第44話 ヒカルの瞳が大覚醒!? 森に眠る秘密の扉!
「ヒカルの瞳と同じ紋章……?」
レオンは、石碑に浮かび上がった印をじっと見つめた。
その紋章は、ヒカルの瞳に浮かぶ光とそっくりだった。
「これって、ぼくと関係あるの?」
ヒカルが不安そうに尋ねる。
「ああ。きっとな。でも、無理に思い出そうとしなくていい。少しずつ調べていこう」
レオンが優しく答えると、ヒカルはうなずいた。
その横でゴウエンが腕を組む。
「ふむ。つまりヒカルは、ただのかわいい子供ではないということじゃな!」
「じいちゃん、ぼくは普通の子供だよ」
「いやいや! 普通の子供は石碑を光らせたりせん!」
「じいちゃんだって、石を積んで全部倒したよ」
「それは関係ないじゃろ!」
イグニスが鼻で笑った。
「お前の場合は、ただ不器用なだけだ」
「お前は黙っておれ!」
そのとき、石碑が突然まばゆい光を放った。
ゴゴゴゴゴ……!
地面が揺れ、石碑の後ろに隠されていた岩壁が左右に開いていく。
そこには、地下へ続く階段が現れた。
「おおっ! 隠し通路じゃ!」
ゴウエンの目が輝く。
「宝か!? 金か!? まさか食堂か!?」
「最後の期待は何なんだよ……」
レオンは呆れながら階段をのぞき込んだ。
「かなり古そうだな。気をつけて進もう」
ヒカルが一歩前に出た。
「ぼく、下から光を感じるよ」
「分かった。でも、俺のそばを離れるなよ」
「うん!」
一行は階段を下りていった。
地下の空間には、壁一面に不思議な絵が描かれていた。
そこには、金色の光を放つ人々と、巨大な竜。そして、中央には小さな子供が描かれている。
「この子供……ヒカルに似ているな」
レオンがつぶやく。
ヒカルは壁画に近づいた。
「この人たち、ぼくのことを知っているのかな……」
そのとき、壁画の子供の瞳が金色に輝いた。
「うわっ!」
ヒカルの瞳も同じように光り始める。
すると、壁画から声が響いた。
『光の子よ。ついに帰ってきたか』
「帰ってきた……?」
ヒカルが戸惑う。
『お前の力は、封じられた記憶を開く鍵。だが、その力を狙う者がいる』
その瞬間、背後から黒い霧が押し寄せてきた。
「またお前か!」
イグニスが炎を放つ。
しかし、黒い霧は炎を包み込み、巨大な黒い獣の姿へと変わった。
「グオオオオッ!」
「何じゃ、あの化け物は!」
ゴウエンが構える。
「じいさん、下がってろ!」
イグニスが前に出る。
黒い獣は鋭い爪を振り下ろした。
ドンッ!
イグニスが受け止めるが、床に大きな亀裂が走る。
「こいつ、かなり重いぞ!」
レオンは獣の動きを観察した。
「ヒカル! 黒い線は見えるか?」
「うん! 胸のところに、金色の線がある!」
「よし! そこが弱点だ!」
レオンが獣の前へ飛び出す。
太極拳の動きで爪を受け流し、体勢を崩した。
「イグニス、今だ!」
「分かっている!」
イグニスの炎が獣の胸を直撃する。
しかし、獣は倒れない。
そのとき、ヒカルの瞳がさらに強く輝いた。
「そこじゃない! もっと奥!」
「何だと?」
「黒い線の奥に、小さな光がある!」
ヒカルが手を伸ばす。
すると、ヒカルの瞳から金色の光が放たれた。
その光は獣の胸を貫き、黒い霧を一気に吹き飛ばした。
「グオオオ……!」
獣は苦しむようにうなり、やがて消えていった。
静けさが戻る。
「ヒカル……今の力は?」
レオンが尋ねる。
「分からない。でも、みんなを守りたいって思ったら、光ったんだ」
ゴウエンがヒカルの頭を撫でた。
「よくやったぞ! 立派なお兄ちゃんじゃ!」
「えへへ」
「わしも負けておれん! 次はわしが大活躍じゃ!」
「さっき何もしてなかっただろ」
イグニスの一言に、ゴウエンは胸を張った。
「わしは精神的に応援しておった!」
「それを役に立ったとは言わない」
レオンは笑いながら、壁画の奥にある扉を見つけた。
扉には三つのくぼみがある。
一つはレオンの紋章。
一つはヒカルの瞳。
そしてもう一つは、プリンの角と同じ形だった。
「三つの光がそろわないと開かないのか……」
レオンがつぶやく。
そのとき、扉の向こうから声が聞こえた。
『黄金の守護者を連れてこい』
ゴウエンの顔から笑みが消えた。
「……プリンちゃんを狙っておるのか」
イグニスが低くうなった。
「どうやら、敵は俺たちが思っている以上に、この場所の秘密を知っているらしい」
レオンは扉を見つめた。
「次の満月まで、時間がない。プリンの力も、ヒカルの記憶も、何としても守らないとな」
そのころ、遠く離れた暗い場所。
黒いローブの人物が水晶を見つめていた。
水晶には、地下遺跡にいるレオンたちの姿が映っている。
『光の子が目覚めたか……。ならば、次は黄金の守護者だ』
黒い人物は不気味に笑った。
『真の名を取り戻す前に、必ず手に入れる』
水晶の中で、プリンの姿が黒い光に包まれた。




