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2943イメージソング
https://youtu.be/yrc1oGmkcak
「久高島には、沖縄で大切にされている神がいるんだ。」
「あっ、アマミキヨって神様じゃない?昨日ちょうど友達とその話してたの!」
「話が早いな、その神様に今から会いにいこうと思ってね。」
「お前が神様をそんなに知っているようには思えないけどな…ほんと、どうしちゃったんだよお前。」
「お前らが沖縄をもっと満喫できるように調べてみたんだよ。特に咲ちゃんが好きそうな話だろ。」
「えー、嬉しーい!ちょっとしょうくん、彰くんのこと本当に見習って。お願い。」
「なんでそうなるんだよ…ここに来てお前の株ばっかり上がってんなぁ。」
「今回の沖縄挙式は将吾が下調べしたんだろう?なら、変わらないじゃないか。」
「そっか…そうだね!しょうくん、ありがとう!」
「危ない危ない…そんで、どこにその神様は居るんだ?」
「島の北端にあるカベール岬ってとこだ。」
「岬?神社とかそんなところにはないだろう。」
「まぁついて来いよ。」
『アマミキヨ様…いらっしゃるだろうか…』
「わぁ…波の音しか聞こえない…身も心も清めらる感じ…」
「なぁんにもないじゃん。」
「感じろ、神経研ぎ澄ませよ。」
「時間を忘れて居られるね…」
「海自体が穢れを浄化してくれる…ここに神社はなくても海がある。それにアマミキヨって神様は、格式ばった所が苦手でちょっと引っ込み思案らしいんだ。」
『なぜお前がそれを知っている…清厳、お前はお目通りしていないはず…違うのか。』
「え?神様なのに?」
「神様だってそれぞれに性格があるんだ。人間と一緒だよ。」
「そうか?神って尊厳が大事だろう、引っ込み思案って…子供じゃあるまいし。」
『黙れ人間!アマミキヨ様を侮辱する気か!』
「恥ずかしがり屋っていうか優しすぎるんだよ、そして気にしぃなんだ。居るだろ、そーいう繊細な奴。」
「ふぅん…」
『…お前はどこまで知っているんだ、清厳。どうして…』
「俺のばぁちゃんがさ、沖縄で産まれ育って戦争始まってからはお袋と着の身着のまま宮崎に疎開してたんだ。上京して、日本経済が安定しだした頃に俺が産まれた。ばぁちゃんは沖縄の神様をいつも気にしてた。子供の頃、よくアマミキヨ様の話を聞かされたよ。」
「なるほど、そういう訳で色々詳しかったのか。」
「別に詳しいわけでもない。記憶は曖昧だしな。」
「…それで、アマミキヨ様にはどうやったら会えるの?」
「うーん…呼んでみたら来てくれるんじゃないかな。」
『そんな簡単なことではないだろう…ふざけている場合か。』
「おーい、アマミキヨさーん、会いに来たよー。」
「友達かよ。」
「…どうして会いにきたと思う?」
「え?」
「沖縄であった戦争で、神聖な場所がいくつも侵された。復興の為とはいえ、神聖な森の木々までたくさん切り倒されたんだよ。沖縄は未だ傷だらけなんだ。」
「最近まで、日本でも戦争があったんだよね…私は世界ばかりを見ていたから…日本人として恥ずかしいや…」
「でも、日本を想う気持ちはあるだろう?」
「もちろんだよ。」
「でもね、その気持ちは神様になかなか届かない。人間と同じように、神様だって想いを口にしてもらわないと咲ちゃんみたいに拗ねちゃうんだよ。」
「そっかー…それもそうかも。」
「咲ちゃん、今から俺が言うことをそのまま繰り返して言ってくれないか。」
「え、あ、うん!」
「アマミキヨ様、この島をお離しにならないでください、どうか私共の愛を受け取ってください。」
「あまみきよさま、このしまをおはなしにならないでください、どうかわたくしどものあいをうけとってください…」
『清厳…』
『…愛を、また私に愛を注いでくださるのですね…』
『アマミキヨ様…っ!』
「大切な場所を汚してしまったこと、人間の身勝手さをお許しください。」
「たいせつなばしょをけがしてしまったこと、にんげんのみがってさをおゆるしください…」
『アマミキヨ様、どうか人間の愚かさをお許しください!私の力不足でもあるのです!』
『…もう、よいのです…あなた方の苦しみは分かっています…』
『あなた様のお力が必要なのです、もう一度、私と共にこの島をお守りください!』
『私はアマテラスの様に強く或れはしない…』
『いいえ!アマミキヨ様のそのお力あればこそ、この島は存在しているのです!』
『先ほどからうるさいぞ、赤龍浾湧。』
『その声は…シネリキヨ様…っ!』
「…やっとお出ましだな…おい将吾、お前も咲ちゃんの隣に。」
「お、おう…」
『どういうことだ、清厳…お前、アマミキヨ様はおろかシネリキヨ様にお目通りなど…』
『この者が私を呼び起こしたのだ。』
『そんな…どうやって…』
「将吾、今から俺の言うことをそのままそっくり繰り返せ。」
「おう…」
「シネリキヨ様のお力お借りしたく、この者ノロとし、あなた様へ祈り捧げます。」
「しねりきよさまのおちからおかりしたく、このもののろとし、あなたさまへいのりささげます…」
「次は咲ちゃん、続いてね。」
「はいっ!」
「シネリキヨ様のお力添えあってこそ、アマミキヨ様がお力を発揮できるのです。」
「しねりきよさまのおちからぞえあってこそ、あまみきよさまがおちからをはっきできるのです…」
「シネリキヨ様の御心が安らかでありますように、アマミキヨ様の御心が安らかでありますように。」
「しねりきよさまのみこころがやすらかでありますように、あまみきよさまのみこころがやすらかでありますように…」
『ありがとう。その心をもって、またアマミキヨと共に人間を見守ろうと思う。』
『よろしいのですね…ではノロよ、あなた方の心の内を聞かせよ…』
ノロ:祝女。琉球王国時代から続く女性の神官・祭司で、集落の繁栄を求めて神と交信する務めを持つ。




