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柊くんの守護結界~やや年下によった物語~  作者: sh1r0
第0章

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第7話

 その場を後にする。次に向かうは結界の外だ。


 まずはその下準備にQMC(きゅーえむしー)へ向かう。Quest Management Centerの頭文字だ。日本語だとクエスト(くえすと)統合管理(とうごうかんり)センター(せんたー)。侵食体絡みの依頼の手続きは大体ここでできる。橋を戻って、ちょっと直進したところにある木造のおしゃれな建物だ。


 今は電子化が進み、基本的にはクエストは最初から最後まで電子上で手続きができるようになっている。それでも、ドロップ品の回収や電子上ではできない手続きなどがあるため、こうして専用の施設が建てられている。


「カラーン。」


 ドアを開けて中に入る。まず目につくのは掲示板だ。ここには二つの掲示板があり、一つは公式掲示板こうしきけいじばん、もう一つは暫定任務掲示板ざんていにんむけいじばんという。


 公式掲示板にあるクエストは基本的に電子上でも受けられる。電子化には審査と手続きが必要で、少し手間がかかるのだ。


 暫定任務掲示板、長いので仮板かりいたと呼ばれることが多いが、そちらには電子化されていないクエストが主に並ぶ。一応こちらにも審査があるのだが、緩めである。個人依頼や地域の依頼などが多い。なので、ローカル板(ろーかるいた)とも呼ばれるときがある。あと、たまに急ぎのクエストが貼り出されていることなんかもある。


 公式板は電子モニター、暫定任務掲示板はコルクボードだ。アナログとデジタルが共存している今の世の中を表しているようだ。


「あ、すみません。これ、一枚、落ちていました。」


 近くにいた職員の方に声をかける。


「あ、ありがとうございます。直しておきますね。」


 コルクボードのほうはたまに手書きの紙が混ざっていたり、画びょうの色もバラバラで紙も重なったり、結構ごちゃごちゃしている感じだ。噂の「闇クエスト」とやらはこのなかに紛れ込んでいることが多いらしい。


 整理券を取り、待合スペースへ。006番だった。今日は6人しかきていないのだろうか。


 いやそんなことはないな。発券機の番号の謎をいつか解明したい。


 混んではいなかったので、座ることができた。自分が受けるクエストは本来なら電子上で完結するのだが、残念ながらそうはいかない理由がある。


 携帯電話を操作し、クエスト手続き画面を開く。クエストを選ぶ。ここまでは良いのだ。


「パーティ構成が正常ではありません。」


 毎度の画面である。SHIFT+F10押したろか。いや、でも携帯だから押せないや。


 まあ、実はちょっと工夫するとこの画面は抜けられる。適切な保険制度に加入すればよいのだ。保険には期間で決まっているもの、そのクエスト一回の間有効なものがある。しかし、ソロ用の保険は割高だ。


 今受けようとしているのは危険度1のドロップ品の回収クエストである。5段階評価で一番危険が小さいとされるものだ。討伐のみのクエストと違ってドロップ品回収があると、肉体的な労働があるため人気が低いのだ。その分同じ危険度の中だとちょっと報酬が高い。


 しかし、ソロ用の保険によってその差額もほとんどないようなものとなってしまう。まあ、仕方がないのだ。基本的には最低でも前衛と後衛からなる2人でパーティーを組むのが常識だからだ。なので、画面上の警告はまだ続く。


「このパーティ構成は推奨されません。これで確定しますか。」


「はい。」


「本当にこれで確定しますか。」


「はい。」


「ホントにホントにホントにホントに確定しますか。」


「はい。」


「後悔しませんね?」


「はい。」


「まだ手続きは完了していません。受付で適切な指導を受け、単独任務許可証たんどくにんむきょかしょうをお受け取りください。」



 そう、結局は窓口に行かなくてはいけないシステムになっている。



「0(間)0(間)6(間)番の方、5番窓口へお越しください。」



 あ、呼ばれた。ちょうどいいタイミングだ。


お読みくださりありがとうございます。

後書きを追加いたしました。(2026年4月25日)

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