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前世オタクの私が魔法少女は解釈違い!  作者: 天氷岐 久音
まして主人公ポジとか間違いでしょ?!

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52/55

第52話 試験運用の成果と反響

魔法少女グレイシャル・ムーンの魔法がどれだけすごいか、きっちりかっちり語った。

もちろん、今日がぶっつけ本番じゃないこともね。


事前に境界層で魔法の効果範囲や、どれくらいのバフ効果があるかも検証済だ。

久我原さんから測定機材を借り受け、シャルとキルシュ、それからノワ様と私の四人でアレコレと試したのだ。


―― ほーん、測定機材で魔法効果を測れるように

―― 事前に魔法の効果試験してるのか

―― さり気に情報の爆弾を落としていくチェネステ

―― 初回配信も、ヴァイセの検証配信で意味が分かって激震だったね

―― 無言境界層配信も連続区域ワープというトンデモ技を披露

―― 喋ってないのに情報量が多い配信をするチェネステ

―― それが喋りだしたらご覧のあり様よ


「……そんな感じで、最前線向きではないシャルは、前線から八キロくらいのところで指揮をとっています。前線からそんな距離があいていて意味があるのか? と思う人もいるかもしれませんが、そこは魔法『グレイシャルムーン』の真価を見よ、って感じで。続いてシャルのチームメンバーの紹介です――」


―― シャル?

―― え?

―― 愛称呼び??

―― え、グレイス姐さんが愛称呼びを許した?

―― 待って、待って。冷静でいられない

―― グレイス姐さんのデビュー時からのファンだけど、シャルなんて愛称で呼ばせてる相手、聞いたことないんだけど!

―― チェネステさん?ちょっと手が速すぎませんか?

―― チェネステが勝手に呼んでる説

―― それはない。どんなに長い魔法少女名も、相手が呼び方を指定しない限りフルネームで呼ぶのがチェネステ

―― つまりどういうことなの

―― 説明!説明を求めます!


「――ブラックアイアンサイレン、ミント・スパーク、カナリア・ウィスパー、以上が前線のメンバーです。ブラックアイアンサイレンの鎖縛魔法が、どう変化するかは結構、見どころだと思いますよ。あ、月が出てきましたね」


―― 夜になった!

―― え、境界層に夜とかあるの?

―― グレイス姐さんの魔法。発動からだんだん周囲が暗くなっていって、三十分位で夜になって月が昇り始める。

―― めっちゃ映えるけど、最近は月が出る前に駆除終わっちゃうんだよな

―― はえー。グレイシャル・ムーンファンの兄さん解説感謝


「あ、カナリア・ウィスパーがドローンを上げましたね。見えるでしょうか?」


―― 見えないんだなぁ

―― コメ欄見ろー

―― チェネステ、気付け


「っと、ドローンのカメラをズームしないとですね。ヴァイセから教えてもらったんですけど、スマートウォッチ使うと配信しながらドローンカメラの操作がしやすいんですよ。ちゃんと練習してきました!」


―― やっぱ、ヴァイチェネしか勝たんでしょ

―― なんか今

―― 地面と思ってたら一瞬、手が見え

―― 光学迷彩?!

―― あ、あ、ズームしないで

―― ひいて、カメラひいて!

―― さすチェネ、我々を弄ぶ


「これくらいで見えるかな? モニターモードで……映ってるね」


―― 独り言ありがとうございます

―― ズーム距離けっこう長かった件

―― え、チェネステどういう視力

―― 二キロくらい離れてる?

―― ズームし始める直前、狙撃銃みたいなの見えたから、スコープで見てるのでは?

―― チェネステの武器は斧槍だろ

―― スタホワ同一人物説派の勝利?

―― 魔法少女って武器変えられるの?聞いたことないけど

―― あ、確かに灰色のドローンっぽいの飛んでる

―― 情報量が!多すぎるんよ!


丘の上から見下ろす形だから、三人の魔法少女の配置がよく見えるね。よしよし。


「いま、画面右側あたりに、ブラックアイアンサイレン、ミント・スパーク、カナリア・ウィスパーの三人が、ちょうど三角形に布陣しています。その向いている先、画面左側の丘の向こうに、やや大きめの瘴気溜まりが二つできてます。そこで発生する隔獣の駆除が今回の目的ですので、あと――」


念入りに丘の向こうを感知。瘴気の濃さから、三十分以内には発生しそう。二体ほぼ同時くらいかな。濃度的には三体目が出る可能性もある。


―― ドローンは五機、っぽいな

―― なんのドローンだろ

―― ヴァイセがテストしてた哨戒ドローンかな

―― 形が違う二種類が飛んでる

―― 解説たのむ!たのむ!


「だいたい三十分以内にポーン級が二体から三体くらい湧きますね。ちょっと時間もありますし、状況を監視しつつ……」


―― っていうか、事務所跨いだ合同チームは珍しくね?

―― だよね、誰も触れないから

―― サイレンはアヴァロン設立時に移籍してきたベテランだよな

―― サイレンネキはチェネステアンチ過激派

―― ミントはきゅーぶ、カナリアはファーストナイトだな

―― サイレンとカナリアは、グレイス姐さんより先輩だよね?

―― 自分のアンチでも熱く語り倒すチェネステさん魔法少女オタクすぎる


「あ、コメント欄……」


―― !?

―― 気づいた、だと?

―― 解説!いろいろ解説!


ひゃー。コメント量すごい。

え、これ、自動ピックアップしてこの量?

ひえええ。

とりあえず感知切らさないようにしつつ、目についたのから答えてかないとだ。


「ええと、ドローンは哨戒用と偵察用です。哨戒用は設定した範囲内を周回し、隔獣の反応を探知したらアラートを発してくれます。偵察用はオート、マニュアルどちらにも対応してますね。ドローンはルミナ反応をほとんど出さないので、隔獣を刺激することなく哨戒、偵察ができるメリットは大きいです」


―― チェネステがコメントに反応した?!

―― ばかな

―― 放置からのご褒美、たまらん

―― 解説ありがとうございます!


こ、コメント欄の流れが速い……!


焦らず、落ち着いていこう。

改めて、見る側と配信する側とでは大違いなことを実感する。


光学迷彩は、うん、オタクはそういうの好きだよね! わかるわかる。


狙撃銃も気になるよね!

なんでレシーバーやストックが白地にピンク模様なのか? それは私も分からない。

バトルドレスが白とピンクだからなのか?


「次は……あ、シャル呼びは、この前の円卓会合の後、ちょっと二人で内緒話した時にシャルでいいと言われたので。勝手に呼んでるわけじゃないです」


―― さらっと爆弾落とすのやめて!

―― ふたりきりで?!

―― 内緒話をして?!

―― 愛称呼びを許されるような状況に?!

―― 緩急を加減しろ緩急を

―― さっきまでグレイス姐さん言ってたグレイシャルファンたち、息してるか?

―― 脳が壊れりゅ

―― 手遅れだったか……


「おおう、コメントが加速した。シャル、愛されてるじゃないですか。あ、ほらほら、画面に注目して。もしくは前線メンバーの配信見てください。隔獣の湧き狩りですよ」


―― なんか、MMOの配信見てる気分になってきた

―― お、前線組が前に出た

―― ドローンが一機、飛んでいった

―― うお?!

―― サイレンネキの鎖でっか?!

―― え? いや、え?

―― 丘の向こうから顔出した熊型が拘束ってか、バカでか鎖にえぐられて半分になってる


うわー。魔法グレイシャルムーンのバフ効果すごいな。あ、ミント・スパークの落雷でとどめが入った。

狼型二体が左右に回り込んだけど、カナリア・ウィスパーがしっかり把握してるね。


カナリア・ウィスパーの魔法でかく乱されて動きが鈍ったところに、ブラックアイアンサイレンの鎖とミント・スパークの雷で、二体をそれぞれを拘束、撃破。

うん、ポーン級三体瞬殺だね、上々!


―― これ、前半で語ってたグレイシャルムーンの効果か

―― おすすめ通りに多窓してるけど三人ともポカンとしてて、草

―― 俺らも何を見せられたのかわからんからな

―― チーム組むだけで、ここまで変わるのか

―― ちゃんとシナジーあるチームだからこそだな

―― 月が昇ったら勝ち確演出か

―― グレイス姐さんのファンやってて良かった

―― ソロ狩りの時代は終わった

―― 妖精鈴:マネがスマホ握ってどこかにすっ飛んでった

―― ティンカーさん、ちっすちっす

―― 魔法少女も見てるんか

―― 妖精鈴:魔法少女こそ、チェネステ配信は必見だよー

―― これは、流れ変わるな


よしよし。

コメントの反応もいい感じだ。


「あ、プリズム・ティンカーさん、いらっしゃい。今日はあともう一組、見に行きますよ!」


―― もう、一組???

―― おかわりが、あるだと

―― もうお腹いっぱいなんですが

―― 少しは加減しろぉ!!!


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