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柊くんの守護結界~やや年下によった物語~  作者: sh1r0
第1章 白銀の祈り

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第16話

 何とそこにいたのは隣の席の白石さんだった。



「いつもここで練習されているんですか?」


 白石さんに問われる。


「はい。ただこの部屋に来るのは初めてですね。学年が変わって初めてくるので。」


 部屋を見渡す。去年の部屋とあまり変わりはないな。ちょっと落書きが少ないかも。


「すみません。邪魔してしまいましたか?」


「いえ。私も今来たところだったので。」


「あ、昨日はすみませんでした。お見苦しいところをお見せしましたね。」


 昨日の黙祷の際、様子がおかしくなった自分に、隣にいた白石さんは声をかけてくれた。


「全然気にしないでください。呼吸が苦しそうで心配でしたが。」


「ご心配をおかけしてしまってすみません。」


「いえいえ、何というか、失礼に感じられたら申し訳ないのですが、楽しそうでいいなと思いましたよ。」


 ん?


「特徴的な笑い声だとは思いましたけど、オクターブ上も出ていましたし。あ、むしろ昨日は声をかけてしまってすみません。」


 ん?


「あれ、こちょこちょされていらっしゃったときのことですよね?」


「いえ、こちょこちょしていただいていないときです。学年別のオリエンテーションの黙祷のときです。あの時はすみません。」


 白石さんにとってはそっちのほうが衝撃的だったのか。それはそれで複雑な気もする。


「あ、あの時ですね。すみません、勘違いしていました。」


「いえいえ。こちらこそ主語を省いてしまってすみません。」


 そういえば、昨日の朝話したときも同じ反省をした。コミュニケーションは難しい。


「あの後は大丈夫でしたか?」


「はい。おかげさまで。ありがとうございます。」


 その後は天気の話題に興じた。特に雲の話で盛り上がった。うん、良かった。



 部屋の奥へと進む。今日の目的は基礎練習と軽い測定だ。魔法に関連する訓練場の多くは、スポーツジムと実験室、射撃場を複合したような感じの施設である。


 第二訓練場には安価な装置しかないので簡易的な測定しか出来ない。それでも最低限の種類の装置は揃っている、ということにされている。学校が発行した入学者向けの資料には、少なくともそう書いてあった。


 まずは準備運動も兼ねて基礎の練習から行う。魔法の出力は訓練や鍛錬では伸びにくいが、制御に関してはあとからどうにかできる割合が大きい。


 魔法は守護魔法とそうでない魔法に大別されるのだが、今自分が訓練しているのはそうでないほうのものだ。自分の場合は出せる火力が低いので、せめて制御だけでもどうにかしておきたい。リソースは限られているが、どう使うかの部分には改善の余地がある。


 各属性を順番に練習していく。今日は無、光、闇、水、地、炎の順。


 魔法は使うと消耗するので、後になるほど疲労が関係してくる。測定のときは対照実験や同じ条件であることを重視しているが、練習では色んなコンディションで試すためにも順番は固定しないようにしている。


 いつものメニューをこなし、次に向かうは測定装置。


 同時に1人しか使えないので本来なら順番待ちが発生する可能性があるのだが、ここは第二訓練場。しかも朝。三年生の部屋には、2人しかいない。


 測定装置の前に立ち、装置を操作。準備完了。魔法を放つ。



 少しでも、数値が改善されているといいな。


お読みくださりありがとうございます。今後は更新頻度が落ちる見込みですが、引き続きお付き合いいただけましたら幸いです。

文章を一部調整いたしました。(2026年4月30日)

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