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2943イメージソング
https://youtu.be/yrc1oGmkcak
「アマテラス様!」
「白龍泊渼、どうした。」
「ツクヨミ様はどちらにいらっしゃるのですか、ツクヨミ様にご相談が…っ!」
「私では不足か?」
「いえ、その、龍王様亡き後、私が龍王となって幾年経ちますが、状況は変わらぬままです。ツクヨミ様より御助言いただきたく…」
「ならん。ツクヨミには会えぬ。」
「…先刻、清厳が…青龍であった清厳が人間界で生死を彷徨っている状態にあり、黄泉の国で何かあったのではと…」
「人間に肩入れするとは…龍であったとはいえ、すでに人間として生きている。深追いする理由がどこにある。」
「…清厳なくして龍界は成り立ちません。人間になった今でも、清厳は私達の仲間に変わりないのです。」
「して、それがツクヨミとどう関係する。」
「分かりません、ただ、龍界が今お頼りできるのはツクヨミ様だと思ったからです。」
「…兄弟喧嘩に首を突っ込むことになるが、よいか?」
「え…?」
「喧嘩というより、お互いの拒絶ではあるがな…ついて来くるがよい。」
「ここは…天岩戸…」
「ツクヨミはここに居る、ずっとな。」
「え?」
「この岩戸に籠っておったのは私ではなくツクヨミ。」
「…なぜ…」
「ツクヨミとスサノオの喧嘩の末に、ツクヨミはこの岩戸に隠れた。私が入って説得したが、出てはこなかった。」
「ここにツクヨミ様が居られること、皆知っておられるのですか。」
「いや…ここに入ったのは私だけと皆思っている。スサノオとの喧嘩も、私とスサノオの喧嘩と勘違いして皆慌てて私の気を引こうと岩戸の前で騒いでおったが…」
「なんと…そのような経緯があったとは…お二人に何があったのです。」
「我らの父君と母君は知っているな。」
「…イザナギ様とイザナミ様ですか。」
「母君をキッカケに、父君の左目から私は生まれた。右目からはツクヨミ、鼻からはスサノオ…」
「イザナミ様を追って、黄泉の国へイザナギ様が出向かれ、黄泉の国の穢れを清めるために行った禊で、皆さまがお生まれになったのですよね。」
「…生まれて間もなく、ツクヨミは龍産みとなった。父君の産みの力を色濃く受け継いでいたのだ。」
「しかし、スサノオ様はツクヨミ様のお力をご存じないのですよね。」
「…あの頃から勘付いておったのだろう、自分には産みの力が無いことに悲観していたスサノオは、ツクヨミを拒絶するようになった。その拒絶にツクヨミは傷ついて、岩戸に隠れるように天界から姿を消した。」
「岩戸に居る間も、絶えず我々を御産みになっているのですね。」
「あぁ、ツクヨミは真面目なのだ。私と違ってな…」
「あの、先ほど兄弟と仰っていましたが、ツクヨミ様はアマテラス様の妹君ではないのですか?」
「弟だ。双子のな。」
「…そうでしたか…」
「青龍であった清厳は、ツクヨミに心を寄せておったな。」
「我々は、ツクヨミ様は女性神とばかり…」
「神産みの父君が男性神である以上、龍産みのツクヨミもまた男性神であっても何らおかしくはない。」
「はい…」
「父君を敬愛しているスサノオは、父君の能力を継ぐツクヨミを妬むようになった。だが、父君はスサノオをとても頼りにしている。男性神の長として先々を期待している。」
「ツクヨミ様のことは…」
「嘆き悲しんでおられる…本来であれば兄であるツクヨミに任せるところを、ツクヨミの優しさと気弱さを前に任せることが難しいのは明らかだからな。その点スサノオは力強く勇猛果敢。」
「…」
「男性神を横目に、姉とはいえ女性神として統べる者となるのは覚悟がいるものよ。」
「お察しいたします…」
「長話はよい、ツクヨミは中に居る。あとは好きにするがよい。」
「ありがとうございます。」
「…岩戸は開かない、ここから叫びこむしかないな。ツクヨミ様!白龍泊渼にございます!」
「…」
「青龍清厳の魂が黄泉の国で彷徨っておるやもしれません、どうかお力添えいただけませんでしょうか!」
「…」
「あなた様を想うあまり、訳あって、清厳は人間となったのです!どうかお力添えを…っ!」
「…」
『白龍泊渼、そなたの慈悲ある優しさ受け取りました。』
「なんという美しい御声…これが、ツクヨミ様…」
『青龍清厳の事も含め、全て読んでおります。』
「では、どうかお力添え願います!」
『清厳は、黄泉の国で金龍淦澐と…母君の元へ、心配無用です。』
「龍王様と共にイザナミ様の元に…」
『泊渼、そなたが龍王になることも決まっていたのですよ。』
「では、龍王様が命を落とすことも決まっていたというのですか?!」
『全ては滞りなく流れています。何も案ずることはありません。』
「…では、私がこうして騒がずとも、全てうまく事は運ぶのですね?」
『…うまく…』
「…っ、失礼いたしました、ツクヨミ様を前に愚かしいことでした。」
『…信じるのです…そなたの大切な仲間なのでしょう。』
「はい!」
『私は信じていますよ。さぁ、そなたも滞りなく仕事に戻るのです。』
「承知いたしました…ツクヨミ様は、外に出られないので?」
『この場がとても心地よいのです…私の事は、他言無用です。さぁ、そなたも行きなさい。』




