戦っていたのだが、それで気に入ったらしい。


 なんとなく、しばらくしたら金色の斧で暴れまわるクラウディアさんがいそうで、少し怖い。

 ……考えるのは、やめておこう。


 『スクイードクラーケン』は、ミーアが担当することになった。


 ミーアはもともと槍の使い手なので、槍である『聖印具 槍威加(ヤリイカ)』の担当としては最適なのだ。



読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。

誤字報告も助かっています。ありがとうございます。


次話の投稿は、明後日か明明後日の予定です。

少し遅れる可能性もありますが、その時はごめんなさい。


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