作者:仏ょも 作品名 二度目はタの付く自由業 書籍3巻発売するほどの出来
【書名・タイトル名】二度目はタの付く自由業
【著者・作者】仏ょも
【発行元・サイト】 小説家になろう
【参考URL】 https://ncode.syosetu.com/n0730it/
本文
作者による紹介文
西暦二〇××年。
あらゆる困難を科学で解決できると考えていた人類を混乱の坩堝に叩き落とした【ダンジョン】と呼ばれるモノが世界中に出現してから五〇年。
当時は世界中が大混乱に陥り、それこそ世界中で大小さまざまな騒動がひき起こされたものだが、そんな騒動も今は昔の話。
今ではダンジョン内に生息する危険生物こと魔物や、ダンジョンに選ばれた者だけに与えられる概念。具体的にはレベルやジョブ、スキルや魔法といった特殊なモノの存在が常識とされる程度に認知されていた。
そんな中、ダンジョンに選ばれ、ダンジョンに潜り、ダンジョンに巣食う魔物と戦い、ダンジョン内でしか得られない資源を持ち帰る存在がいた。
科学の力ではどうしようもできない奇怪な存在に対し、特殊な力を用いて立ち向かい、人類の発展に寄与する彼ら彼女らのことを、人々は称賛と畏怖の念を込めて【探索者】と呼んでいた。
四月。探索者としてのデビューを迎えた、一見どこにでもいるような少年の身に尋常ならざる異常が生じる。
少年を襲った異常が齎すのは、変化かそれとも停滞か。
ダンジョンが生まれて五〇年。世界は変革の時を迎えようとしている……かもしれない。
読者の皆さまのおかげをもちまして、4/21 日間・週間・月間・四半期のジャンル別ランキング一位になれました。ありがとうございます。
評点 ★★★★★(5★点満点)
最低★1(作品お疲れさま)★★★3(再読しても良いかも)★★★★★5(お気に入り)
評価
評価に関してはAIと対話しながら作成しました。
なぜ読み返してしまうのか、最初はわからなかった。読みやすいから、という説明では足りない気がしていた。対話を重ねるうちに少し見えてきた。
この作品の引力の一つは「ルーム」というスキルにある。隔離空間を作れるスキルで、外から中身が見えないアイテムボックスとは違い、許可した人間だけが出入りできる。ダンジョン内の休息場所として使われ、その空間が生み出す人間関係の密度に読者は引き寄せられている気がする。同じような隔離空間系スキルを持つ作品を読み返してしまう傾向があるとすれば、スキルそのものではなく、その空間が生み出す関係性に惹かれているのだろう。
もう一つの引力は、ざまぁ系としての完成度だ。ざまぁは因果応報の納得感から気持ちよさが生まれる。因果の部分——なぜこいつが強いのか、なぜ相手が追い詰められるのか——がいい加減だと白ける。この作品は1話から丁寧に積み上げる。ステータスの数値計算が破綻しない。ハイポーションの需給構造を経済学的に描く。アイテムバッグの発明経緯を帰納的手順で説明する。この整合性があるからこそ、「面倒なら潰してもいいですよ」という一言が気持ちよく決まる。設定がおかしいとざまぁも面白くなくなる、という読者の感覚に誠実に応えている作品だと思う。
ただ、この作品が他のざまぁ系と一線を画しているのは、主人公が単純な正義の人ではない点だ。「自分より弱い相手を倒すことに悦びを覚える異常者」と自称し、「釣った魚に餌をやりながら逃がさない」という動き方をする。ギルドへの怒りは正当だが、構造的にはギルドと似たことをしている。その自覚が薄いまま進む。この二重性が「わかったと思ったらずれてる」という感覚を生んでいて、読み返したくなる理由の一つになっているかもしれない。
文体の核は一人称語り口で、説明が長い。しかし説明の途中に必ず主人公の毒と愚痴が入る。「クソか。クソだったわ」「ギルドはクソだな。滅べ」が典型で、説明が続いても主人公の体温が抜けない。設定じゃなくて語り口に引力がある作者だと思う。
重い内容の直後に必ず笑いで落とす呼吸も一貫している。真剣な政治交渉の締めが「但馿さんに丸投げするものとする」という括弧書きだったり、盛大に登場させた人物がナレ死したり、緊張と弛緩の落差が読み心地の良さを作っている。説明過多な章でも最後の一文か次回予告で帳消しにしてくる。この胆力が「読ませる作者」の正体だと思う。
更新ペースは週1〜2話程度。書籍化3巻、コミカライズも進行中。




