表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ずっとあなたを想ってます〜両親を亡くした公爵令嬢は幼馴染の第二王子に溺愛されます〜  作者: 千翔りさ
4章 近づく手と絡まる糸

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/48

EP.039

その日の夜のことだった。

昼間の出来事がどうしても頭をかけ巡り、なかなか眠れずに居た。


ただ、このまま起きていても仕方がない。

目を閉じてじっとしていよう、そう思ったとき。


かすかに、ベットから離れた位置にある部屋の扉の開閉音が聞こえた。


アルバートもアンも、こんな深夜に入ってくることはないだろう。

お兄様も…仮に入ってくるにしてもノックをしてくれるはず。


音の主は誰なのか確認したいが、体思うように動かない。下手に起き上がるのは、危ないかもしれない。


じっと身動きをせず、どうにか寝たふりをしてやり過ごそうと、震える手で固く布団を握りしめていると、段々と足音が近づき、ベッドの横あたりだろうか。


ピタッと止まった足音の代わりに聞こえてきたのは、あの低い彼の声だった。


「…ロゼリア」

「え!?」


思わず反射的に声を上げ、体を起こす。

目を開けた先には、私と同じように少し驚いた顔をしたレオン様が立っていた。


「…びっくりした、起きてたのか」

「それはこちらの台詞です!ノックくらいしてください…!」

「寝ているかと思って、起こしたら悪いから…」

「だとしてもです!」


(この人、たまに抜けてるのはなんでなの…?)


どう考えても驚くのは私だろう。

レオン様の服装をちらりと見ると、夜着には着替えておらず、少し着崩したいつもの服装のままだった。


「こんな時間まで、まだお仕事ですか?」

「…早めに片をつけたいからな。きりのいいところまでやろうと思ったらこんな時間だったんだ」


「それで、少しだけ息抜きに…ロゼリアに会いたくなったから、来た」

「会い…いえ、だからといって女性の寝室に忍び込むのはやめてください」


…それに、勘違いさせるような発言も。

それを口に出すことは、流石に憚られたが。


少しの沈黙が落ちたあと、レオン様が先に口を開いた。


「昨日は悪かった」

「え?」

「怒鳴って悪かった。…情けなくて。守るって言ったのに、あんな目に合わせた自分が、情けなくて、つい」


その声は、昨日よりもずっと静かに重たい声だった。


「それでロゼリアに当たって、最低だな。いつもそうなんだ。ロゼリアのことになると…うまくいかない」

「…そんなの、私だってそうですよ」


私だって。

レオン様のことになったら、途端に臆病で、どうしていいのかわからなくなってしまうのだから。


「レオン様は、いつだって…大切にしてくれてますよ。昨日だって、誰よりもはやく来てくれました。…すごく、安心したんですよ」


そう伝えるのが早かったか、レオン様の動きの方が早かったか。

言い終わるやいなや、ふわりと抱きしめられる。


「レ、」

「本当に、無事でよかった」


彼の声が、普段より何倍も近い距離で、思わず体が熱くなる。


「あ、あの、」

「次は絶対にあんなことは起こさせない。必ず守るから」


その言葉に、恐る恐る私も腕を回す。

あの頃よりも広く大きな背中は、とても頼もしく温かかった。


それから、どのくらいが経ったのだろう。

自然と二人の体が離れ


「…まだいくつか業務が残ってるんだ。また来るよ」


そう言い残したレオン様が、部屋を立ち去ろうとしたその時だった。


抱きしめられた反動として、許してほしい。

私もそれなりに気が動転していたのだ。


その瞬間、余計な一言が口からこぼれ落ちたしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ