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第45話 料理大会に殴り込み!? 最強料理人レオン、まさかの大ピンチ!

「料理大会じゃと!?」

町の掲示板を見たゴウエンが、大声を上げた。

そこには大きな文字で書かれていた。

『年に一度の大料理祭! 優勝者には金貨百枚!』

「金貨百枚……!」

ゴウエンの目が輝く。

「レオン! 出場じゃ! 優勝して金貨を手に入れるぞ!」

「賞金目当てかよ」

レオンは苦笑した。

「料理大会か。面白そうだな。せっかくだし、腕試しに出てみるか」

「おお! さすがレオン!」

ヒカルも嬉しそうに手を挙げる。

「ぼくも応援する!」

「わたしも!」

プリンがぴょんぴょん跳ねた。

その横でイグニスが腕を組む。

「ふん。料理大会など、レオンが出るまでもない。俺が出れば優勝は確実だ」

「お前、料理できるのか?」

レオンが尋ねる。

「……火なら出せる」

「それは料理じゃなくて火災だろ」

「何だと!?」

ゴウエンが腹を抱えて笑った。

「よし! イグニスも出場じゃ! 竜の料理を見せてやれ!」

「誰が出ると言った!」

「優勝賞金は金貨百枚じゃぞ!」

「……少し考えてやる」

「金貨に弱い竜だな」

レオンは呆れた。

大会会場は町の広場に設けられていた。

大きな調理台が並び、料理人たちが腕を競い合っている。

会場には肉や野菜、香辛料の香りが漂っていた。

「おお! すごい人だな!」

ヒカルが目を輝かせる。

「見て! あっちに大きなお肉があるよ!」

プリンも興奮している。

「プリンちゃん、あれは大会の食材じゃ。勝手に食べてはいかんぞ」

ゴウエンはそう言いながら、こっそり肉の塊を眺めていた。

「じいちゃんも食べたいんでしょ?」

「な、何を言う! わしは審査員の気持ちになって確認しておるだけじゃ!」

「まだ審査も始まってないぞ」

イグニスが突っ込んだ。

そのとき、受付係がレオンに声をかけた。

「出場者の方ですね。得意料理は何ですか?」

「中華料理です」

「中華料理?」

受付係は首を傾げた。

「この町では珍しい料理ですね。楽しみにしています」

レオンは調理台に案内された。

大会の課題は、地元の食材を使った自由料理。

レオンは食材を見渡し、豚肉、野菜、キノコ、卵を選んだ。

「よし。今日はこれで勝負だ」

「何を作るんだ?」

イグニスが尋ねる。

「豚肉と野菜の中華あんかけ。それに、ふわふわの卵スープを添える」

「ふむ。うまそうだな」

「お前、まだ食べてないだろ」

一方、イグニスの調理台では大変なことが起きていた。

「火加減はこれくらいか?」

ゴオオオオッ!

炎が強すぎて、鍋が真っ赤になっている。

「イグニス! 火が強すぎる!」

「問題ない! 竜の炎だぞ!」

「問題だらけだ!」

鍋から煙が上がる。

「ぎゃあああ! 焦げているぞ!」

ゴウエンが叫んだ。

「黙れ! 今、最高の料理を作っている!」

「それ、料理じゃなくて炭じゃないか?」

レオンは自分の調理を続けながら呆れた。

やがて、会場に香ばしい音が響き始めた。

ジュワッ!

レオンは豚肉を炒め、野菜を加える。

強火で手早く炒め、合わせた調味料とスープを注ぐ。

水溶き片栗粉でとろみをつけると、具材に艶やかなあんが絡んだ。

「おお……いい香り!」

ヒカルが思わず声を上げる。

「最後にごま油を少し。香りが立つんだ」

レオンは卵スープも仕上げた。

沸かしたスープに溶き卵を細く流し入れ、ふわりと固まったところで火を止める。

「できた!」

その瞬間、会場に鐘が鳴った。

「料理完成! 審査を始めます!」

審査員たちが料理を見て回る。

レオンの料理を口にした審査員は、目を見開いた。

「これは……! 野菜の歯ごたえが残っている!」

「肉も柔らかい。甘辛い味付けに、とろみがよく合っている!」

「この卵スープも優しい味だ!」

レオンは笑顔で頭を下げた。

そのときだった。

「待ったあああ!」

突然、ゴウエンが飛び出してきた。

「わしにも味見をさせろ!」

「お前は審査員じゃない!」

レオンが叫ぶ。

しかし、ゴウエンはすでに料理へ手を伸ばしていた。

「うまい! これは金貨百枚の味じゃ!」

「まだ結果が出てないだろ!」

会場は大爆笑。

その横では、イグニスが自分の料理を審査員に差し出していた。

真っ黒な鍋の中には、何やら黒い塊が入っている。

審査員は一口食べようとして、手を止めた。

「……これは何ですか?」

「竜の炎で仕上げた特製料理だ」

「料理名は?」

「黒竜の怒りだ」

「食べ物の名前じゃない!」

レオンが思わず叫んだ。

会場に笑い声が広がる。

しかし、その直後。

審査員の一人が突然、顔色を変えた。

「うっ……!」

持っていた皿を落とし、その場に倒れ込んだ。

「おい! どうした!?」

レオンが駆け寄る。

審査員の口元には、料理に使われた赤いソースが付いていた。

ヒカルがそのソースを見つめる。

「レオン……これ、変だよ」

「どうした?」

「黒い線が見える……。この料理に、何かが混ざってる!」

レオンの表情が変わった。

楽しいはずの料理大会が、一瞬で騒然となる。

そして会場の隅では、黒い帽子をかぶった男が、静かにその様子を眺めていた。

「ふふ……。料理人よ。お前の腕前、少し試させてもらおうか」

男の手には、小さな黒い瓶が握られていた。

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