1-3-14
2943イメージソング
https://youtu.be/yrc1oGmkcak
「こんにちは、お身体の具合はいかがですか?」
「こんにちは、今日のリハビリは堪えたよ。」
「16年…ですもんね、彰さんのお母様が定期的にマッサージなさってたお陰で、すぐにリハビリに入れたんですから、感謝ですね。」
「あぁ…恵さんにも感謝してる。待っててくれてありがとう。」
「いえ、私は何も…」
「ナギの木が、大きく育ったみたいだよ。恵さんのナギの木も、大きくなったんじゃないのかな。」
「はい、あんまり大きいので地植えしたいところですが、そんな場所もなくて…」
「退院したら実家の庭に植えようかと思っているけど…恵さんのナギの木も一緒に植えようか?」
「あ…いえ、私は将来の自分の庭に植えたいと思っているので、その…」
「そうなんだ、恵さんの庭は森の様になりそうだね。」
「そうですね、たくさんの木々や花々、果物も植えたいと思っています。」
「そっか、素敵な庭になりそうだね。」
「…あの、RUMIって人の歌声が彰さんを導いてくれたんですよね?」
「うん、俺は…ずっと彷徨ってたんだ。そこへ彼女の歌声が聴こえてきて、その、覚えのあるその声の方向へ進んだら戻ってこれた。」
「覚えのある…」
「…聴いたことのある歌声だったんだ。随分昔の記憶でしかないけどね。でも、探してた歌声に間違いないんだ。」
「…探してらしたんですか、その歌声の人を。」
「うん…ずっと、探してた。まさか、芸能人の歌声とは思わなかったけどね。」
「…探してて、見つけられた…どうされたいと思ってますか?」
「どうって…うーん…会いたい気持ちはあるけど、相手は芸能人だからなぁ…」
「会って、どうされたいんですか?」
「会ってみて、どんな人生を送ってきたのか聞いてみたいな。どこで何をして、何を感じて生きてきたのか。」
「…それだけですか?」
「うん…今はそれくらいしか思いつかないかな。」
「…熊本へ行けば、会えるかもしれません。」
「え?」
「…来週の火曜日、こないだの熊本で起きた地震の復興ライブを現地でするみたいで、そこに行けば会えると思います。」
「復興ライブ…」
「一緒に行きましょう、彰さん。」
「…一緒に来てくれるの?」
「はい、私もお供します。」
「…今から、先生に外出許可もらえるか相談してみるよ、ありがとう。」
「久しぶりだね、めぐ。元気にしてた?」
「うん…」
「あんまり元気ないみたいだけど、ちゃんと食べてるの?」
「うん、食べてるよ、心配いらない。」
「急に連絡くれてびっくりしたけど、嬉しかった。どうかした?」
「うん、あのさ、前に会社の広報してるって言ってたけど…」
「あぁ、辞めちゃったの。今、別の仕事してる。」
「え?…今、何してるの?」
「ふふふ、驚かないでね?」
「何、もったいぶらないでよ。」
「ご縁があって、歌手として、歌ってるよ。」
「…歌手になったの?」
「そう、去年の秋から、本格的に歌手として活動してるよ。」
「…なんて名前で?」
「名前そのまんま。RUMIだよ。」
「そっか…お姉ちゃん、昔から上手だったもんね。」
「そうかな?どっちかって言うとめぐの方が歌うの上手だったよ?」
「そんなことないよ。」
「でも、めぐは聴くことの方が好きだったから、私ばっかり歌ってたってだけだよ。」
「そうだったっけ…」
「話してたら久しぶりに会いたくなっちゃった…そうだ、今度熊本でライブやるからおいでよ!」
「え?」
「震災の復興ライブ。…東日本大震災の時、ボランティアで現地に行ったの。そこで子供たちに童謡の歌を歌ってたら、スカウトされちゃってね。これも何かのご縁だと思って、歌手になったのよ。」
「そうだったんだ…」
「来週の火曜日!平日だから、そんなに人も来ないだろうし、シークレットで特に宣伝もしないから、安心して。」
「わかった。その…お友達も連れてきていいかな?」
「もちろん!」
「ありがとう。」
「じゃ、詳細はまた送るね!」
「うん、忙しいのにありがとね。」
「久しぶりにめぐの声が聴けてよかった。連絡くれてありがとね。じゃまた!」
『奴に知恵を借りてはどうだ。』
「…」
『奴は目覚めた。貸しはたくさんあるだろう、何を躊躇う。』
「…いいんだろうか…清厳が龍だったとはいえ、龍が人間に力を貸してくれなど…」
「既に浾湧が清厳に頼んで祈りを捧げてもらっていたんだろう?それと大差ないさ。」
「祈りは、人間にしか成しえないことだから…今回の事は、こちらで解決すべきじゃないだろうか…」
「何言ってんだよ、人間達のことをどうにかしようとしているんだ、自分達の問題なんだぞ、その人間に加勢してもらって何が悪い。」
「そうは言うが…立場がないじゃないか…」
『くだらん。本懐を見誤るな。』
「…龍王ってのは、俺には身が重いよ。」
「そんなお前だから、勤まるんだ。」
「…わかった、目覚めたばかりで気が引けるが、清厳に会いに行こう。」




