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埴輪と旅する女①【会津若松編】  作者: Mikiko


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第071回

 『Mikiko's Room(https://mikikosroom.com/)』で連載した、会津若松への旅行記(原題は「単独旅行記Ⅶ」)です。

 この回のオリジナルは、↓のページに掲載しています。

https://mikikosroom.com/archives/50585210.html


 なお、「小説を読もう!」では、写真を2分の1サイズに縮小して投稿しています。

 フルサイズの写真は、上記オリジナルページをご覧下さい。

 特に断りのない写真は、わたしが撮影したものですので、ご自由にお使いください。


 なお、本文のみをまとめた総集編(後書きはありません)は、↓のページからご覧いただけます。

https://mikikosroom.com/archives/24257587.html




挿絵(By みてみん)

ハ「ほれ。

 蓮の葉があったで」

み「ん?

 これは、蓮じゃないじゃん。

 ツワブキの葉だよ」

ハ「与謝野晶子が見まごうたか?」

み「そんなわけないだろ。

 歌人や俳人は、植物に詳しいからね」

ハ「せやけど、似た水草やないけ」

み「ツワブキは水草じゃないって。

 これは、地べたから生えてるの。

 うちにもあるよ。

 隣との境のブロック塀ぎわにね。

 あんなところに植えたとは思えないから……。

 鳥の落とし物かな。

 砂地だけど、毎年、晩秋に黄色い花を咲かせてくれてる」

挿絵(By みてみん)

↑わが家のツワブキ(2023年11月26日撮影)。


み「宿根草なんだけど、常緑でね。

 冬は、雪の下でぺちゃんこになってる。

 でも、雪が解けると、葉がむっくり起きあがってくるんだ」

ハ「健気やな」

み「植物はみんなそう。

 自分で動けないんだからね」

ハ「“置かれた場所で咲きなさい”ちゅうやつやな」

み「運命は……。

 鳥がどこでうんこするかにかかってる。

 まさに、運を天に任せるだね」

ハ「いらん落ち、付けんでええわ」


挿絵(By みてみん)

み「おー、ここも綺麗な水が流れてる。

 これも、猪苗代湖から来てんのかな?

 ちょっと、ネット見て」

ハ「どうやら、湧き水があるみたいやで」

み「こんな水量の?

 凄いな。

 でも、湧き水でもなきゃ……。

 こういう施設、やってられないよね。

 水道水で水やりしてたら……。

 水道代、どんだけかかるのって話」


挿絵(By みてみん)

ハ「ここもビューポイントやな」


挿絵(By みてみん)

み「さっきも言ったけど……。

 こういう人口庭園には、建物があった方がいいよね」


挿絵(By みてみん)

ハ「魚はおらんみたいやな」

み「観光地の池だと、鯉とかが寄ってくるよね。

 餌、もらえるかと思って」

ハ「この池やったら、観光客からもらう餌だけやと食うていけんやろな」

み「観光客、そんなに来なさそうだからね」


挿絵(By みてみん)

み「水面に落ちる木漏れ日。

 庭園は、水があると違うよね。

 枯山水は、手入れは楽なんだろうけど……。

 やっぱり物足りない」

ハ「浅いとこは陽があたるよって……。

 苔が生えとるわな。

 池掃除、定期的にせなあかんで」

み「予算が付くかねー」


挿絵(By みてみん)

み「おー、ツワブキの群落だ。

 斜面ってのがいいよね。

 一斉に花が咲いたら見事だろうな」


挿絵(By みてみん)

み「なんか、食べられそうな芽が出てるな。

 何だろ?」

ハ「食うてみい」

み「生で食えるか。

 食べるとしたら、天ぷらだな」


挿絵(By みてみん)

み「この木は、1回、幹が折れてるね。

 その下から吹いた芽が、再び主幹になったわけだ。

 落雷かな」


挿絵(By みてみん)

み「立派な大木になってる」

ハ「なんちゅう木や?」

み「樹名板がないとわからん」


挿絵(By みてみん)

み「あ、こっちにあった。

 エゾエノキ。

 普通のエノキじゃないんだ。

 エノキの葉って、有名な蝶の幼虫が食べるんだよ。

 知ってた?」

ハ「知らんがな」

み「日本の国蝶ですよ。

 オオムラサキ。

 たぶん、見たことない。

 一度、見てみたいよね

 飛んでるとこ」


■弁当忘れても傘忘れるな

 本編のツワブキの写真。

 撮影日を入れましたが、2023年11月26日に撮ったものです。

 この旅行に行ったのが、2022年5月の終わり。

 なんと、1年半かかっても、旅行記が終わらないんです。

 来春までに、終われますかね?

 終わらない限り、次の旅行には行けませんから。

 この旅行のころは、ほんとにいい気候でした。

 両日とも快晴。

 写真を見るにつけて、木漏れ日のあふれる日々が懐かしいです。

 というのも、5月末の半年後になる11月の今……。

 新潟は、急激にお天気が悪くなってるからです。


 この時期、晩秋から初冬にかけての北陸地方には……。

 「弁当忘れても傘忘れるな」という格言があります。

 文字どおり、お天気が変わりやすいから気をつけなさいという戒めですね。

 こういうお天気を、こちらでは「時雨しぐれ」と呼んでます。

 なぜ、お天気が変わりやすいのか。

 それは、この時期の雲の出来方が原因なんです。

 綿を千切ったような、端切れみたいな雲が、空一面に散らばってるんです。

 空の全面を覆ってるわけではありません。

 島状に、高密度で点在してるんですね。

 で、その雲は、北西からの季節風に吹かれて、次から次に流れてきます。

 島状の雲が頭上にかかると、お天気が崩れます。

 雨やみぞれになるわけです。

 でも、島が通り過ぎると……。

 雲が切れ、晴れ間が覗きます。

 雨が止んで、晴れ間が見えてきたら……。

 「お天気が回復した」と判断してしまいがちです。

 しかし、「時雨」ではそうはいかないことは……。

 上の説明からもおわかりでしょう。

 一旦、島状の雲の下から抜けても……。

 また次の雲がやってくるからです。

 そうしたら、晴れてた頭上が雲に覆われ……。

 再び、雨やみぞれが降り始めます。

 この繰り返しです。

 なので、朝、出掛けに空が晴れてたとしても……。

 そのお天気が、その後も続くわけじゃないんです。

 なので、「弁当忘れても傘忘れるな」ということなんですね。


 でも、一部に誤解があるように思えるのが……。

 北陸地方では、1年中、こんな天気だと思われてるらしいことです。

 違いますよ。

 あくまで、「時雨」の降る、晩秋から初冬にかけてだけです。

 真冬になると、「時雨」はなくなります。

 なぜなら雲は、端切れ状じゃなくて、空一面を覆うからです。

 晴れ間が出ることなんてなくなるわけです。

 春以降の季節では、雨が止んで晴れ間が出たら……。

 北陸地方でも、お天気は回復したと判断していいです。

 もし、1年中、「時雨」みたいなお天気だとしたら……。

 格言なんて要りませんよね。

 当たり前なことなんですから。

 それが格言になってるのは……。

 「時雨」が、この時期だけの気象だからです。

 1年経つと、「時雨」のことなんか忘れてしまってるんですよ。

 なので、それを思い出させるための……。

 「弁当忘れても傘忘れるな」なんです。


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