第074回
『Mikiko's Room(https://mikikosroom.com/)』で連載した、会津若松への旅行記(原題は「単独旅行記Ⅶ」)です。
この回のオリジナルは、↓のページに掲載しています。
https://mikikosroom.com/archives/50727817.html
なお、「小説を読もう!」では、写真を2分の1サイズに縮小して投稿しています。
フルサイズの写真は、上記オリジナルページをご覧下さい。
特に断りのない写真は、わたしが撮影したものですので、ご自由にお使いください。
なお、本文のみをまとめた総集編(後書きはありません)は、↓のページからご覧いただけます。
https://mikikosroom.com/archives/24257587.html
み「アセビだ。
でも、ずいぶんとおどろおどろしい樹形だな」
ハ「けっこう古いんちゃうか。
まさか、江戸時代のやないんやろうけど」
み「アセビって、漢字でどう書くか知ってる?」
ハ「そら、決まっとるがな。
“汗鼻”やろ。
箭じて飲むと、苦ごうて鼻に汗かくわけや」
み「ぜんぜん違うわ。
それに湯桶読みじゃん。
馬が酔う木と書いて、“馬酔木”だよ」
ハ「字が、ひとつも合うとらんやないけ!」
み「わたしに言うな」
ハ「クイズになってへんがな。
トンチで答えられる問題やないやろ」
み「はは。
トンチって。
おまえは、一休さんか。
馬がこの木の葉を食べると……。
酔っ払ったみたいにフラフラになるから、馬酔木」
ハ「毒草っちゅうことやな」
み「毒と薬は、表裏一体ってこと」
ハ「トリカブトみたいなもんか」
み「だね。
でも、この木、普通に園芸用に売られてるんだよ。
わたしの自転車散歩の経路にある家にも植わってる。
春一番に花が咲くんだ。
地味な花なんだけど……。
わたしにとっては、ほんとに嬉しい花。
この花を見ると、ようやく春が来たんだと実感するわけよ」
ハ「売られとんのは……。
トリカブトほど、毒性が強くないからやろな」
み「でも、ま、お子さんのいる家なんかじゃ……。
植えない方がいいかもね。
口に入れちゃうかも知れないから」
み「ギボウシも、薬草だったのか」
ハ「漢字は、偽の帽子で“偽帽子”か?」
み「ぜんぜん違います。
橋の欄干とかにある“擬宝珠”のことだよ。
神社とかの手すりにも付いてる」
ハ「あのタマネギみたいのんか」
み「そうそう。
サンプラザ中野が……。
武道館のてっぺんの擬宝珠を、そう歌ったわけだ」
ハ「せやけど、この草のどこが擬宝珠やねん?
ぜんぜん似てへんやないか」
み「6月から7月ころ……。
この葉の真ん中から花茎が伸びて、薄紫の可憐な花を咲かせるのよ。
その花の出たばかりの蕾が、擬宝珠に似てんの」
↑ギボウシの花。これは、だいぶ前にわたしが撮った写真です。けっこういい腕前じゃないすか?
み「冬は地上部が枯れるから……。
雪国の庭にはうってつけ。
わが家にもあるよ」
『Mikiko's Garden(https://mikikosroom.com/archives/2596553.html)』の『もしも「Mikiko's Room」が……(http://mikikosroom.com/archives/2769810.html)』で……。
「ギボウシ」を紹介してます。
ぜひ御覧ください。
み「アザミだ。
ノアザミ。
でも、これも薬草なの?
ちょっと調べて」
ハ「根っこを天日干ししたのが、生薬とされるみたいやな」
み「しかし……。
誰が、この花の根っこを薬にしようと思いついたのかね?」
ハ「もともと、茎が山菜として食われとったようやな。
やから、根も食えると思たんちゃうか」
み「そうか。
飢饉のときとかだ。
普段なら茎だけ取る山菜の……。
根っこまで掘って食べたんだね、きっと」
ハ「かも知れんな」
み「おー、いかにも日本の水辺だな。
紫のは、アヤメかな。
黄色いのは、たぶんキショウブ」
ハ「いずれがアヤメかカキツバタやな」
み「ここでクイズです」
ハ「またかいな」
み「アヤメ、ハナショウブ、カキツバタ。
水が一番好きなのはどれでしょう?」
ハ「トンチか?」
み「違います。
知識を問うております」
ハ「知らんかったら答えられんやないけ」
み「調べるなよ」
ハ「降参やから、答え言うたり」
み「投げ出すな!」
ハ「どないせいっちゅうねん」
み「水が一番好きなのは、カキツバタ。
ほぼ水中に生えてます。
水の中じゃ生きられないのが、アヤメ。
むしろ乾燥したところの方が好き。
だから、畑とかに植えられてる。
ハナショウブはその中間。
水辺だね。
アヤメより、もっと乾いたところが好きなのが……。
ジャーマンアイリス。
デカくなるし、派手な花でね。
使うんなら洋風の庭向き」
このへんのことについても……。
『Mikiko's Garden(https://mikikosroom.com/archives/2596553.html)』の『いずれが菖蒲か杜若(http://mikikosroom.com/archives/2769808.html)』で書いてます。
読んでみてね!
■街路樹Ⅲ
新潟市周辺の街路樹として、一時期さかんに植えられたけど……。
今、ぜんぜん植えられなくなった樹種があります。
ひとつは、ハナミズキ。
正式名称は、アメリカハナミズキです。
日本が、ワシントンにサクラを贈ったお礼に……。
アメリカから贈られました。
ゴールデンウィークのころ、赤や白の花を咲かせます。
でもあれ、花じゃなくて「萼」なんです。
アジサイと一緒ですね。
おそらく、東京の街路で、植えるのが流行ったんでしょうね。
それが、新潟に入ってきた。
でも、新潟では育ちませんでした。
植えたときが一番いい状態で、年々小さくなっていきます。
単木で植えるには向かない樹種なんです。
ヤマボウシの仲間ですからね。
林の中に生えてる木です。
そういうところは、樹冠が一面に広がってますから……。
根元に日差しがあたりません。
冬の寒風も、密集した枝が和らげてくれます。
しかし道路では、夏はカンカン照り……。
冬は強風にされされます。
どうもハナミズキは、新潟では、冬の寒風の方にやられるみたいですね。
その証拠に、東京では、比較的立派なハナミズキの街路があるからです。
ま、管理も違うんでしょうけど。
もうひとつは、イヌエンジュ。
マメ科の落葉樹です。
外観的には、何の特徴もない木です。
なぜ、これが植えられるようになったかと云うと……。
まさに、冬の寒風対策。
これは、造園会社に勤めてた叔父に聞いた話です。
新潟の郊外の街路では、道の両側が田んぼという場所が少なくありません。
田んぼと云っても、広さが尋常ではありません。
水平線まで田んぼってところもあります。
で、そういうまっ平らなところには……。
冬場、地吹雪が通っていくんです。
そんなところで冬を越せる樹種は、多くはありません。
で、選ばれたのがイヌエンジュ。
冬の寒風に強いという理由だけだったようです。
でも、意外な弱点が、夏場にありました。
葉っぱが、アメシロの餌になるんです。
アメシロとは、アメリカシロヒトリのこと。
成虫は、雪の女王みたいに綺麗な蛾です。
その名のとおり、戦後、アメリカからもたらされました。
「ヒトリ」は、一人で行動するからではありません。
「火取り」です。
文字どおり、「飛んで火に入る夏の虫」なわけです。
昔は、火を点けるのが簡単ではありませんでした。
なので、蝋燭の火を消してしまう蛾は、大迷惑だったわけです。
ということで、「火取り蛾」と名付けられたわけ。
成虫は綺麗ですが……。
幼虫の毛虫は、キモさナンバーワンじゃないですか。
一人でなんか行動しません。
集団行動です。
葉っぱに網を張って、そのなかにごちゃごちゃいます。
見た途端、全身が総毛立ちますよ。
で、木を丸坊主にしてしまうほどの大食漢です。
なので親は、幼虫がたくさん食べられる木を探して卵を生むわけです。
ところがあなた。
街路樹なら、その餌となる木が、一直線にずらーっと並んでるんですよ。
これほど便利な繁殖場所はありません。
年に2回発生しますから、自分の生まれたところに産んでるんじゃないですかね。
夏の終わりごろの街路には、丸坊主に近いイヌエンジュが並ぶことになります。
でも健気にも、秋にはもう一度葉を吹かせてますね。
新緑の時期が、年に2回あるわけです。
でもそうして体力を使うせいでしょうか……。
樹木自体は、あんまり大きくなれません。




