第086回
『Mikiko's Room(https://mikikosroom.com/)』で連載した、会津若松への旅行記(原題は「単独旅行記Ⅶ」)です。
この回のオリジナルは、↓のページに掲載しています。
https://mikikosroom.com/archives/51371812.html
なお、「小説を読もう!」では、写真を2分の1サイズに縮小して投稿しています。
フルサイズの写真は、上記オリジナルページをご覧下さい。
特に断りのない写真は、わたしが撮影したものですので、ご自由にお使いください。
なお、本文のみをまとめた総集編(後書きはありません)は、↓のページからご覧いただけます。
https://mikikosroom.com/archives/24257587.html
み「これは、石を落とす係だな」
ハ「また立候補かいな」
み「まあな。
でも、条件がある」
ハ「なんや?」
み「石をここまで運びあげる係とバーターなら……。
断る」
ハ「つくずく、わがままなやっちゃ」
み「顔ハメがあった。
でも……。
すっごく安易な感じ」
ハ「やってみたらどうや。
記念やろ」
み「パカタレ。
誰がシャッター押すんだよ」
ハ「セルフタイマーにしたらええがな」
み「そこまでするほどのものか!」
み「こんなの被る人、いるの?
極めて不潔じゃん」
ハ「消毒液、置いたるがな」
み「被った後、頭にかける気か?」
ハ「そんでも、子供はやるやろな」
み「なんか、高校時代の体育の授業、思い出した。
女子はなかったから良かったけど……。
男子は、剣道があったんだよ。
教室で、防具の面がいかに臭いか嘆いてた。
その剣道の授業、チラ見したことがあったけど……。
情けなかったね」
ハ「なにがや?」
み「格好だよ。
面と胴、小手は着けてるんだけど……。
悲しいかな、袴は無し。
ジャージズボンのままなの。
思いっきり足軽ですよ」
ハ「わはは」
み「なんで上れないんだ?
しっかりしてそうな階段じゃないの」
ハ「確かにな。
そんでも、手すりがなかったら危ないがな」
み「手すりが必要な人が上るわけないじゃん」
ハ「わからんで。
観光で来とると、普段とテンションちゃうからな」
み「確かに、酔っ払ったジサマとか、上りそうだね」
ハ「上から転げたら、ただじゃ済まんて」
み「まさしく、階段落ちだ」
み「でもさ、この立て札だけど……。
階段に、昇降の“昇る”なんて使う?
エレベーターじゃないんだから。
普通、上下の“上る”でしょ」
ハ「ほんま、イチャモンの多い客やで」
み「ご指摘と言いなさい」
み「これは、持ってみるかな。
兜よりは、バッチくないだろ。
アルコール消毒もできるし」
ハ「どないや?」
み「長さは、同じくらいなんだね。
どーれ。
あ、どっちも重いわ。
でも、なんで重さが書いてないわけ。
わたしだったら、脇に計りを置いとくけど」
ハ「子供がいたずらして壊すで」
み「あ、そうか。
自分が乗ったりしてね。
但し書きを付けておけばいいじゃん。
『計りを壊した者は、打首にして天守から吊るします』とか」
ハ「炎上やがな」
み「城だけに」
ハ「落としよったな」
み「さーて。
さっきの梁に戻った。
でも、下りるときはぶつけないね。
ずっと、梁が見えてるから」
ハ「ウケ狙いでやるやつがおるかも知れんで」
み「釘、打っておけば」
ハ「なんの施設やねん」
み「ちょっと待って。
この階段って、非常口なんじゃないの?
塞いでていいのか」
ハ「非常口やったら、下に向かうやろ」
み「これも罠の一環か」
ハ「どういう施設や」
み「いずれにしろ、手作業だから大変だよな。
石を加工してるとこ想像したら……。
佐渡金山の人形を思い出した。
“早く外に出て酒を飲みてぇ。馴染みの女にも会いてぇなぁ。”って言ってるんだよ」
https://www.youtube.com/watch?v=z5lNV7gVCLo
ハ「連想が不謹慎すぎやわ」
み「しかし、あの人形……。
世界遺産になっても、置いとくつもりかね」
ハ「知らんがな」
■街路樹ⅩⅤ
今日は、街路樹の維持管理についてです。
ほかの地方の事情は知りませんので……。
わたしが住む新潟市でのお話になります。
なお内容については、造園会社に勤めてた……。
わたしの叔父からの聞き書きが大半を占めてます。
まず、これはわたしも感じてたことですが……。
最近、見なくなった作業があります。
灌水です。
水やりですね。
長い街路を灌水して回るわけですから……。
大量の水が必要です。
もちろん、街路に水栓などありません。
どうやるかと云うと……。
2トンダンプに、2000リットルくらいのタンクを積んで回るんです。
ところが現在、これが物理的に不可能になりました。
水の供給源がなくなったんです。
もちろん、そんなデカいタンクに水道の蛇口から水を汲んでたら……。
とんでもなく時間がかかります。
水やりしてる時間より、水汲みの時間の方が長くなってしまうでしょう。
で、昔はどうしてたかと云うと……。
用水路から汲んでたんです。
新潟市では、主要道路を少し離れると、必ず水田が広がってます。
そこには、用水路が縦横に巡らされてるんです。
その脇にダンプを止めて……。
エンジンポンプを用水路に投げこんで、水を汲むんです。
TV番組の「池の水ぜんぶ抜く」で使うようなポンプですから……。
あっという間に、タンクが満タンになります。
で、なぜそれが物理的に不可能になったかと云うと……。
用水路が、ことごとく暗渠化されてしまったんです。
ぜんぶ、蓋をされちゃった。
やっぱり、幼児とかが落ちると危険だからですかね。
けっこうな流量がありましたから。
ということで、灌水作業は出来なくなってしまいました。
今、唯一見られる作業は、除草ですかね。
でもこれも、回数が格段に減ってると思います。
たぶん、作業員が集まらないんじゃないでしょうか。
昔の作業員は、農家の奥さんがほとんどでした。
アルバイトですね。
肝入りというか親玉みたいな母ちゃんがいて……。
その人に声を掛けると、人手を集めてくれるわけです。
今はもう、農家は兼業になってて……。
平日に出てこれる人はいなくなっちゃったんでしょうね。
あと頼めるとなると、シルバー人材センターですが……。
単価的に発注は難しいんじゃないですか。
かといって、素人を集めるわけにはいきません。
道路での除草は、常に危険が伴います。
慣れた人じゃないと、危ないんですよ。
最近、新設される道路では……。
中央分離帯には、植栽がされてない場合が多いです。
本来、植樹帯になる部分が、コンクリートで覆われてます。
美観的には、はなはだ殺伐としてますが……。
これからの時代、やむを得ないことなんでしょう。




