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世界は心を孤独にするほど俺たちを嫌う  作者: 池田 ヒロ
◆第十一章 新王国軍とナズー◆
120/263

120ページ

 新王国の首都『秘匿の都市』。ここは王国の中でも一番大きな都市である。商業、軍事、政治などの中枢都市でもあり、そこで大金持ちになろうとするお上りさんが集まってくるような場所なのだ。実際に田舎育ちのフレイヴは独立の国の首都で見た摩天楼とは少し違った高い建物を見上げて圧倒されていた。一方でオルチェとアルフレッドは来たことがあるのか、フレイヴのようにして口を開けてはいない。冷静、その一言。流石は大人の対応だ、というのは何か違う気がするが、まあいいか。


「やっぱり、都市部は建物大きいし、人がごった返していますね」


 ようやくと言っていいほどフレイヴは声を上げるのだった。そんな言葉に反応するかのようにしてオルチェは「当たり前だろ」と苦笑い。


「お前、バックヴォーンに会いに行ったんじゃないのか? ほら、七番街」


「確かに七番街も建物がたくさん建ち並んでいましたけれども。人はそこまで多くなかったですよ。どちらかというと、沈黙の町っていう名前が似合っていそうですよね」


「ああ、七番街は裏社会の巣窟みたいなことを聞いたことがあるな。しかし、お前らよく生き延びれたよな」


 他人事のように言うオルチェに本の姿であるカムラは何か言いたげなのか、ページを開きたがっていた。それに気付いたフレイヴはそっと本を開いてあげると――。


『下僕に言われたかないんだよ。誰だよ、天使物語を調べてこいと言っていたアホは。誰だよ、書物か何かで教えてくれたら手っ取り早いことをせずして、まどろっこしいことをさせやがったクソは。』


 罵倒の嵐。しかし、オルチェは耳の穴に小指を突っ込んで、だから? というような仕草を見せる。


「ンだよ、お前らに協力してやっている元敵様に向かってよ」


 またしても喧騒が始まるか、とフレイヴとアルフレッドが眉根を寄せていたが――平行線上に埒が明かないけんかをしても無意味だと学習はしているらしい。カムラは言いたいことを言えてすっきりしているようだった。それだからこそ、話題をさっさと変えていく。


『それで、どうやって軍に話を訊くの? フレイヴもおっさんもお尋ね者なんだけど?』


 正直言って、この町に留まっていることすら危険だ、と誰もが思っている。そこかしこに巡回警備をしている軍人がいるのは確か。一応は無精ひげに服装、髪形を変えて変装しているアルフレッドはこれだけでやり過ごせるとは思っていなかったからだ。その質問にオルチェは「考えがある」と列車内で見つけたダミーカムラ本を取り出した。


「フレイヴとおじさんはこれでバックヴォーンの追っ手がここに来ているかもしれないから、そっちの調査。そして、俺とこいつで軍から直接訊き出す」


 どうやら二手に分かれてやることをやる、ということだった。

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