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フレイヴに何ですかそれはと言われて、説明をしようと思っていたのだが――。残念なことに工場員が近付いてきてしまった。ここは危険だ。一旦、安全な場所に隠れるか作戦を実行しよう。オルチェは「あとで詳しく教えてやるよ」と言うと、とある場所へと案内した。
ある場所へと案内され、やって来たのは倉庫だった。ここに人の気はないようだ。それだからなのか、オルチェはずけずけと中に入り込む。逆に思う、よくもそんなに自由にしていられるな、と。そうしていると、彼は自身の拳銃を取り出した。
「俺のこの武器はこの独立の国で輸入した」
「そうなんですか?」
「おう、新王国は作りたくても作れないからな。まあ、バックヴォーン様々ってことで手に入れた」
どうやら、その拳銃はケレントを経由して手に入れたようだ。それもそうだろう。引き金を引くだけで高速の弾が相手の体を吹き飛ばすのだから。誰だって欲しいに決まっている。
「どうして、新王国は作れないんですか?」
「簡単に言うと、こいつとかさっき言った射撃砲の餌は独立の国でしか作れないのさ」
「なんだか、生き物みたいなことを言いますね」
それらはただの武器だろうに。ましてや、武器が餌を食べるだなんて。そんなことにフレイヴは小さく笑う。このような場所で笑っている暇なんてないのに。
「ままっ、餌って言うのはおかしいわな。俺が言いたいのはあれだ。こいつが弾を発射するときに使う燃料がこの国でしか作れないってことだ」
そう聞いて「へえ」と思わず口にした。それならば、納得がいく話だからだ。だとしても、どうして独立の国でしか作られないのだろうか。なんて疑問に思っていると、それはオルチェが解消してくれた。
「その燃料が島自治区でしか取れない液体と海底の砂を混ぜ合わせた物だからな」
「えっ、島自治区って……」
もしかして、と思った。そのもしかしてにフレイヴが訝しげにしていると、オルチェは「そうだよ」と半笑い。
「立ち入り制限がかかっている島自治区。宗教の聖地だからとか、それはただの建前に過ぎない。本当は新王国の連中にこのことを取られたくない、知られたくないからだよ」
「取られたくないって。なんか、その言い方は独立の国が新王国に戦争でも仕掛けるような……」
――それ以外に何が考えられる?
なぜだかオルチェの目がそう物語っているような気がした。思わずフレイヴは物事を口に出そうとしても無言状態。おかしい、矛盾しているはずなのに。戦争は締結したはず。ナズーという存在によって。相手国の脅威よりも、未知の存在の脅威の方が遥かに厄介だったから。それだから、両国の国民同士が結託した組織である戦友軍も創設されたのに。
「俺だって、つい最近気付いたことだ」
そう言うと「ここからは俺の憶測になる」そう、どこかで見たことのある封書を取り出した。ああ、これは理性を保った状態のナズーに関する重要機密の文書か。
「新王国の上の連中しか知らないことなのに、それを新王国軍に成りすましたバックヴォーンの部下が持っていた。下手に考えれば、バックヴォーンはそれを知っている。ということは、独立の国の政府にこれをリークした可能性だってあるんだ」
――わかるか?
「正直言って、戦争をしている場合じゃないってのにな。でも、この国は新王国が独立の国に対して何かしらの戦いを挑んでくると思っているんだろうよ」
――だからこそ、独立の国は戦争の準備を首都である入り組んだ都市でやっているのさ。いつでも攻撃、迎撃できるようにな。




