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「清厳!お前何をやらかしたのだ!」
「いきなり何だと言うんだ泊渼。」
「寿命を授かるそうだな!」
「だからなんでお前が声を荒らげているんだ。」
「お前の身を案じているからに決まっているだろう!清厳!お前何をしたんだ!」
「落ち着け、今説明するから。」
「…」
「お前まで来ていたのか、珍しいな湠渓」
「…」
「お得意のだんまりか。相変わらずだな。」
「そんなことはどうでもいい!早く説明しろ清厳!」
「待て待て、そう慌てるなよ。」
「聞いたぞ清厳、いゃー寿命を授かるんだってな。」
「浾湧、お前の耳にも入っているということは、誰の耳にも届いているんだな。」
「それほど大事なんだってことやるはじやー。」
「すまんが、その方言はやめてくれないか浾湧。話が入ってこなくなる。」
「潢彩じゃないか。全員揃い踏みってわけか。」
「だから、早く説明するんだ清厳!」
「わかったよ…」
「いゃー情熱的!たましぬがち~、じょーとぅー!」
「浾湧、方言キツいって。」
「お前情熱的だったんだな!驚いた~、良いじゃないか!」
「いいもんか!なんでそうなるんだ清厳!たかだか人間一人に執着するな!」
「泊渼、お前の言う通り執着などするものではないのだがな。ただ、ツクヨミ様のお声を忘れられない俺の未熟さがそうさせたのだ。」
「若気の至りってか。にしてもあの清厳が人間にこうも肩入れするとは思わなかったな。」
「人間にもフレンドリーなお前なら分かるだろう潢彩。俺はお前のように誰彼構わず肩入れすることはできんがな。」
「皮肉屋だなぁ。僕の気持ちも少しは分かっただろう清厳。人間は可愛いものだよ。」
「いや、その気持ちは未だに理解できないが。」
「…」
『死して繰り返す命を得るーだがお前の思惑通りにはならんだろう』
「なんだよ、念で嫌味言うなよ湠渓」
「…」
「…ったく双龍でありながら、こうも違うかね。」
「すまないな。湠渓は色々とこじらせている。」
「泊渼、厄介な妹をもったもんだな。」
「厄介なのはお前もだよ清厳。お前の仕事はどうするんだ。」
「俺の仕事なんてのは誰でも務まる。大丈夫だ。」
「お前ってやつは…」
「全員揃っておるようだな。」
「龍王様、すでに話をお広めになっていたんですね。」
「当然じゃ。龍界にとっての一大事なのだからな。」
「そんな大げさな…」
「よいか清厳、今回の事で龍界もざわついておる。アマテラス様も面食らっておったわい。」
「申し訳ございません。」
「とにかくじゃ、神前にて直々に命が下る。心しておけ。」
「はい。」
「青龍清厳、そなたの願い耳に入っている。」
「アマテラスオオミカミ様、どうかお力添えいただきたく。」
「金龍淦澐、そなたの話では代わりの青龍は居ると。」
「はい、齢で清厳には遠く及びませぬが控えております。」
「此度の事、他の柱に話すつもりはない。」
「はい、心得てございます。」
「そなた達は話をどこまで広めるつもりか…柱の耳には入れぬよう留意せよ。」
「申し訳ございません、我々にとって一大事の為つい…清厳!お主も詫びよ!」
「え…あ、大変申し訳ございません、努めて参ります。」
「下がるがよい。」
「ははぁ…」
「意外とあっけなかったですね。」
「我々に構っている暇などないのじゃ。お目見え出来ただけありがたく思え!」
「どうでしたか。」
「泊渼、お主は心配性じゃな。」
「心配にもなります!それで、どうなったのですか!」
「決まったよ。」
「なんと…」
「そうと決まれば、善は急げじゃ。」
「…」
湠渓の言葉が頭から離れない。
私には大した思惑などないが、ただ純粋に愛するものの側で生死を共にしたいのだ。
…いや、それこそ独りよがりの単なる思い違い野郎かもしれないな。
そもそも彼女は私など知りもしない。いや、正確には龍神としての存在しか知らないだろう。
神でもない私に好かれてしまっても、何もしてやれることはない。ましてや同じ人間として近づこうとしているのだからな…待てよ、これは…なんだ、ただの執着であり…相手に喜ばれるものなのだろうか…
なんと言っていいのかわからないが、気持ちのいいものではない感じだな…。
「どうした、難しい顔してるな。」
「あぁ…いや、なんでもないんだ。」
しかもだ、もし仮に生まれ変わって会えたとしよう。その時に私は彼女に受け入れてもらえるのだろうか…まずい、算段がつかんぞ…
「いや~よかったな清厳!これでお前の情熱は昇華される!うまくいくといいな!」
「あぁ…浾湧の後押しのお陰だ。」
これって、なんて言ったらいいんだろうか…単純に気持ち悪いよな…いや待て、純粋に好きという気持ちからくるものであって、その、なんていうか…
「…」
「ひっ!」
『ストーキング』
「え?」
「…」
「あっ、おい、なんだその言葉は!待て、どういう意味なんだ!湠渓!」
「湠渓に気に入られようなんて万年億年早いんだよ。」
「いや、そういうつもりじゃなくてだな潢彩、俺は今混乱しているんだよ…」
「お前よりも周りの龍が大混乱だよ。お前のお陰でな。」
「お前まで俺を責めるのか…勘弁してくれ…」




