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「是が非でもクソどもを殺せっ!」
真っ赤に燃え盛る屋敷を前にしてケレントは怒声を張り上げた。何が何でもフレイヴたちを殺す気――いや、それ以上だった。
「爆風に巻き込まれたからなんだ!? お前らは私の駒だ! 休憩をしていられないのだから、さっさと動かないかっ!」
爆発に巻き込まれた者、そうでない者もケレントの命令には逆らえない。竦む足に鞭を打ち、悠然と佇む二人を殺さねば。動く兵士たち。それを涼しい表情でオルチェはこの屋敷の地下倉庫に保管されていた射撃砲を担ぐ。これがどういう意味を成すかなんて――勘が鋭いやつならわかるよな?
――さあさあ、死にたくねぇやつは逃げ腰を見せろ。その場で涙と鼻水を垂れ流すのも悪くはない。結果、俺の目の前に姿を見せたお前らが悪い。ここで生きているお前らが悪い。
一人の軍人が足元に何か引っかかったときだった。またしても、ケレントの屋敷の敷地内で爆発が起こった。どうやら、仕掛けはまだまだあるようだ。まさかとは思うが、家にあった燃料を利用して!? 自分の家の地下倉庫に武器を所持していたことは覚えている。そこには大爆発を起こすことが可能なほどの大量の燃料だって眠っているのだ。
「いやぁ、バックヴォーン様々ってところだよな? 俺のこと覚えているか? お前のおかげで拳銃を手に入れたオルチェ様だよ」
「新王国の戦友軍!?」
「ははぁ、覚えてくれていて何より。だけれども、俺よりも俺のご主人様の方が怒りが大きいんだってこと理解した方がいいぜ」
オルチェの言葉にフレイヴが身構えた途端に、上の方から攻撃が降りかかってきた。見えていないというわけではない。動きは粗方読めていた。下でのトラップに引っかかるならば、上から行けばいい。そういう考えを持つやつは機動力が高いことも存じよう。
「へえ!?」
意外だ、というような眼差しをフレイヴに向けるのはケレントの手下で一番厄介そうなウルバとウルノ兄妹である。それ以前にも、彼らがここに来るということぐらいも読める。
「人はすぐに変わることができないってことは知っているよな?」
リーチの短い双剣を二人に対して向けてくるウルバがそう言ってくる。これにオルチェが「そんなことはない」と鼻で笑った。
「変わろうと思えばできる。できないやつは変わろうとしないから。要は今の自分が可愛いと思っているのさ」
「だったら、お前はどうなんだって話っ!」
別に話し合いをする気にはなれない。だからこそ、誰もが動き出す。それぞれの目的を完遂するために。




