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神々のいない食卓~日本の消えた異世界で、料理好きの俺は和食を作る~  作者: ちゃむたろう
第二章 料理が村を変える

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第15話 妹は俺より魔法の才能があるかもしれない

「おにーちゃん!」


朝。


リナの悲鳴で目が覚めた。


飛び起きる。


「どうした!?」


「おみず!」


リナが指差す。


宙に水の玉が浮いていた。


「…………」


三秒ほど考える。


「誰がやった?」


「リナ!」


胸を張る。


俺は頭を抱えた。


「三歳で魔法って使えるの?」


普通は五歳前後。


早い子でも四歳。


それが三歳。


母さんも父さんも驚いている。


だが俺が気になったのは別のことだった。


「もう一回やって」


「うん!」


リナが両手を前へ。


「おみず!」


ぽこん。


水球。


詠唱でも何でもない。


しかも。


「リナ、それ動かせる?」


「こう?」


水球が横に動く。


「小さくできる?」


小さくなる。


「霧にできる?」


「きり?」


説明する。


すると。


ふわっ。


水球が細かな水滴になった。


俺は固まった。


なんだこの制御力。


俺が七歳まで練習して身につけたことを、三歳児が感覚でやっている。


「天才じゃん」


「てんさい!」


また意味分かってない。


午後。


エルナに見てもらった。


彼女はリナの手を握り、魔力を調べる。


表情が変わった。


「これは……」


「すごい?」


「すごいというより、おかしいです」


またそれか。


「普通の魔力と違う?」


「少し」


エルナは迷ってから言った。


「レンの料理を食べた人にも同じ変化があります。でもリナは特に強い」


「何が違うの?」


「魔力の流れが……外へ向かっていない」


意味が分からない。


「普通、魔法は自分の魔力で世界へ命令するようなものです」


火を出せ。


水を出せ。


風を起こせ。


「でもリナは違う。世界の方が、この子のお願いを聞いているような……」


俺はリナを見る。


本人はエルナの髪を触って遊んでいる。


「料理のせい?」


「分かりません」


エルナが首を振る。


その夜。


俺はリナと二人で水魔法の練習をした。


「水を出すんじゃなくて、鍋の中の水を動かしてみよう」


「うん!」


ぐるぐる。


鍋の水が渦を巻く。


「おお!」


これ、撹拌に使える。


「もっと速く!」


「えい!」


水が高速回転。


俺の目が輝く。


泡立て器代わりになるんじゃ?


「リナ! すごいぞ!」


「ほんと!?」


「天才!」


「てんさい!」


妹を抱き上げる。


笑うリナ。


でも。


ふと不安になった。


もし。


俺の料理が本当にリナを変えているなら。


このまま食べさせ続けて大丈夫なのか?


そんな俺の顔を見て、リナが首を傾げる。


「おにーちゃん?」


「ん?」


「リナ、おにーちゃんのごはん、だいすき」


胸に刺さった。


止められるわけがない。


だから。


俺が調べるしかない。


料理と魔力。


日本。


神々。


全部。


守りたいものがあるなら。


知らないままではいられない。

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