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最後に 楽しい創作ライフを!

 ぶっちゃけ、このエッセイはこれが言いたかったがためのものです。


 小説を書くのは、すごく楽しいことです。


 わたくしごとで恐縮ですが、どうもわたしは人生が面白くない人間でした。

 学生時代までのわたしはずっと、自分の身の程を嫌というほど知らされ、結局社会の歯車の一つとして終わるんだろうなあ、と諦めさせられていました。自己表現が褒めそやされ、猫も杓子も「誰でもない自分を目指さなくちゃいけないんだ」と息巻く現代の中で、わたしはひたすら耳をふさいでいました。

 なんで、って?

 そりゃもちろん、わたしはオンリーワンの存在じゃなかったからです。

 スポーツができたわけじゃありません。お勉強だってそんなに出来たわけでもありません。特に人格が優れているわけでも、さりとて鬼畜というわけでもありません。いい顔に産んでもらえなかった代わり、生理的に無理と後ろ指を指される顔でもありませんでした。要は、クラスの中に一人はいる、いかにも無個性な学生の一人。それがわたしでした。

 まあ、テキトーに恋して、テキトーに結婚して、テキトーに子供を育てて、テキトーに病気になってテキトーに死ぬんだろう。そんな先行きを描いていたのが、あの頃のわたしとなっております。

 ところが、小説というものに出会ってから、わたしは少しだけ変わりました。

 確かに、きっとわたしはテキトーに日々を過ごして死んでいくんだろう。でも、そのテキトーな日々の中でも、それなりに楽しいこともあるじゃんか。そう思えるようになったんです。

 わたしはきっと、自己表現がしたい人間だったんです。


 もちろん、これはあくまでわたしの体験に過ぎません。あなたにとって、面白くもない人生を面白くしてくれるもののかたちはわたしのそれとはまったく違います。例えば、恋愛をするのが人生の楽しみだ、って人もいます。体を動かすのが人生の醍醐味だ、という人もいます。ギャンブルこそ人生だ、と胸を張る人もいます。はたまた、わたしの思いのよらないようなことに人生の意味を感じる人もきっといます。

 とにかく、何か「楽しいこと」を見つけるのは、すごく愉快なことなんです。

 わたしの場合は小説でした。

 では、あなたは?


 別に小説じゃなくてもいいんです。そういう人向けには、「他に自己表現の方法を探してね」とこのエッセイでも案内しています。

 でも、もし、小説を書くのが楽しい、とか、小説って意外にわたしに向いてそうだぞ、とお思いの方、是非とも一度小説を書いてみてください。

 もしかしたら、あなたの人生がほんのちょっとだけいい方向に変わっていくかもしれませんよ。


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