表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

カルテ06

 朝まで、わたしは何度も彼の病室を訪れた。脈を取る以外は、もう彼に触れなかった。朝一番に彼の母が来た。



 最期は彼の母親に看取ってもらいたい。



 最期のキスから2日後。涙を溢す母に手を握られ反応はなくても、きっと最後の最後まで母の呼び掛けは聞こえていたはずだ。わたしは、彼の最期のとき、ドクターの傍にたちモニターを見詰めていた。寝ているのかと思うほど、穏やかな最期だった。



「サチュレーション振れません」



 彼の耳に届いたわたしの最期の言葉は、なんとも味気ないものだった。別れの挨拶は、あの夜に済ませてあったから。彼が応援してくれた看護師として、彼の最期に向き合った。彼と母親を見送り最後のカルテを記入した。そして彼の名前を、そっと指でなぞっていた。



初めてのチャレンジ「悲恋」でした。

拙い作品と思いますが、完結まで書き上げることができました。


長岡更紗さま、素敵な企画に参加させてくださりありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ああ、もう、胸苦しいです;;;;; 最期の看取りは、看護師として。 ここがすごく良いです。 ぐぐっと込み上げるものがありました。 死別は鉄板ですが、涙を流せない死別は苦しくて苦しくて、 …
[一言]  結局、彼のお母さんは、萌とのことを知らないままだったのですね。  萌も、敢えて気付かれないように頑張っていたし。  切ないですねぇ。
[良い点] 読みました。 まさか、元カノが結婚するとは…… 二股をしていたのでしょうか? しかし、その後癌で死んでしまうとは、何か因果を感じます とはいえ、元カノのことがまだ好きだった主人公 イケメン…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ