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2943  作者: 平野むら
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33/41

58

2943イメージソング

https://youtu.be/yrc1oGmkcak

「スサノオがこの世で新たな国を築きだしたと?!」

「それはまた…」

「なんという屈辱じゃ!今すぐ追い出してくれるっ!」

「イザナミ様、物は考え様にございます。ここは見逃しておくのがよいかと。」

「何を言う!…おのれ、もうスサノオに寝返ったか!」

「滅相もございません。これまでの災厄がイザナミ様の動きとはまだ誰にも悟られておりません、今の所スサノオ様の仕業と噂立っておるのですから、ここはひとつスサノオ様にこのまま濡れ衣を着てもらいましょう。」

「…どう着せるというのじゃ。」

「せっかくあちらからこちらへ来られたのです、この世で大いに悪事を働いていると天界へ使いを出しましょう。さすれば、イザナミ様はあれもこれも思うがままにできましょう。」

「…とんだ食わせ者じゃな。よい、任せる。」

「有難き御言葉…」


「スサノオ様、よくぞいらっしゃいました。」

「金龍淦澐ではないか。彷徨っているのか。」

「いえ、自分の意思にてこの場に留まっております。」

「して、私に何の用だ。」

「生前の無礼をお許しください。災厄の出元はイザナミ様によるものでございました。」

「母上が…よい、母上のしたことは私が償うまで。」

「スサノオ様…なんと寛大なお心を…この淦澐、イザナミ様の元にてあちらの動きを把握しております。スサノオ様の元へ都度ご報告に伺います。」

「面倒をかける。私はこの新たな国にて、母上のお越しを待っている。」

「お越しになったとして、どうなさるおつもりで?」

「この世から天界に戻られるよう説得するのだ。」

「…」

「言いたい事は分かっている。それでも、私は母上の御心を信じたいのだ。」

「スサノオ様…」

「今まで父上の元で勇ましくあった。これからは母上の元で誠心誠意、働いて母上に私の熱意を示すのだ。」

「…スサノオ様へ、この身を捧げます。」

「頼りにしているぞ、淦澐。」


「龍王様…黄泉の国で彷徨っていらっしゃるのだろうか…」

「…」

『今は自分が龍王であること、忘れるな』

「湠渓…」

『あのジジイの事だ、何か考えがあるのだろう。』

「そうだな、俺たちに何か伝えようとしているのかもしれない。」

「泊渼、スサノオ様が黄泉の国へ行かれたそうだ。」

「えぇ?!こんな時になぜ…」

「知っているのは、黄泉の国で新たな国を造っているということだけだが…」

「国を造る…もう天界へは戻らない気でいるのか?!」

「さぁな。神々の考えることは、いつも理解しがたいものがある。」

「アマテラス様は、スサノオ様をお止めにならなかったということなのか?訳が分からない…」

「俺が知っていることはそれだけだ。さて、どう動く、龍王様。」

「よせよ潢彩…余計に混乱する…」

「人間達の恐怖の念で時空が歪みそうだぞ、泊渼。」

「浾湧…お前は今までどこに居たんだよ。」

「私は人間達を落ち着かせるために、雨を降らせていたのだ。」

「雨降って地固まるってか、どうせ自分の住む島だけになんだろう?」

「それの何が悪い。」

「このような時は、全体を見て動くべきだと言いたいんだ。台風ぐらい起こせんのか。」

「なんだと?!」

「浾湧、落ち着いて!潢彩、どうしたんだ、らしくないぞ!」

「清厳なき今、ただでさえ仕事が立て込んでいるんだ、もっと視野を広くしろと思うのは当然だろう。」

「そうだとしても、浾湧に当たるような言い方はないだろう。台風なら俺が起こす、それでいいな。」

「…」


「随分歩いた…ここまで歩いても帰れないなんて…なんだ、歌声が聴こえる…この声…まさかっ!」


「亜由美、こっちだよ。」

「置いてかないでよ、ママ!」

「歩きスマホなんかするからはぐれるんだ、やめなさいっていつも言っているだろう。」

「…」

「丁度病院へ行くところで、部活帰りに連れて来たんだから、いいじゃないの、ね、パパ。」

「ママは甘やかしすぎなんだよ。」

「着いたよ、亜由美。彰くんのお母さんが先にいらしてるみたいだから、ご挨拶してね。」

「…うん。」

「こんにちは、お邪魔します。」

「あら、皆さんお揃いで、お越しいただいてありがとうございます。」

「こんにちは。」

「こんにちは、今日はお子さんといらしてくれたのね、初めましてかしら?」

「はい、亜由美と申します。」

「まぁ、かわいらしい。この子も、喜んでいると思います。来て下さってありがとう。」

「夏休みで、今日は部活がお昼までだったので連れてきました。」

「果物もあるから、食べてって。ゆっくりしてってくださいね。」

「はい、ありがとうございます。」

「…病院って、ラジオ持ち込んでいいの?」

「このお部屋は個室だからね、いいんだと思う。刺激になればと、おば様はいつもラジオをかけてらっしゃるのよ。」

「そうなんだ。」

「テレビは観れないもんな…」

「うん…」

「あ、この曲好きな曲!」

「知ってるの?…いい曲だね。」

「聴いたことないな…最近の曲は皆同じに聞こえるし、誰かも分からない。」

「…え?」

「なに?どうかしたの、亜由美。」

「おじさんの目が…」

「え?」

「彰っ!」

「彰くんっ!」

「おいっ!彰っ!分かるか?!俺だっ!」

「お、おば様呼んでくるっ!」

「先生も呼んでくれっ!」

「…うんっ!うっ…わかった…っ!」

「こんにちは…どうしたんですか?」

「恵さん!彰が、目を覚ましたんだ!」

「え?!」

「…あなたは 生きていて…お聴きいただいたのは、RUMIで、~いろどり~でした!」

「お姉ちゃん…」

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