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2943イメージソング
https://youtu.be/yrc1oGmkcak
「今日で、十六年経つの?私達も年取る訳だ。」
「彰だけ、あんまし変わんねぇな。」
「本当、あの頃のまま、時が止まってるみたいですね。」
「俺らだけ年食って、色々あったのにな。」
「そうだね、私達の間には亜由美も産まれたし…」
「亜由美ちゃん、今日は学校ですか?」
「部活、頑張ってるみたいで。それにもう中学生になっちゃったから、お友達と居る方が楽しいみたい。」
「お年頃ってやつですね。」
「反抗期はまだやんわりって感じだから、いいんだけどね。」
「もっと反抗してくんなきゃ、俺の反抗期の時なんかひどかったよ。」
「そうなの?そこは将くんに似ないといいなぁ。」
「これからが楽しみですね。」
「うん、女同士で恋バナとかしてる時は、すっごく嬉しくてね、なんかこっちも若返ってきちゃうよ。」
「あいつ、もう恋愛なんてしてんのか?」
「何言ってるの、幼稚園の頃から好きな子いたし、小学生の頃にはお付き合いだってしてたわよ。」
「俺の知らぬ間に…!なんで教えてくれなかったんだよ!」
「だって、亜由美がパパには内緒って言ってくるもんだから…」
「そこは言ってないテイで教えてくんなきゃ…」
「いいじゃないの、今知れたんだし。そういう訳で、お年頃なのよ。」
「お子さんが居るとにぎやかでいいですね。」
「…恵さん、このまま彰待ってても仕方ないよ。今までもいい人居たんじゃないのか?」
「…」
「将くん、ちょっとは恵さんの気持ち考えてよ!」
「…私、彰さんが小さい頃に出会った女性を探していると咲さんから聞いて、子供の頃の記憶を辿ったんです。」
「恵さんは熊本出身なんだもんね。あ、さっきの熊本での地震、御実家大丈夫なの?」
「はい、震源から少し離れた所だったので、なんとか。それでも大きく揺れたみたいです。」
「大変な時に、来てくれてありがとう。」
「…私は生まれも育ちも熊本で、大人になってこっちに引っ越してきたんですけど、子供の頃に姉とよく家の近くの神社に遊びに行ってたんです。そこの神社には川と繋がった小さい池があって、姉は池の淵に座って歌を歌うのが好きでした。もしかしたら、その女性は姉のことなのかもしれないなって…」
「ええっ!?本当?!」
「もしそれが本当に姉だったら、複雑な気持ちですけど…」
「待って、場所とか詳しいことは彰くん何も言ってなかったから…!彰くん!起きて!!」
「あんまり騒がしいと怒られるぞ咲、何興奮してんだ。」
「だって、恵さんが有力情報を!彰くんに確かめなきゃ!」
「確かめるっつったって、彰がこんなんじゃ無理だろう。」
「でも、せっかくそれらしい人が見つかったのに…彰くんが知らないままだなんて…」
「…こいつは、ただ寝てるだけなのか?どこかで彷徨ってるんじゃないのか…?」
「十六年…そろそろ戻ってきてよ、彰くん…」
「…」
「おねぇちゃん、待って!」
「めぐ、早く来てよー。」
「やっと追いついた…もう、なんで置いていくの!」
「違うよ、めぐが遅いだけ。早くしないと他の子達にあそこの場所とられちゃう。」
「まだ誰も居ないよ、よかったね!」
「ほら、めぐ、今日は何歌ってほしい?」
「うんとねー、この木なんの木気になる木!」
「またー?それテレビのコマーシャルの歌じゃん。もー…」
「すきなの!はやく、歌って!」
「このー木なんの木気になる木ー、見たこともーない木ですからー」
私があれ歌って、これ歌ってと言うと、なんでも歌って聴かせてくれていた。
たまに周りに居た子供達も、近くに寄ってきて姉の歌声を聴いていた。
姉の歌声は本当に心地よくて、私も大好きだった。
学校ではいつもお手本にされていたみたいだし、上手い下手とかっていう話ではなく、皆から好かれる歌声だったと思う。
姉が歌っていると、どこからともなく小鳥が寄ってくるような、不思議な歌声の持ち主だった。
姉は今、歌とは関係のない仕事に就いているし、大人になってからは歌を歌うこともなくなった。
最近は会うことも少なくなって、連絡も途絶えているし、今どうしているのかも分からない。
もし彰さんの想い人が姉だったとしたら…私も子供の頃の彰さんに出会っているのかもしれない。
私も無関係ではないのだと思いたい…
「恵さん?どうかしたの?」
「御実家の方が心配なんだろう、今日はそろそろ帰るか。」
「あ、いえ、ちょっと昔の事思い出してて…」
「…ごめんなさい、恵さんの気持ちも考えずに興奮しちゃって。でも、恵さんも子供の頃の彰くんと出会っていたかもしれないね。それだけでも再会しているんだから運命感じちゃうよね。」
「そうですね、もしそうなら嬉しいです。」
「ほら、行こう。」




