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ずっとあなたを想ってます〜両親を亡くした公爵令嬢は幼馴染の第二王子に溺愛されます〜  作者: 千翔りさ
4章 近づく手と絡まる糸

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EP.038

「お嬢様、お疲れではないですか?」

「えぇ、大丈夫よ。アンもごめんね?変な話ばかり…」

「いえ!そんなことありません。私も、お嬢様をお守りする立場ですので」


立場だけで考えると、ただの侍女であるアンには少し重い話だったかもしれない。


けれどアンは、どこまでも優しく私を気遣ってくれた。


「お嬢様、喉は乾いていませんか?お持ちするので、少しお待ちください」


気分転換に提案してくれたのだろう。

そう言って準備をしに行ったアンを見届け、行儀が悪いことは飲み込んで、私はそのままベッドに勢い良く倒れ込んだ。


(一気に色んなことが動きすぎて、頭が追いつかないわ)


そんな私を嘲笑うかのように。


更に私を混乱させる…複雑な気持ちになる、あまり聞きたくない声が窓の外から聞こえてきてしまった。


「…なんです!レオナルド様はどう思われますか?」

「……で、…かな」


高く、楽しそうな女性の声と。

聞き慣れた男性の声。


思わず起き上がった体が少し痛かった。

ベッド脇の大きな窓からバレないように下を覗くと──そこには想像通りサラ様とレオン様の姿があった。


しばらく窓の下で会話をしている二人の声が聞こえ、会話が止まったと思ったのも束の間。

より一層聞かなければよかったと思う声が聞こえてしまった。


「……で、……だから、やっぱり私、…レオナルド様の事が好きなんです…!だから…、」


途切れ途切れの言葉。


はっきりと聞こえないはずなのに、聞きたくない部分だけが、妙にはっきりと聞こえる人間の体は、すごい作りだな、と思ってしまう。


私な思わず再びベッドへ倒れ込み、布団を頭からかぶった。


レオン様は、サラ様のことをなんとも思っていないと言っていた。

今日も忙しいから顔を出していないだけだと。


きっと、昨日のことがあったから、侯爵が城に登城し、サラ様はそれについてきたのだろう。


レオン様のことは誰よりも信じている。

信頼もしていて、誰よりも大切な人だ。


ただ、私と彼はただの友人以外に他がない。

他の人よりも、兄の繋がりがあって少し親しいだけ。


「好き」と言われたことももちろんない。

…今も昔も。


本当は──サラ様のことを好きになっていたら?

人の感情は、意外と簡単に動くと思う。


うち(公爵家)とフラテリーニ侯爵家のことはことで、サラ様のことは人として本当に好きになっていたら?


どうしてこんなにマイナスなことばかり考えてしまうのだろう。そんなことはないと思いたいのに、言い切ることはできない。


布団の中で目を閉じ、外の音を遮断するように。

アンから声をかけられるまで、私はずっとそうしていた。


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