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逃げようが、攻撃を与えようが、一向に終わりが見えない戦い。もしかして、相手をするべきじゃないレベルの相手だったのかもしれない。そう嘆いても遅いに尽きる。
――この局面をどうする?
巨大なナズー相手に体術と拳銃一丁。しかも、弾は残り四発。これだけでは敵わない。慣れない四足歩行では避けることに精いっぱい。戦い慣れていないならば、避けることすらもあまり慣れていない模様。
フレイヴはすれすれのところでカムラに助けてもらっていた。彼は未だ大口ナズーに攻撃を与えられていない。そこまでにおいて、このナズーと戦うことは厳しいのだろうか。元調査員ナズーがこちらに攻撃を仕掛けてこないのがあやしい半面、安心はしている。このでかい口野郎に集中できるから。それでもやりづらいのは事実。誰もが攻撃というものにためらいがあるのは、大口ナズーの一つの口がアルフレッドだから。この戦い、言わば、味方を殺すようなものだった。
望んでもいない結果がそこにある。もしも、アルフレッドならば「殺してくれ」とでも言うかもしれない。しかし、それを一言も発してはいない。しいていうならば「あ」だ。何をすることもなく、真上から食われてしまったのだから。どういう思いでそこにいるのか。いや、もうナズーになってしまったから言えないだろうし、訊けないだろう。どちらかというならば、小さな男の子の意思が強く見える。アルフレッドがそこにいるというのを忘れさせてくれるように。そうだとしても、彼が飲まれた事実がある。それは忘れてはならない。だから、今現在のフレイヴたちにできることはとにかく逃げること。できないとは言えない。できないならば、ここでナズーになってくたばるしかないのだから。ああはなりたくない。その一心で三人が――そのときだった。
「ウルノ!」
「はいはぁい、ウルバ!」
三人と大口ナズーの間に入るようにして二人の人物が割って入ってきた。彼らは両手にリーチの短い双剣を握っている。あの武器はっ!?
「ズバズバっとお仕事しちゃおう!」
「真面目になっ」
素早い手付き、慣れた手付き。二人の男女はそれをぶった切ってしまった。これにより、強烈な攻撃を受けたナズーは参るようにして地面に倒れ込み――フレイヴが消失の町で見たときと同様に消えてしまう。呆気ない終わりに元調査員ナズーは敵わないとでも思ったのだろう。この場から逃走してしまう。
「あっ、こらぁ!」
女が追いかけようとは知ろうとするが、足を止めた。その代わり、フレイヴたち三人を見る。もちろん、男の方も。そんな彼らを見て三人は驚愕する。彼らは新王国軍の軍服を着た軍人だったのだから。




