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埴輪と旅する女①【会津若松編】  作者: Mikiko


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第069回

 『Mikiko's Room(https://mikikosroom.com/)』で連載した、会津若松への旅行記(原題は「単独旅行記Ⅶ」)です。

 この回のオリジナルは、↓のページに掲載しています。

https://mikikosroom.com/archives/50489382.html


 なお、「小説を読もう!」では、写真を2分の1サイズに縮小して投稿しています。

 フルサイズの写真は、上記オリジナルページをご覧下さい。

 特に断りのない写真は、わたしが撮影したものですので、ご自由にお使いください。


 なお、本文のみをまとめた総集編(後書きはありません)は、↓のページからご覧いただけます。

https://mikikosroom.com/archives/24257587.html




挿絵(By みてみん)

み「立派な大木だわ。

 森の中では、広がった樹冠が……。

 地面の高温化を防ぐわけだ」

ハ「猛暑の影響を受けにくいってことやな」

み「そうそう。

 道路の街路樹なんて、気の毒だよ。

 カンカン照りに晒されて。

 新潟では一時期、ハナミズキを街路樹に植えるのが流行ったんだけどね……。

 ほとんど、まともに育たなかった。

 年々、小さくなってく感じ。

 今は、まったく植えられなくなったね」

ハ「猛暑のせいか?」

み「猛暑っていうより……。

 普通に、カンカン照りに弱いわけよ。

 ハナミズキは、ヤマボウシの仲間だからね。

 山の中に生えてる木の性質なんだよ。

 モミジなんかと一緒。

 モミジを道路に植えて、育つと思う?」

ハ「ダメやろな」

み「あと、ナナカマドを街路樹にしてたバカな設計もあったね。

 もちろん、全滅。

 ナナカマドを街路樹に出来るのは……。

 北海道くらいだよ」


挿絵(By みてみん)

み「バカに古そうな灯籠だな。

 札になんて書いてあんの?」


挿絵(By みてみん)

ハ「三層塔やて」

み「3つの層の塔?

 そのまんまじゃん。

 でも、この丸み、すり減ったんじゃないよね?

 最初から、こういう形の石を重ねたんでしょ?

 いつごろ作られたものなの?」

ハ「園内の案内板には……。

 “伝鎌倉初期”と書かれとるみたいやな。

 福島県の重要文化財やて」

み「鎌倉時代じゃ、国の重文にはならないわな」


挿絵(By みてみん)

み「お、なんか書いてある。

 ほー、ビュースポットか」


挿絵(By みてみん)

み「これだな」

ハ「確かに、絵みたいな景色やな」

み「自然そのものの景色じゃなくて……。

 ああいう建物があるってのが、むしろいい感じに見せてるよね」


挿絵(By みてみん)

み「モミジが生えてる」

ハ「隣の幹から出てるんやないか?」

み「こんな低いとこから、ひこばえは出さないよ」

ハ「なんでや。

 街路樹とかやと……。

 地際から、よう枝、出しとるやないけ」

み「あれは、地際に陽があたるから。

 同じ陽があたるところなら……。

 木のてっぺんより、根に近いとこの方が効率的でしょ。

 逆に、森や林だと、地際に陽はあたらない。

 そんなところから枝を出しても、意味ないわけ。

 だから、この小さなモミジは、実生が育ったものだよ」

ハ「陽があたらんやないけ」

み「ま、このまま成長できるかどうかは……。

 まさに運命次第だね。

 近くの大木が倒れて……。

 樹冠がぱかっと開くこともあるからね」


挿絵(By みてみん)

み「タケノコだ!」

ハ「けっこう立派やで」

み「周りに竹がないけど……。

 伐採されたのかな。

 しかし、タケノコ……。

 長らく食べてないな。

 お味噌汁のタケノコ、大好物なんだよね」

ハ「タケノコなら、スーパーで売っとるやろ」

み「売っとる。

 でも、料理が面倒じゃない。

 アク抜きとかするんでしょ」

ハ「すればいいがな」

み「簡単に言うな!

 仕事とこのブログで手一杯なの。

 でも、仕事を退職したら、ぜったいチャレンジする。

 あと、梅干し作りも。

 しかしねー。

 この物価高が続くと、年金だけじゃ食べていけないかも。

 新聞配達でもするかな。

 朝、早いのだけは得意だから。

 でもやっぱ、新潟は怖いよ」

ハ「何がや?」

み「冬さ。

 雪道。

 バイクなんて走れないよ。

 どうやって配達してるんだろ?」

ハ「そりゃ、歩いてやないんか?」

み「アホタレ。

 新潟は、東京みたいに家が密集してないから……。

 配達エリアが広いのよ。

 歩いて回ってたら、何時間かかると思ってるんだ。

 新聞が届かないって苦情も来るだろうし。

 12月から2月まで休みにしてもらえないかな?」

ハ「条件次第やな」

み「どんな?」

ハ「あんたの代わりに……。

 12月から2月までだけ、配達する人間を見つけて来ることや」

み「そんなバカがいるか!」


■カンカン照り

 この夏のカンカン照りが嘘のような季節になりましたね。

 白鳥も渡ってきて、木々は落ち葉を散らし始めてます。

 でも、夏の爪痕は、今も街のそこここに残ってます。

 樹木が枯れてるんです。

 それでも、葉を落とした木の中には、復活したものもあります。

 以前のコメントでも書きましたが、近くの公園のコブシは新芽を吹きました。

 あと、バイパス道路のインターチェンジに植わってた木も、一時期丸坊主になりましたが……。

 こないだ見たら、葉を出してました。

 しかし、復活できず、そのまま枯れてしまった木も少なくありません。

 針葉樹は、助かりませんでした。

 針葉樹っていうか、コニファー類ですね。

 コノテガシワとか。

 あと、ダメだったのが、ツツジ類。

 ドウダンツツジとサツキツツジは、全滅に近い被害を受けてるところも少なくないです。

 もちろん、水やりすれば枯れずに済んだのですが……。

 誰もしなかったわけです。


 車で通勤するとき通るバイパス道路沿いに、チェーン店の葬儀場があります。

 実は、母の葬儀も、そこのチェーンに頼みました。

 式場は、別でしたが。

 バイパス道路脇の式場には、かなりの植栽がされてました。

 それが、ほぼ全滅してます。

 誰も水やりしなかったわけです。

 枯れ木だらけの葬儀場は、なんだか、見てて殺伐とした気分になりますね。

 でも、母の葬儀で、水やりがされなかった理由が少しだけわかりました。

 葬儀場ごとに、専属のスタッフというのがいないんです。

 常時いるのは、電話番の事務員がひとりだけ。

 で、葬儀があるときは……。

 本社から、いろんな役目の人がピックアップされて、派遣されて来るんです。

 つまり、その葬儀だけのチームが作られるわけです。

 葬儀が終わると、また事務員だけの体制に戻ります。

 式場専属のスタッフがいれば、植栽に水やりもしたんでしょうけどね。

 事務員さんじゃ、気づかなかったのでしょう。

 でも、あの植栽をぜんぶ植え替えるとしたら……。

 おそらく、数十万円はかかると思います。

 水やりしたほうが、ずっと安あがりだったのに。


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