第12話 名前を呼ぶ朝
約束の指輪をはめた左手を胸元へ抱くようにして、玲音はゆっくりと眠りへ落ちていった。
青葉園の子どもたちの笑い声。
園長の厳しい目。
夕暮れの商店街。
薬指へ指輪を通してくれた時の、透真の少し赤くなった耳。
今日一日の記憶が、夢と混ざり合っていく。
――それでも、夜半を過ぎた頃。
玲音はふと目を覚ました。
部屋は静まり返っている。
枕元へ手を伸ばしても、もちろん透真はいない。
「……眠れない」
一度目を閉じてみたものの、眠気は戻ってこなかった。
玲音はベッドから抜け出した。
なぜか今夜は、透真の顔が見たかった。
少し話をするだけでいい。
声を聞けば、また眠れる気がした。
薄暗い廊下を歩き、一階へ下りる。
リビングには小さな灯りだけが残っていた。
そしてソファには、長い身体を窮屈そうに丸めて眠る透真の姿があった。
「透真?」
近寄って覗き込む。
「こんなところで寝てたら、風邪ひいちゃうよ」
「……玲音?」
薄く瞼が開いた。
寝ぼけた声だった。
普段の完璧な所作からは想像できないほど無防備な顔をしている。
片手にはスマートフォンが握られたままだった。けれど画面はとっくに消えている。
「こんな時間にどうしたんですか」
「実は私も眠れなくて……透真を探してたの」
「僕を?」
「うん。まさかリビングで寝てるとは思わなかったけど」
透真は身体を起こし、乱れた髪を掻き上げた。
「すみません。ちょっと調べ物してたら、そのまま寝落ちしてました」
玲音は透真の隣へ腰を下ろす。
「何を調べてたの?」
「たいしたことじゃないですよ」
一瞬だけ、間が空いた。
その間に透真はスマートフォンをポケットへしまった。
妙に素早い。
「怪しい」
「怪しくないです」
そう言いながら耳が少し赤い。
少し前まで、正式な婚約指輪や結婚指輪について調べていたことを、透真はまだ玲音へ知られたくなかった。
知られるのが嫌なのではない。
知られた時の自分の顔を見られるのが、ひどく恥ずかしかった。
「眠れないなら、一緒に寝ます?」
欠伸を噛み殺しながら透真が尋ねた。
玲音は少しだけ躊躇い、それから頷く。
「……うん。そうさせてもらおうかな」
「じゃあ上へ行きましょう。ここじゃ身体痛くなる」
◇
二人で玲音の寝室へ戻る。
透真が扉を開けた時、ベッド脇の小さな紙片に気づいた。
玲音が昨夜書いた返事だった。
透真の足が止まる。
「玲音、これ……」
「おやすみって書いてくれてたでしょ?」
玲音は少し照れたように笑った。
「だから、お返事したくて」
透真はメモを手に取った。
『こちらこそありがとう。おやすみ。』
たったそれだけ。
けれど透真は、暗がりの中で何度も文字を追った。
「……ありがとう」
メモを折り畳む。
「大事にします」
「そんな大袈裟なものじゃないよ?」
「僕には大事なんです」
胸ポケットへしまう指先が、わずかに震えていた。
玲音はそれ以上何も言わなかった。
二人は同じベッドへ横になる。
以前なら、同じ寝台へ入るだけで意識していた距離も、今では随分自然になっていた。
玲音は透真へ背を向けるでもなく、すぐそばに横たわる。
左手が無意識に透真の方へ伸びる。
銀の指輪が月明かりを受け、微かに光った。
「おやすみ、玲音」
「おやすみ、透真」
しばらくすると、玲音の呼吸がゆっくりと穏やかな寝息へ変わっていった。
透真はその手を、起こさないようにそっと握った。
指輪の冷たい感触が、指先へ触れる。
それを確かめてから、透真もようやく目を閉じた。
◇
翌朝。
先に目を覚ましたのは玲音だった。
カーテンの隙間から入る朝日が、透真の寝顔を柔らかく照らしている。
眠っている時の透真には、普段の危うさがない。
何も支配せず。
何も隠さず。
ただ静かに眠っている。
玲音は薬指の指輪を撫でた。
昨日の夕暮れが蘇る。
約束の指輪。
あれは正式な婚約指輪ではない。
それでも玲音には、十分すぎるほど特別だった。
「……透真、大好きだよ」
ぽつり。
考えるより先に、言葉が零れた。
言ってしまってから、自分の声に玲音自身が驚いた。
「え……あっ、その……」
透真の瞼が開く。
「忘れて……ください……」
「忘れません」
即答だった。
いつから起きていたのか。
透真はまっすぐ玲音を見ている。
握っていた手へ、少しだけ力が込められた。
「僕もです、玲音」
額をこつんと合わせる。
「……大好きです」
玲音は真っ赤になりながらも、その身体を抱きしめ返した。
嬉しい。
恥ずかしい。
愛おしい。
いくつもの感情が一度に胸へ押し寄せ、うまく言葉にならなかった。
朝日が二人の輪郭を床へ落とす。
しばらくして透真は天井を見上げた。
「……困ったな」
「どうしたの?」
「昨日は、指輪を渡せただけで満足してたのに」
横目で玲音を見る。
「もう全然足りない」
「足りないって……」
玲音は頬を染める。
「昨日までの透真は演技だったの?」
「演技なわけないでしょう」
透真は苦笑した。
「ただ……欲が出てきたんです」
起き上がり、乱れた髪を手櫛で直す。
「昨日までは、それで満足できると思ってた」
そこで玲音を見る。
「でも今朝の一言を聞いたら、全部欲しくなる」
目の奥だけは、笑っていなかった。
そこには熱があった。
玲音を愛しているという幸福と。
もっと欲しいという焦燥と。
失いたくないという恐怖が、分けられないまま混ざっている。
玲音も身体を起こした。
「好きになればなるほど、欲しくなるものだよね」
「玲音?」
「正直、私も同じ気持ち」
自分の左手へ目を落とす。
「昨日、透真に指輪をもらって……もっともっとって思う気持ちが生まれたの」
透真の目が見開かれた。
「玲音」
「なあに?」
「もう一回」
「え?」
「名前」
玲音は少し笑った。
何度も呼んできた。
昨日だって呼んだ。
それなのに、その朝だけは、同じ名前がまるで違うもののように感じられた。
「……透真」
一拍。
透真の表情が崩れる。
「玲音」
呼び返された自分の名前も、同じだった。
ただの呼称ではない。
互いが互いを選んだ証のように響いた。
「やばい」
透真が笑おうとして、失敗したような顔をする。
「心臓止まりそう」
「止まったら困るよ」
玲音も笑った。
「私、まだまだ透真としたいこと、たくさんあるんだもの」
透真の呼吸が止まる。
「……したいこと、全部聞かせて」
玲音は透真の手を取った。
そして、その指を自分の薬指にある銀の輪へ触れさせる。
「もっと私に愛を囁いて」
静かに言う。
「ちゃんと、行動でも伝えてほしい」
少し迷ってから、続けた。
「もっと透真のことを知りたいし……もっと、透真のそばにいたい」
透真は指輪へ触れたまま、長く玲音を見つめた。
「全部やる」
短い言葉だった。
けれど重かった。
「もう逃がさないから」
玲音の頬へ手を添える。
「覚悟して」
透真が玲音を抱き寄せる。
二人の間に残っていた僅かな距離が消えた。
「愛してるわ、透真」
その一言で、透真の目の色が変わる。
「……取り消しは効かないよ、それ」
「取り消さない」
玲音は透真から目を逸らさなかった。
その朝。
二人の間には、これまでとは違う沈黙が落ちた。
愛されている幸福。
相手を失うことへの恐怖。
もっと近づきたい気持ち。
近づけば近づくほど、本当にどこまでが自分自身の願いなのかわからなくなっていく混乱。
玲音の胸には、一瞬だけ怖さがあった。
透真の愛情が大きすぎることへの怖さ。
自分がそれを怖いと感じながら、同時に安心してしまうことへの、もっと深い怖さ。
透真にも迷いがあった。
欲しい。
離したくない。
けれど玲音を怖がらせたいわけではない。
愛しているからこそ自制したい心と、愛しているからこそすべてを欲しがる心が、彼の中で激しくぶつかっていた。
「玲音」
透真が名前を呼ぶ。
「……うん」
「俺のものになって。全部」
普段の「僕」ではなかった。
自制の奥から、ほんの一瞬だけ零れた声。
玲音はすぐには答えられなかった。
ただ、透真の手を離すこともできず、その指を静かに握った。
その先の時間を、朝の光だけが静かに見守っていた。
――やがて、部屋には深い沈黙が落ちた。
何が正しくて。
どこからが間違っていて。
どこまでが、本当に自分だけの願いなのか。
玲音にはわからない。
ただ、透真のそばにいると安心してしまう自分だけは、確かにそこにいた。
そして透真もまた、玲音を抱きしめながら、幸福と消えきらない迷いの両方を抱えていた。
二人の関係が、もう昨日までとまったく同じ場所には戻れないことだけが残った。
◇
屋敷の静けさを破ったのは、玄関から響いた慌ただしい声だった。
「透真様」
執事の声。
「お客様がお見えです。警察の方だと……」
透真の表情が変わった。
ほんの数秒前まで玲音だけを見ていた目が、一瞬で冷える。
「……警察?」
窓の外へ目を向ける。
正門前には、見慣れない覆面の捜査車両が停まっていた。
一台。
サイレンは鳴っていない。
けれど、その存在だけで屋敷の空気は変わっていた。
「透真……」
玲音が不安そうに見上げる。
透真はすぐに表情を戻し、玲音の頭を撫でた。
「大丈夫」
「でも」
「玲音はここにいて」
その声は柔らかい。
けれど目の奥では、すでにいくつもの可能性を計算していた。
「僕が話してくるから」
◇
玄関ホールには三人の捜査員が立っていた。
先頭の中年刑事が身分証を提示する。
「鷹宮透真さんですね」
「はい」
「玲音さんの現在の所在について、いくつか確認させていただきたいのですが」
透真は一瞬だけ相手の目を見る。
警察は知っている。
玲音と自分が交際していることも。
家族と面識があることも。
もはや知らないふりをして逃げられる段階ではない。
「ええ。どうぞ」
透真は完璧な微笑みを浮かべた。
「お茶でもお淹れしましょうか」
「お気遣いなく」
中年刑事の目は笑っていない。
「ご家族や以前の勤務先から、玲音さんとしばらく十分な連絡が取れていないという相談がありまして」
「そうですか」
「玲音さんが現在、こちらで生活している可能性があると伺っています」
「交際していることは事実です」
透真は穏やかに答えた。
「生活環境が変わったことも否定しません」
「では、今こちらに?」
わずかな沈黙。
「今は休んでいます」
二階で。
玲音は自室を出て、息を殺すように廊下へ立っていた。
階段を下りるつもりはなかった。
全部の会話が聞こえるわけではない。
けれど、自分の名前だけははっきり聞こえた。
警察が私を探している。
玲音は眉を寄せる。
どうして。
私は消えてなんかいない。
透真と一緒に、この家にいるだけなのに。
その疑問は、「自分は行方不明なのかもしれない」という考えには繋がらなかった。
むしろ、知らない人たちが突然自分たちの家へ入り、透真を疑っていることの方が怖かった。
一階では質問が続いていた。
「以前のお仕事は急に辞められていますね」
「本人の判断です」
「ご家族への連絡が減ったことについては?」
「生活が変われば、連絡頻度が変わることもあるでしょう」
「なるほど」
中年刑事は手帳へ何かを書き込む。
若い刑事はホールの周囲を観察していた。
防犯カメラ。
使用人。
階段。
二階へ続く廊下。
「失礼ですが、お仕事は?」
「不動産と資産管理を中心に、いくつかの法人に関わっています」
「随分立派なお屋敷ですね」
「仕事柄、管理している資産の一つです」
答えは淀みない。
けれど中年刑事は何度も透真の表情を見ていた。
「玲音さんご本人とも、一度お話をさせてもらえませんか」
「今は休ませています」
「少しだけでも」
「本人の意思を確認せず、僕の判断だけでお会いさせるつもりはありません」
その言葉だけを聞けば、相手の意思を尊重する恋人だった。
けれど。
家族と連絡が取れない。
仕事を辞めている。
外部との接点が急激に減った。
その状況の中心にいる男が「本人の意思」を理由に面会を拒む。
刑事たちの空気が少し変わった。
若い刑事が階段へ視線を向ける。
「二階は私的な居住スペースですか」
「そうです」
「差し支えなければ、少し確認させていただけますか」
透真の目が細くなった。
ほんの一瞬。
すぐに微笑みへ戻る。
「申し訳ありませんが」
声は丁寧だった。
「私的な居住スペースですので、そこまでの立ち入りはお断りします」
静寂。
若い刑事と中年刑事が短く視線を交わした。
「そうですか」
中年刑事はそれ以上強行しなかった。
令状もない。
任意の確認だ。
けれど透真の拒否は、疑念を消すどころか、かえって濃くした。
「ところで鷹宮さん」
「はい」
「もう少し詳しくお話を伺いたいんですが」
中年刑事が一歩近づく。
「署までご同行いただけませんか」
透真の笑みが消えた。
「協力、ですか」
「任意です。ただ、確認しておきたいことがいくつかありましてね」
三人の視線が透真へ集まる。
透真は階段の上へ一度だけ目を向けた。
その先に玲音がいる。
拒み続ければ、警察は次の手続きを取る。
今はそれより、相手がどこまで掴んでいるか知る方がいい。
数秒。
「わかりました」
ゆっくり息を吐く。
「ご協力します」
◇
透真が玄関へ向かう。
使用人たちの顔には、不安が浮かんでいた。
誰も声を上げない。
透真は外へ出る直前、一度だけ屋敷を振り返った。
二階の窓。
その向こうには玲音がいる。
「待っててね」
誰にも聞こえないほど小さな声で呟く。
「すぐ迎えに行くから」
覆面車両のドアが閉じる。
サイレンは鳴らなかった。
車は静かに門を出ていく。
玲音は二階から、その姿が見えなくなるまで動けなかった。
「透真……」
屋敷の中が、急に広くなる。
透真が普段仕事で外へ出ることはある。
けれど今日は違う。
警察が来て。
透真を疑って。
いつ戻るのかもわからないまま、連れていった。
そのことが玲音には怖かった。
廊下から、おずおずと足音が近づく。
「あ、あの……玲音様」
若い使用人が立っていた。
「透真様は……」
その先の言葉が出ない。
玲音自身も混乱していた。
泣きたい。
今すぐ追いかけたい。
けれど、怯えている使用人の顔を見た瞬間、胸の奥で別の何かが立ち上がった。
ここは透真の家。
そして今は、自分の家でもある。
透真が帰ってくる場所だ。
玲音は唇をきゅっと噛み、震える息を整えた。
「大丈夫よ」
「でも……」
「いつも通りにしましょう」
自分へ言い聞かせるように言う。
「透真が戻ってくるまで、私たちがこの家を守らないと」
使用人が目を丸くする。
玲音が彼女たちへそうした言葉をかけたことは、ほとんどなかった。
「……はい」
やがて深く頷く。
「承知いたしました」
それをきっかけに、屋敷はゆっくり動き始めた。
使用人はそれぞれの持ち場へ戻る。
食事の準備。
庭の手入れ。
帳簿。
清掃。
いつもと変わらない仕事。
けれど、誰もがどこか耳を澄ませていた。
門が開く音を待っていた。
昼が過ぎる。
夕方になる。
夜が来る。
屋敷の灯りは、いつも通り点いた。
それなのに玲音には、ひどく寒々しく見えた。
その頃、警察署では、透真が何度も同じような質問を受けていた。
玲音との関係。
退職。
家族との連絡。
外出。
通信。
屋敷での生活。
答えは変えなかった。
声も荒げなかった。
けれど質問が繰り返されるほど、透真の中では一つの感情だけが鋭くなっていった。
玲音を奪われる。
その恐怖だった。
◇
夜の十時を回った頃。
門の前へ黒い車が停まった。
玲音はほとんど反射的に立ち上がった。
エンジンが切れる。
ドアが開く。
革靴が砂利を踏む音。
玄関の扉が開き、冷たい夜気とともに長身の影が入ってくる。
「おかえりなさいませ」
執事が頭を下げた。
「お疲れ様です」
「いつも通りだった?」
「はい。滞りなく」
「そう」
透真はコートの襟を直すこともなく、階段へ向かった。
顔には濃い疲労がある。
長時間の事情聴取で神経を削られている。
それでも、口元にはかすかな笑みがあった。
玲音が待っている。
それだけで足は止まらなかった。
玲音の部屋の前へ着く。
ノックすら忘れるように扉を開けた。
玲音が振り返る。
「……透真?」
一瞬。
信じられないものを見るように目を見開く。
「ただいま」
その言葉を聞いた途端、玲音の表情が崩れた。
「透真……!」
駆け寄る。
そのまま胸へ飛び込んだ。
「透真、透真……!」
声が震えている。
「よかった……無事で……」
透真は一瞬だけ目を閉じた。
警察署の無機質な空気も。
何時間も繰り返された質問も。
その全部が遠くなる。
玲音の体温が、ここにある。
「ごめんね」
震える身体ごと包み込む。
「怖かった?」
「うん……」
玲音は涙の浮かんだ目で顔を上げる。
「変な人たちが屋敷に入ってきて、怖かったの」
警察。
本来なら玲音を探し、保護する側の人間。
けれど今の玲音にとっては違う。
透真を疑い。
透真を連れていき。
二人を引き離した人たち。
「大丈夫だったの?」
透真の頬へ手を添える。
「本当に?」
「僕は平気」
透真はその手へ自分の手を重ねた。
「何もされてないよ。ただ、長く話を聞かれただけ」
それは嘘ではなかった。
玲音は透真の頬へそっと口づける。
透真は目を閉じた。
「もう大丈夫」
玲音を抱いたまま、ベッドの端へ腰を下ろす。
「僕は帰ってきたから」
「……うん」
玲音は離れなかった。
むしろ、いなくなった時間を埋めるように強く抱きついた。
透真も、その身体を手放さなかった。
警察が屋敷へ来た。
外の世界は、とうとう二人の閉じた暮らしへ直接手を伸ばし始めた。
それなのに。
その日の出来事は、玲音を外へ向かわせなかった。
反対に。
透真が連れていかれた恐怖によって、玲音は今まで以上に彼の帰る場所であろうとした。
透真もまた、思い知らされた。
玲音を愛するだけでは足りない。
指輪だけでも足りない。
外の世界が彼女へ手を伸ばす限り、何も安心できない。
二人は互いを抱きしめながら、同じ安堵の中にいた。
けれど、その安堵の形は。
外から見れば、少しずつ逃げ道を失っていく檻に似ていた。




