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異世界魔法サーバーに賄賂でハッキング無双!【プログラム知識でネットを使ったテクノざまぁって奴を見せてやる】  作者: 喰寝丸太


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第3話 人さらい組織のアジト

 鉄格子のはまった牢屋には既に女の子がいて、俺と同じぐらいの背丈で、ズボンとシャツを着ている。

 髪が短ければ男の子だと思ったかもしれない。


 目の前にいる彼女は藍色の髪の毛を持ち、気の強そうな金色の瞳をしている。

 どことなく猫を思わせるが、家猫ではなく山猫のようだ。


「俺はタイトだ。大体、何となく分かるが、今の状況はどうなってる?」


「うち、マイラだよ。人さらいに捕まったんだよね。しばらくしたら奴隷として売られちゃうんだって」


 名前も声も女の子だと確認し、間違えなくて良かったと思った。


「そうか、奴隷か。追っ手じゃなかったのはそれがいいのか悪いのかよく分からんが、脱出しないと先は真っ暗だな」


「できるもんならね!」


 俺は鉄格子に手を掛けて力を入れてみたが、びくともしなかった。

 地下室だと思うから、窓もなく、壁を掘っても外には出られない。

 もっとも、壁はレンガで出来ているから、道具でもないと掘れない。


 絶体絶命だな。

 地形から察するに、大声を上げても誰か助けに来てくれるのは望み薄だ。

 道具なんかはないが、針金でもあれば鍵が開けられないか試してみた。


 一発逆転を狙うなら魔法しかないだろうと考えた。

 printfじゃ無理そう。

 だから、プログラム魔法を工夫しても、根拠のない推測だが、まず無理。

 だが、温度を3千度ぐらいまで上げれば鉄も焼き切れるかもしれない。

 やってみることにしたが、3千度では心もとないので、1万度ぐらいでいってみることにした。

#include <stdio.h>

void main(void)

{

  printf("【温度1万度で魔力を燃料に点火】");

}


 これをアップロード、実行したが、【温度1万度で魔力を燃料に点火】が表示されただけ。


 なんでなのかは分かっている。

 表示のプログラムで炎が出るわけがない。

 ええと、どう考えたら良いのか。

 アシスタント役の魔法精霊を消したのは失敗だったか。

 魔法精霊はハイテンションでトンチンカンなことをやり続け、無能というしかなかった。


 とにかく架空の関数を呼んでみることにした。

 失敗は目に見えているが、やってみないことには始まらないからだ。

 プログラムはトライ・アンド・エラーだ。


 もっと画期的なアイデアが必要だと感じた俺は、点火をプログラム魔法で試してみることにした。

#include <stdio.h>

void main(void)

{ //始まり。

  ignition(10000); //点火の関数。10000度で点火。

}


 こんなところでどうだろう。

 アップロードしたら、ソースが表示され未定義の参照というエラーを吐かれた。

 エラーが出たということは呪文プロンプトとして受け付けたということだ。

 たしかにそんな関数は存在しない。

 AIに近いんだから、なんとかしろは無茶なのか。


「これってなんなの? 意味わかんない言葉じゃん! 外国人なの?」


 エラーコードを見たマイラに疑問を持たれた。

 ここは適当に誤魔化す一手かもしれないが、彼女は唯一の味方だ。

 嘘は吐きたくない。


「別世界から、この身体を操っている」


「ふーん、そっか」


 彼女が納得してくれた。

 頭が柔らかいのかなと思ったり、どこか落ち着きがあるのもそう言えば気になる。

 ふてぶてしいの方が合ってる気もするが、肝が太いという表現は女の子には使わないものの、彼女にはぴったりだ。


 俺はプログラム魔法をなんとかしないといけないと思った。

 そういえば、AIにはJson形式でデータを渡していたことを思い出した。

 ならば、構造体を使うのはどうだろうか。

#include <stdio.h>

#include <string.h> // strcpyを使うために必要


typedef struct {

  int temperature;  /* 温度 */

  double x;  /* X座標 */

  double y;  /* Y座標 */

  double z;  /* Z座標 */

  int size_cm;  /* 大きさ */

  char shape[80];  /* 形状 */

  char command_the_magic[80];  /* 指示 */

} fire_magic;

void main(void)

{

  fire_magic fire_knife;

  fire_knife.temperature=10000;  /* 10000度 */

  fire_knife.size_cm=20;  /* 大きさ */

  strcpy(fire_knife.shape, "ナイフ");  /* 形状ナイフ */

  strcpy(fire_knife.command_the_magic, "燃え続けろ");  /* 魔法への指示 */


  while(1);  /* 無限ループ */

}


 やった、眩いばかりの炎のナイフが成功した。

 魔力切れがない。

 流石、1億分の1効率。

 鉄格子が炎のナイフでバターのように溶けている。

 次は動きを入れて焼き切る。


 強制終了して、鉄格子を焼き切り、冷えたら脱出した。


「うち、悪い奴らを締めてくるから、ちょっと待っててね~!」


「おい、動きが早すぎて全然見えねぇ。これが異世界かよ。まだガキなのにこんな強いのか!」


 俺は後ろから固定砲台に徹し、階段を上がり扉から出た。

 マイラが地を這うような姿勢で動き、短剣で男達の踵を切り裂いていった。

 そして、立てなくなったところで喉を切り裂いた。


 短剣はどこから出て来たんだと思いながら見ると、男の腰につけた短剣が鞘だけになっているのに気づいた。

 俺はさっそく炎ナイフ魔法を操って食らわす。


「ひっ、熱いって!あちちっ、マジであちぃぃぃ!……」


 男は火だるまになって転がった。

 火は消えたが、死んだようだ。


 異変を察知したのだろう、男達が奥からなだれ込んで来るのが見えた。


 俺はマイラの残像がもはや線のように見え、舞うように動いているのを目の当たりにした。


 男達は全員が立てなくなったようだ。

 マイラは男達の喉を切り裂く。

 うひっ、容赦がないなと思う。


 これって、この子はどういう育ちなんだろう。

 もしかして、暗殺者の一族とかか。

 焼き殺した俺も人のことを言えないが、正当防衛で良いんだよな。

 何にせよ、助かった事には違いない。


 俺達は小屋から出て、馬を放して尻に鞭をくれた。

 馬は驚いて駆け出していく。

 それから、小屋に火を放ち、俺達は逃亡に移った。

 ざまぁ。


 満足したらしい。

 短期間ログアウトして日本に帰れた。

 俺はなぜか異世界が楽しいと感じている。

 生き甲斐とは言えないが興味が尽きない気がした。

 たぶん、異世界は地球並に広い。

 地球の映像はさんざん見たから興味はないが、異世界なら初見の物がたくさんあるに違いない。


 AIの表示は特許申請の書類は出来てて、俺の承認待ちだという内容。

 特許の題名はナイフバーナー。

 魔力と魔法システムはどうすんの?

 特許申請をしてくれる弁理士にAIが作成したメールを送った。

 ええと、設計図と動作原理の説明があれば、サンプルは必要ないのか。

 魔力は新しいエネルギー粒子らしい。


 承認申請すれば商品は売れるらしい。

 ただし、認可を貰わないと、申請中に特許権の侵害があっても保証されない。

 異世界技術を真似できるならしてみろ。

 特許取らないと会社との交渉が難しくなる。

 買い叩かれないためにも特許は必要。 


 弁理士にアポを取ったところでログアウト期間が終わった。


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