第036回
『Mikiko's Room(https://mikikosroom.com/)』で連載した、会津若松への旅行記(原題は「単独旅行記Ⅶ」)です。
この回のオリジナルは、↓のページに掲載しています。
https://mikikosroom.com/archives/48648488.html
なお、「小説を読もう!」では、写真を2分の1サイズに縮小して投稿しています。
フルサイズの写真は、上記オリジナルページをご覧下さい。
特に断りのない写真は、わたしが撮影したものですので、ご自由にお使いください。
なお、本文のみをまとめた総集編(後書きはありません)は、↓のページからご覧いただけます。
https://mikikosroom.com/archives/24257587.html
み「さらばじゃ、さざえ堂」
ハ「下から上がって来た方が、趣があったんやないか?」
み「いまさら言うな」
み「昔の子供なら、絶対ここで泳いだよな」
ハ「白虎隊の子らもな」
み「ひょっとしたら……。
“湧き水飲むな”はそういうことか……」
ハ「どういうこっちゃ?」
み「子供がここで遊んでたら、絶対に身体が冷えるでしょ」
ハ「はぁ?
さっぱり話が見えんで」
み「身体が冷えたら、したくなるじゃん」
ハ「なにを?」
み「おしっこ」
ハ「アホか……。
武士の子が、そないなことするか?」
み「子供はみんな一緒。
この流れ見てると、水洗トイレにしか見えん」
ハ「異常やで」
み「立派な杉だね。
そうか……。
ここは高台だから、水はけがいいのか」
ハ「杉は、水はけが悪いとダメなんか?」
み「新潟市街は、“杉の木と男の子は育たない”って言われてる土地なのよ。
低湿地だからね。
水はけが悪いと、杉は育ちにくいってこと」
ハ「杉は、わかったわいな。
せやけど、男の子は何で育たへんねん?」
み「農家では、長男ひとりが田畑をみんな継ぐわけだ。
子供のころから、大事にされて育つから……。
バカ殿みたいなのができあがるってわけ」
ハ「長男がぜんぶ継ぐのは、会津の武家でも一緒やろ」
み「でも、ぜったい甘やかされないよね。
むしろ、一番厳しく育てられるんじゃない?」
ハ「それで、こないに立派な杉に育つちゅうわけやな」
み「左様。
でも、わたしが生まれ変わるとしたら……。
ぜったいバカ殿がいい」
ハ「せやろな」
み「魚はいないのかな?」
ハ「流れが早よすぎて棲めんのやろ。
寝たら流されてまうわ」
み「泳ぎながら寝るんじゃないの?」
ハ「それは、海の回遊魚やろ。
マグロとか、カツオや。
きゃつらは、エラをパクパク動かせんのや。
泳ぐことでしか、エラに酸素を取りこめんちゅうわけや」
み「止まると息が出来なくなっちゃうってわけ?」
ハ「そういうこっちゃな」
み「切ない生き物じゃ。
そうやって泳ぎ続けて……。
止まったときには、寿司のネタになってる」
ハ「回転寿司やったら、まだ回っとるで」
み「哀しすぎるサガじゃ」
み「げ。
何でここに厳島神社があるんだ?」
ハ「書いたあるやろ」
み「字が消えかけてて読めん」
ハ「ま、そういうこっちゃ」
み「どういうこと!」
ハ「早よ行かんと、日が暮れるで」
み「わからんのだな」
み「さっきの杉は、厳島神社の所有ってことか」
ハ「せやろな」
み「しかし、『自然景観指定緑地』の看板に、この柵はいただけないね」
ハ「何でやねん?」
み「擬木だろ。
コンクリートだよ」
ハ「そこまで言うたりなや。
生木で作っとったら、管理かてたいがいやないで」
み「おー、池に出た」
み「ていうか、さっきまでの流れは、ここが源流だね」
ハ「あこから水が出とる。
源流は、もっと上やで」
み「にゃんとー。
猪苗代湖から水を引いたっての!
何キロあるのよ。
Googleマップ見て」
ハ「猪苗代湖から飯盛山までは……。
直線距離で、5キロやな」
み「昔の人の根気には、ほんと頭が下がるよ。
寿命が短いのに」
ハ「あんたにはでけんわな」
み「でけん!」
ハ「きっぱりと断言すな」
み「戸ノ口原ってどこ?」
ハ「猪苗代湖のねきやな」
み「なるほど。
白虎隊士たちは、知ってたんだね。
この水路を抜ければ、飯盛山に出るってことが」
ハ「子供のころ、よっぽど遊んでたやろからな」
み「そうやって、せっかく生き延びた命なのに……。
鶴ヶ城が燃えてると思って、自刃してしまった」
ハ「切ない運命や」
■魚の呼吸
そもそも呼吸の役割とは、酸素を取りこむことだけではありません。
二酸化炭素の排出も重要な役割です。
わたしたちもそうですが、吸うだけが呼吸ではなく……。
あくまで、吐くこととワンセットなわけです。
魚の場合、毛細血管が張り巡らされたエラに水を通すことにより……。
酸素を取り入れると共に、二酸化炭素を排出してるわけです。
二酸化炭素は、水に溶けやすいんだとか。
魚が陸に打ちあげられた場合……。
二酸化炭素を排出できないため、呼吸が出来ないということだそうです。
なお、夏の池などで、魚が水面に口を出してパクパク動かしてることがあります。
一件、空気を直接吸いこんでるように見えます。
でも、実際は違うそうです。
水面を波立たせて、水と空気を混ぜてるんだとか。
で、溶けこんだ酸素を、エラから取りこむわけです。
でも、魚の中には、空気呼吸が出来る種類もいます。
ベタという熱帯魚は、補助呼吸器官(ラビリンス器官)により、空気呼吸が出来るため……。
コップの中みたいに、すぐに酸素がなくなる環境でも生きられるんだとか。
本来は、水溜まりみたいなところで生き抜くための能力のようです。
また、その名も肺魚という、文字どおり肺を持つ魚もいます。
乾季になって水が干上がると……。
土の中に潜って生き抜くそうです。
でも逆に、水中で息継ぎが出来ないと、溺れて死んでしまうとか。
それはそれで、ちょっと憐れですね。




