1-3-12
2943イメージソング
https://youtu.be/yrc1oGmkcak
ゴオォオオオオオオ…
「はぁっ…うっぷ、海水飲んじまった…なんだ、この音…えぇっ、竜巻!?」
ヒュオォオォォオオオオオオオオオ…
「こっちに来る…っ!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
「うわぁっ…!え…?波がおさまった…今なら行ける!」
バシャバシャバシャバシャ…
ブロロロロロロロロロロロロロ…
「大丈夫ですかーっ!」
「勢いで竜巻を突破したが、中は波が無いな。」
「はぁっ…!俺の方はいいんで、あっちの子供を!」
ドボン…ッ!
「私につかまって下さい!さぁ、救命胴衣を…っ!」
ザッパーン…ザッパーン…
「ガボ…ッ、おえっ!波が…っ、高い…!あっちは…泊渼がなんとかっ…してくれるだろう…っ!」
バシャバシャバシャ…
「うっ!あ…足が…っ!ガボ…ッ!」
ザザーン…ザザーン…
「竜巻が…あっちの方向にっ!」
「なんでこんな時に竜巻まで…」
「大丈夫です、今、水難救助隊が到着しましたので、追って救助に向かいます!」
「歩美さん、祈りましょう!ここで私たちにできることは祈ることしかできない…っ!」
「どうか…無事に戻って来ますように…っ!」
チッチッチッ…チッ…チッ…
「あれ、止まっちゃった…?この赤い石も、さっきまで光ってたのに…」
「あっ、水上バイクが戻って来た!」
ブロロロロロロロロロロロロロ…
「お二人共無事です!子供の方が低体温で、海水を多く飲んでいる様子…」
「しょうくん!」
「無事だ!あいつは?!」
「まだ戻ってきてない!」
「まだ海に…っ!くそっ!」
バシャン!
「待って!しょうくん!」
バシャバシャッ!
「ダメです!戻っては!私達が居ますから!必ず助けます!」
「うるせぇよ!こうしてる間に流されちまうだろっ!」
ザザーン…ザザーン…
「救助隊も行ってくれてる、ここで待ってよう、しょうくん…っ!」
「遅ぇよ…こんなんじゃあいつ…っ!」
「本田さん…」
ゴボゴボゴボゴボ…
海にのまれた…足がつったのか…?痛みで、身体を安定させられない…っ、息が…
ザッパーン…ザッパーン…
『清厳!』
泊渼…っ!
『なんだこの海流は!私の力でも制御しきれない!』
…まさか…
『清厳!持ちこたえろっ!助けは来ている!』
…もう…ゴボボッ…
ザザザザザザザザザザザ…
「大丈夫ですかー!?おい、あそこに人影が!ボートを近くへ!」
ザザーン…ザザーン…
「あっち!救助隊のボートが帰ってくる!」
ザザザザザザザザザザザ…
「彰っ!」
「離れてください!すぐに病院へ…!」
「おい!彰、彰っ!」
「本田さん…っ!」
「彰くん…っ!」
「…今、彰くんのご両親にも連絡ついて、こっちに来るって…」
「…どんな顔して会えってんだよ…」
「私が、海に行ってみようなんて言ったから…」
「咲が悪いんじゃない、俺がちゃんとあいつの傍に居てやってれば…」
「…すみません、私が行っていれば、誰も危険な目に合わなかったんです…」
「違うよ!歩美さんが浜に居なかったら、私だけで混乱して、何もできなかった。」
「幸い、子供は助けられた…だからって、何で助けに行ったあいつがこんな目に合わなきゃなんねーんだ!」
「しょうくん…」
「一命はとり留めたけど、意識が…戻らないみたいなの…」
「そんな…」
「このままだと、遷延性意識障害、植物状態ですって…」
「うそ…」
「もう、皆さんはお帰りになって下さい。あとの事は、大丈夫ですから…」
「…」
視界がやけに広い…真っ白で…何もない…ここは、どこだ…
「清厳、お前とここで会うとはな。」
「…龍王さま?」
「いかにも。じゃが、もうわしは龍王ではない。」
「…え?」
「まぁ…ただの龍、淦澐に戻ったというわけじゃ。」
「…?」
「人間界はどうじゃ、面白みがあるであろう。」
「そうですね…あんまりよく覚えてないんですが…」
「そうか…まだ、現世に未練があるんじゃな…」
「…未練…」
「お前の意識が強く残っているんじゃ、そうなると記憶は薄れる。より早く、あの世へ行けるからな。」
「はぁ…ここはどこですか?」
「さぁなぁ…あの世とこの世の狭間とでも言うのかのぅ…」
「あの世とこの世…死にそうなんですか、俺。」
「死にたいか?」
「いえ…まだ、死ねない、はず…でも、なぜ…」
「まぁよい、深く考えるな。わしは先へ行くぞ。」
「行くって、どこへ…」
「わしが長年行きたいと願っておった所へな…行くも戻るもお前次第じゃ。」
「…行くって、どこへ…戻るって、どこへ…」
『行くのです、清厳…』
「このお声は…っ、眩しい…っ、なんだ…温かい…」
・・・サァアアアアア・・・




