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埴輪と旅する女①【会津若松編】  作者: Mikiko


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62/108

第062回

 『Mikiko's Room(https://mikikosroom.com/)』で連載した、会津若松への旅行記(原題は「単独旅行記Ⅶ」)です。

 この回のオリジナルは、↓のページに掲載しています。

https://mikikosroom.com/archives/50032514.html


 なお、「小説を読もう!」では、写真を2分の1サイズに縮小して投稿しています。

 フルサイズの写真は、上記オリジナルページをご覧下さい。

 特に断りのない写真は、わたしが撮影したものですので、ご自由にお使いください。


 なお、本文のみをまとめた総集編(後書きはありません)は、↓のページからご覧いただけます。

https://mikikosroom.com/archives/24257587.html



挿絵(By みてみん)

み「木漏れ日の菩提樹……。

 いい季節だね。

 やっぱり、命あっての物種だよ」

ハ「死んで花実が咲くものか、やな」

み「そうそう」


挿絵(By みてみん)

み「お。

 鶴ヶ城が見えるらしいぞ。

 ここからだと、飯盛山よりは近いのかな?」

ハ「ま、行ってみよやないけ」


挿絵(By みてみん)

み「葉が茂りすぎて見えんではないか」

ハ「例によって、方角が違ごてるんやないか?」

み「何が例によってなんだ!」


挿絵(By みてみん)

み「あ、見えた」

ハ「ほー。

 方角は合っとったらしいな」


 ↓実は、最初の写真にも、ごく小さく写ってました。

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)

み「この順路、覚えられる?」

ハ「覚えんかて、順番の立て札が立ってんにゃろ」

み「なら、何でわざわざ、こんな看板を立ててるわけ?」

ハ「知らんがな。

 覚えんでも、この看板、カメラで撮っとったらええだけやないか」

み「あ、そうか。

 うーむ。

 まだ、デジカメ時代に慣れないみたいだな」

ハ「いつの時代や!

 今はスマホの時代やろ。

 デジカメ持っとる方が珍しいわ」

み「スマホは、掴みにくいのよ。

 薄くて。

 ぜったい落っことす自信がある」

ハ「難儀なやっちゃ」


挿絵(By みてみん)

ハ「長い文は読まんのやろ?」

み「斜めに読む。

 しかしさ、そもそも……。

 『陣屋』ってのが何たるかが書いてないじゃん。

 森田検索!」

ハ「いつか言うと思とったわ。

 Wiki引いたったから、読むで。


+++

 陣屋は、江戸時代の幕藩体制における大名領(藩)の藩庁が置かれた屋敷、もしくは徳川幕府直轄領の遠国奉行や代官の住居および役所が置かれた建物(代官所)、また江戸定府の旗本が知行地を支配するための屋敷である。

+++


 というこっちゃ」

み「早い話……。

 市の出張所みたいなもの?」

ハ「市っちゅうより、例えるとしたら県やろ」

み「なら、地域振興局?」

ハ「それやと、多すぎるんちゃうか。

 一番近いのは、支庁やろ?

 東京都やと、確か離島に支庁が置かれとるわな」

み「ふーん。

 ま、いいや」

ハ「いいんかい!」


挿絵(By みてみん)

み「相変わらず、殺風景な入り口だな」

ハ「簡素と言うべきやないか」

み「掃除はしやすそうだけど」


挿絵(By みてみん)

み「“のっこみ”?

 これって、釣り用語じゃないの?

 叔父に聞いたことがある。

 確か、春の繁殖期のことじゃなかったかな。

 ちょっと、島木検索(正しくは“健作”)」

ハ「誰やそれ?」

み「小説家だよ、昭和初期の。

 読んだことないけど」

ハ「素直に聞いたれや。

 えーっと。

 Wikiには乗っとらんな。

 はは。

 本田技研のページにあったで(https://www.honda.co.jp/fishing/news/news-20210413/)。


+++

 「乗っ込み」とは、産卵を意識した魚たちが、それまでいた深い場所から、水深の浅い場所に移動してくることを指します。

 たとえばコイなら、冬は川や湖の中でも深さのある場所でじっとしていますが、春の産卵期が近づくと、アシなどの水生植物が生えている浅い水路やワンドにやって来ます。

+++


 というこっちゃ」

み「わたしの記憶、完全に合ってるじゃん。

 てことは、春になると……。

 この玄関に、魚が上がって来るってことか?」

ハ「何でやねん!」


挿絵(By みてみん)

み「あ。

 ここにちゃんと説明書きがあった。

 最初の一文、さっきの説明看板の冒頭に入れればいいのに」

ハ「そしたら、わしがこき使われんで済んだわな」


■のっこみ

 釣りではありませんが……。

 昔はこの“のっこみ”の様子、近隣の用水路で見られました。

 春が来て、田んぼが始まるころになると……。

 用水路に、水が流されるようになります。

 冬の間は水が止められ、水路は枯れてるんです。

 水は、川から引かれてます。

 用水路は、最初は太い水路なんでしょうが……。

 次第に分岐し、末端の田んぼに注がれるあたりの水路は、とても細いです。

 もちろん、土を掘った水路ではありません。

 コンクリートの∪字溝です。

 内幅は、30センチもないと思います。

 なんと、その狭い∪字溝まで、フナが上って来てたんです。

 しかも、大量にです。

 水路が狭いから、大渋滞ですよ。

 ∪字溝の幅いっぱいがフナ。

 水の上に半分出てるフナまでいました。

 あれ、採って食べてた人とかも、いたんじゃないでしょうか。

 わたしは、川魚なんて食べたくないので……。

 見ても素通りでしたが。


 でも今はその様子、まったく見なくなりましたね。

 用水路に、みんな蓋が掛けられたんですよ。

 危ないからなんでしょうかね?

 叔父は以前、造園会社に勤めてました。

 今年みたいな渇水の夏は……。

 連日、そこら中の公園や街路樹に水やりして回ったそうです。

 ダンプに、2tくらいの水タンクを積んで行くそうです。

 問題は、水の補給ですが……。

 当時は、用水路が開渠でした。

 なので、そこにぶっといホースを突っこみ……。

 エンジンポンプで汲みあげれば、あっという間にタンクが満杯になったそうです。

 このあたりの用水の供給源は……。

 信濃川か阿賀野川です。

 水が枯れる心配は皆無。

 なので、用水の水も汲み放題だったそうです。

 田んぼの持ち主に、文句を言われることもなかったとか。

 叔父は、今の業者は、水をどうやって調達してるのかなと心配してました。

 水道水では、タダで入れられるわけありません。

 公園の水道とかから拝借したら、泥棒です。

 そもそも、細いホースで溜めてたら……。

 2tのタンクなんて、容易に一杯になりませんよ。

 しかし、この夏の造園業者さん……。

 ほんとに大変だったでしょうね。


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