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作者:銀三〇(ゆだ) 作品名 純愛✕陵辱 コンプレックス R18 1483話もあり、長いです

【書名・タイトル名】 純愛✕陵辱 コンプレックス


【著者・作者】 銀三〇(ゆだ)


【発行元・サイト】 小説家になろう ノクターン


【参考URL】 https://novel18.syosetu.com/n0280z/


本文


作者による紹介文


オレが高校入学と同時に好きになってしまった美少女、白坂雪乃。「いいんだ、彼女を遠くから見ているだけで」なんて思っていたら、ある日、彼女にオトコができたという噂を聞いた。「どれだけ好きでも、彼女の心は手に入らない。それなら肉体だけでも自分のモノにしてしまえばいい」そんな悪魔の囁きがオレを誘う!!


評点 ★(5★点満点) 


最低★1(作品お疲れさま)★★★3(再読しても良いかも)★★★★★5(お気に入り)


評価

評価に関してはAIと対話しながら作成しました。



はじめに

この作品を最初に読んだのはいつだったか、もう正確には覚えていない。気がつけば5度通読していた。ノクターンノベルズという掲載場所の性質上、性描写が多く含まれる作品であることは間違いない。しかし私がこの作品を繰り返し読み返してきた理由は、そこではない。

1483話、未完結。それだけの長さを持つ作品を5度読み返すというのは、我ながら異常なことだと思う。それでも読み返すたびに新しいものが見えてくる。そういう作品は、そうそうない。


作品の骨格——設定の堅牢さ

まず、この作品が他のノクターン作品と一線を画している最大の理由は、設定の堅牢さだ。

主人公・良信が関わることになる香月家は、名家の中でも最上位に位置する組織で、当主・香月老人ジッちゃんが占領期を生き延びた経験を持つ人物として描かれている。この組織が動く論理が、徹底して現実的なのだ。

当主が外出する時の警護の厚さ、動線の確認、情報管理の徹底。権力を持つ組織がどういう論理で動くかが、細部まで一貫している。財閥や名家が登場する他の作品を読んでいると、設定の甘さが気になることがある。当主夫婦が二人きりで買い物に出かけるとか、見知らぬ高校生を即座に後継者に指名するとか。この作品を読み込んだ後では、そういう設定の穴が一瞬でわかるようになった。それだけ、この作品の設定の骨格が現実の論理に即している。

後継者指名一つとっても、どれだけの根回しと時間と関係者の合意が必要か、この作品は丁寧に描いている。組織というのは当主一人のものではなく、利害関係者の集合体だという認識が、作品全体の底に流れている。


登場人物の構造——承認と負債の論理

登場人物は多い。非常に多い。5度読んでいても、カタカナの名前のキャラクターが一瞬誰だったか混乱することがある。これはノクターン作品の構造的な問題で、性描写の場面が単調にならないように登場人物を増やさざるを得ない、という事情がある。作者自身もあとがきで「なぜ3人と書いてしまったのか」と自嘲している。

ただ主要人物については、それぞれが明確な論理で動いている。

主人公の良信は、自己評価が低い。しかし言葉と行動が一致している。この一点が、彼の周囲に人間を引き寄せる核になっている。承認を求めて動くのではなく、自分がすべきことをするから動く。だからこそ、結果的に承認される。

対照的に描かれるのが、承認欲求が外向きの人物たちだ。マスコミに出たがる成金、言葉だけが良くて行動が伴わない人物、自分の都合で他人を動かそうとする人物。この作品は、そういう人物への視線が一貫して冷たい。

「言葉と行動が一致しているか」という基準が、この作品全体を貫くテーマだと、5度読んで確信している。良信が信頼する人物は全員、言行が一致している。良信が警戒する人物は全員、言葉と行動に乖離がある。シンプルだが、これが1483話を通じて一度もブレない。


作者について——あとがきを読むということ

この作品の独自性の一つが、あとがきだ。作者は日記感覚であとがきを書く。ガンプラの値段が上がったこと、電車で聞いた大学生の会話、選挙違反の話、プリキュアのキャラクター名の候補……本文とは全く関係のない話が延々と続くあとがきが、読み返すたびに別の意味を持って見えてくる。

作者は50代、東京在住、両親と三人暮らし。演劇の裏方を長く務めた経験を持ち、バブル崩壊後の就職氷河期世代だと推測できる。結婚への言及が1483話を通じて一切ない。

父親の認知症が進行していく過程が、あとがきに刻まれている。最初は「荏胡麻油が効いている」と言いながら黒烏龍茶の瓶を間違える父親の話が笑えるように書かれている。しかし読み進めていくと笑えなくなる。文字の判別ができなくなり、トイレに行くにも介護が必要になり、ついに作者の名前がわからなくなる。

1252話のあとがきに、こういう一節がある。

「父が……ついにわたしのことを認知できなくなりました。3日前までは、一緒に駅前でコーヒーを飲んで……世間話などもしていたのに……今は家の中でトイレに行くだけでも介護が必要で……わたしの名前が判らない……そういう日だからこそ、わたしはこの章の最後に……運命に反抗する桜子を書いたのだと思います」

現実で抵抗できないから、作中の人物に抵抗させた。この一文が、この作品全体の意味を語っている気がした。


書くことが生きることだった

作者は同じあとがきでこう書いている。

「毎日書き続け積み重ねることだけを目的にしています。とにかく続けること。毎日、先へ進むこと。ツライ日常から逃れるために、1日のうちの3時間前後をこの作品に使っているだけです」

介護、病気、ゲーム化の頓挫、出版への道が閉じること。それでも書き続けた。1385話のあとがきでは、1年1ヶ月の更新停止の理由が病気だったことが明かされている。熱を出しながら書いていた時期があったことも。

5度読み返して気づいたのは、あとがきが短くなっていく過程が、作者の生活が書くことを許さなくなっていく過程と完全に一致しているということだ。最初は長く、思想的で、社会批評に満ちていたあとがきが、介護が重くなるにつれて「Gレコは面白いで」の一行になっていく。

ラストまでのストーリーが頭にあると言いながら、1483話で止まっている。能力の問題でも意欲の問題でもなく、現実が書くことを許さなくなった。それが未完の理由だと、読み返すたびに確信が深まる。


この作品が教えてくれたこと

現実世界を舞台にした作品を書く人には、ぜひこの作品を読んでほしいと思う。権力組織の動き方、名家の論理、後継者問題の複雑さ。これだけ丁寧に積み上げられた現実の論理を持つ作品は、商業作品でも多くない。

そして、どんな作品にも作者の人間性が透けて見えるという当然のことを、この作品は改めて教えてくれた。あとがきを読まなければ見えなかった作者の輪郭が、5度目の通読でようやく見えてきた。

書く場所と評価される場所が一致しなかった作者が、それでも1483話書き続けた。その事実だけで、この作品には読む価値があると思っている。


未完のまま終わっているが、読み始めたら止まらない。そういう作品だ。

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