第47章 ⑤
数日後。
サラと町へ来た。
この前、ダンに町へ行こうと誘われた時、
「町なら、おばさんと行くよ」
と言っていた。
糸を買いに行く約束をしていたらしい。
私は日にちまで決めた覚えはない。
でも、赤い糸が少なくなっていたので、ちょうどいい。
ニコは仕事。
ルークも依頼。
イナは留守番。
連れていくと面倒だから。
商会傘下の糸を扱う店へ入る。
前にも何度か来た店だ。
サラはすぐに色の並んだ棚へ行った。
「赤」
迷わない。
「やっぱり赤?」
「うん」
知っていた。
赤にも色々ある。
明るい赤。
少し暗い赤。
橙に近い赤。
サラは並べて見ている。
「これ」
選んだのは、いつも使っているものより少し深い赤だった。
「それでいいの?」
「うん」
店の人に必要な量を頼む。
私は自分の分を見る。
細い糸が欲しい。
今作っているものには、前より少し細い方が合いそうだ。
白。
生成り。
薄い黄色。
迷う。
「おばさん」
「何?」
「これも買っていい?」
サラが糸を持っていた。
「いいよ」
見る。
オレンジ。
「赤は?」
「買うよ」
「それも?」
「うん」
「何作るの?」
「まだ決めてない」
決めてないのに買うらしい。
まあ、ある。
糸はあると欲しくなる。
分かる。
「好きにしな」
「うん」
私はまた自分の糸を見る。
白にするか。
生成りにするか。
白は汚れが目立つ。
でも綺麗。
悩む。
「おばさん」
また呼ばれた。
「何?」
「これも」
今度は紺色だった。
「増えてない?」
「増えた」
見れば分かる。
「赤とオレンジと紺?」
「うん」
「そんなに使う?」
「使うよ」
何に。
聞こうと思ったけど、やめた。
サラは色々作る。
紐も作る。
飾りも作る。
そのうち使うだろう。
「じゃあ持ってきな」
「うん」
嬉しそうに三色を抱える。
赤。
オレンジ。
紺。
どこかで見た組み合わせな気がする。
何だったか。
まあいい。
私は生成りの糸を選んだ。
会計を済ませて店を出る。
サラが袋の中を見る。
「いっぱい買った」
「三色で?」
「三色も」
そういう数え方もある。
「帰ったら作るの?」
「うん」
「何を?」
「まだ内緒」
「さっき決めてないって言わなかった?」
サラが止まった。
「今決めた」
「そう」
ならいい。
町へ来たついでに、他の買い物もする。
塩。
油。
カルト芋。
カルト芋は少し多め。
「もう少し買おう」
サラが言った。
「こんなに食べる?」
「ニコ、好きだから」
「そうだね」
二つ増やす。
サラも食べる。
ルークも食べる。
私も食べる。
イナも狙う。
多分なくなる。
帰り道。
サラは糸の入った袋を自分で持っていた。
時々、中を見る。
そんなに嬉しいのだろうか。
「落とさないでよ」
「落とさないよ」
「紺も?」
「全部」
ならいい。
何を作るのか知らないけど。
出来たら見せてもらおう。




