作者:仏ょも 作品名 普通職の異世界スローライフ ~チート(があるくせに小者)な薬剤師の無双(しない)物語~
【書名・タイトル名】普通職の異世界スローライフ ~チート(があるくせに小者)な薬剤師の無双物語~
【著者・作者】仏ょも
【発行元・サイト】 小説家になろう
【参考URL】 https://ncode.syosetu.com/n8568fy/
本文
作者による紹介文
【書籍の2巻は12月10日にツギクルブックス様より発売してます】
ある日ルート営業先の学校で作業していた神城大輔(36歳独身)は、突如として異世界転移に巻き込まれてしまう。
そして彼が気付いたとき、目の前には謝罪する女神の姿があった。そこで神城は、自分が転移に巻き込まれたのは完全な事故であり、しかも自分だけは転移するのではなく転生する扱いになると説明を受ける。
女神のミスで異世界に転生することになった神城は、詫びとして他の転移者とは違った待遇を受けた後に、異世界へと向かうことになる。
心の中に燃え盛る正義があるわけでもなく、冷たい悪意に塗れているわけでもない、どこにでも居る社会人の神城は異世界で何を成すのか。
これは転生した先で山も谷も求めないオッサンが代わり映えのしない日常を送る為に、色々と小細工をして行くだけのお話である。
評点 ★★★★(5★点満点)
最低★1(作品お疲れさま)★★★3(再読しても良いかも)★★★★★5(お気に入り)
評価
評価に関してはAIと対話しながら作成しました。
なろう系をある程度読んでいると、大体のパターンが見えてくる。
俺Tueee、ざまぁ、ダンジョン攻略、内政チート。
そのどれでもない作品に出会うことは、正直そう多くない。
この作品はその数少ない一つだと思う。
主人公の神城大輔は36歳のルート営業、医薬品業界勤務。
異世界に転移して薬剤師になる。
それだけ聞くとよくある設定に見えるが、この主人公が動く理由が「生き残ること」と「安定した生活」だけで、世界を救う気も勇者と一緒に戦う気も最初からない。
面白いのはその動き方で、営業職で鍛えた観察眼と交渉術で、貴族相手に一歩ずつ地盤を固めていく。
しかも本人は大したことをしているつもりがないのに、周囲が勝手に過大評価して話が大きくなっていく。
「勘違いはさせるもの」というタグが全てを語っている。
設定がしっかりしているのも特徴で、ポーションの効果成分の内訳、転職システムの落とし穴、魔王軍がアンデッドを農業と土木に使う理由、エルフへの毒薬提案が各勢力にとって合理的な理由。
どれも「なぜそうなるか」が筋道立てて書かれていて、読んでいて引っかかりがない。
ギャグの呼吸も独特で、重い交渉の直後に「化粧品作りに飽きた」が動機だったというオチが来る。
笑いが重さを流す機能として使われていて、説明が長くても読み続けられる。
作者は医薬品業界のルート営業経験者と思われる。
神城が夢の中でも営業ルートを組んでいたり、薬剤師の待遇への複雑な感情など、経験のない人間には書けない精度がある。
あとがきには四十肩、関節痛、孫の手のボールの話が連載と共に記録されていて、50代前後の作者の健康日誌にもなっている。
残念ながら未完で終わっている。
ただ、なろう系の中でこういう作品はあまり見ない。
単純な強さではなく、社会人の経験と観察眼で異世界を渡り歩く話として、読む価値は十分ある。
同じ作者の「二度目はタのつく自由業」が現在も更新中なので、この作品が合った人はそちらも読んでみることをお勧めする。




